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先輩しか見えない  作者: ももたろう


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第三十二話 約束






夜の食堂。



小春はレポートに追われていた。


「終わらないです……」


「やれ。」



「先輩、冷たいです。」


「終わらせんと帰れんやろ。」


「はい……」







廊下は静かだった。





「黒瀬先輩…」


小春がそっと呼ぶ。


「ん?」



少し間。


小春はいつもより言葉を選んでいる。






「もうすぐ卒業ですね…。」




「そうやね。」





小春は寂しそうに答える。


「寂しくなります。」




「会いに来るよ。」





「でも……」



黒瀬が見る。




「連絡する。」




「……。」


小春は俯いたまま。




「何も変わらんよ。」





「……。」




黒瀬は優しく微笑みながら


「大丈夫。」





「同じ気持ちだから。」





黒瀬に抱きつく小春。




「…先輩。」



「ん?」






「絶対会いにきてください。」



小春の可愛いわがままに、微笑む黒瀬。



「ん。」






「ちゃんと会いにきてください!」





「わかってる。」



なだめるように、小春の頭をポンポンする黒瀬。




2人を裂くように、


着々と、


卒業へのカウントダウン。





残り少ない、共に過ごす夜。




寂しく、そして暖かいニ人の時間…。



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