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先輩しか見えない  作者: ももたろう


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第二十二話 黒瀬の実家



とある連休前。


黒瀬の母から一本の連絡が入る。


「小春ちゃんも一緒に帰っておいで。」


突然の誘い。


小春は数日間、本気で悩んだ。


「ご迷惑じゃ……。」


「母さんが呼びよる。」


「でも……。」


「来てほしいらしい。」




勇気を出して黒瀬の家へ向かうことに。




今回の帰省は


二人で電車で帰る。





向かう電車の中。


そわそわする小春。


その姿に


「大丈夫。」



たった一言。



いつもと変わらない黒瀬に


自然と小春は落ち着きを取り戻した。





駅では黒瀬の両親が笑顔で待っていた。


「小春ちゃん!遠かったでしょう!」


「いえ!」


家に着くと、


「いらっしゃい。」


「ご飯できとるよ。」


「お菓子もあるよ。」


「疲れたやろ。」


親戚の家に遊びに来たような温かさ。


小春の緊張はあっという間に消えていた。




夜。



リビングでテレビを見ながら笑う家族。


その輪の中に、自然と小春もいる。


ふと横を見ると、黒瀬と目が合う。


「楽しい?」


小さく聞かれ、


「……はい。」


心からそう答えられた。




帰る日。


黒瀬の母はお土産をたくさん持たせながら笑う。


「また帰っておいで。」


父も頷く。


「今度はもっとゆっくりな。」


「ありがとうございます。」




暖かい黒瀬の家族に


涙ぐみながら頭を下げる小春。



その様子を見た黒瀬は、小さく笑ってつぶやく。


「もう家族みたいやん。」




その言葉が聞こえていた小春。


照れてしまい、うつむいて


聞こえなかったことにした。





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