第二十七話 クリスマスパーティー
世はクリスマス一色。
サッカー部三年生の部屋では、年に一度のクリスマスパーティーが開かれていた。
机いっぱいに並ぶピザやケーキ、お菓子。
「メリークリスマース!」
クラッカーが鳴り響き、部屋は一気に賑やかになる。
サッカー部三年生が黒瀬の部屋に集まった。
部屋中が笑いに包まれていた。
プレゼント交換も終わり、みんなでケーキを食べながら雑談していると、一人がふと口を開いた。
「てかさ!」
「ん?」
「小春ちゃん呼んだらいいやん!」
部屋が一瞬静かになる。
「確かに!」
「黒瀬の部屋、よく来てるじゃん」
「今日はクリスマスだし、一緒にケーキ食べようよ」
「絶対喜ぶって!」
次々に賛成の声が上がる。
「んー…。」
黒瀬はフォークを持つ手を止め、
スマホを取り出した。
画面を開く。
『今、何してる』
『暇なら来る?』
送信。
返事が返ってきた。
『行きたいです!』
『…お邪魔じゃないですか?』
黒瀬も返す。
『大丈夫。みんなも呼んでる。』
『おいで。』
十分後。
コンコン。
「来た来た!」
「小春ちゃんやん!」
ドアが開く。
「失礼します……」
小春が遠慮がちに顔を出した。
「こんばんはー…」
その瞬間。
部屋中の三年生が一斉に
「「「かわいい〜!!」」」
「いらっしゃーい!」
「待ってたよー!」
「ほらほら入って!」
「ケーキあるよ!」
「チキンも!」
「座って座って!」
先輩たちに囲まれ、小春はあっという間に中へ案内された。
当たり前のように黒瀬の隣を空けておく先輩たち。
小春は黒瀬に駆け寄り
「先輩!メリークリスマス!!!」
「プレゼント持ってきました!」
可愛らしいさくラッピングされたプレゼント。
「まじ?」
予期せぬプレゼントに驚く黒瀬。
「わー!」
「黒瀬、開けてみてよ!」
周りに急かされる黒瀬。
「開けてい?」
「はい!」
丁寧にラッピングを開けていく。
中には
黒瀬が好きなスポーツメーカーのタオル。
「いいじゃん!!!」
「これ、黒瀬欲しかったやつやん!」
「さすが、小春ちゃん!」
「えへへ。」
小春は、照れながら。
「黒瀬先輩、もうひとつ…。」
小春はそっと、黒瀬にある物を渡す。
そこには、手作りのミサンガ。
「黒瀬先輩が怪我しないようにって。」
黒瀬は深く息をつき、小春を抱きしめる。
「ありがとう。嬉しい。」
小春は嬉しそうに顔をほころばせた。
「ひゅーーー!!」
「見せつけてくれるねぇー。」
「黒瀬だけ羨ましい!」
さらに盛り上がる周りの三年生たち。
「あの、実は皆さんにも。」
そう言って
小春は全員にお揃いのミサンガを渡した。
「いつも皆さん良くしてくれるのでお礼を含めて…。
サッカー部全員に編みました。
1・2年生の分もあります。」
小春は何日もかけて、こっそり、
サッカー部全員分のミサンガを作っていた。
一瞬静まり返った部屋。
「まじーーーーー?」
「うちらもいいの!?」
「全員って!?大変だったでしょ!」
「みんなでおそろいとか嬉しい!!」
「「「ありがとう!小春ちゃん!!」」」
その言葉を聞いて。
(頑張って、作って良かった…)
「えへへ。」
照れる小春。
サッカー部全員からも可愛がれる
みんなの妹みたいな小春。
そんな小春を見て
改めて好意を自覚する黒瀬だった。
楽しいクリスマスパーティーは遅くまで続いた。




