第十七話 同じベッド
いつものように黒瀬の部屋に来たものの
机に向かい、淡々と課題をしている黒瀬。
相手にされない小春は、
構って欲しさに
「ん"んーーーーーーー!」
と黒瀬の背中に、抱きつく小春。
机を覗き込むと
ノートにさらさらと書き込まれていく綺麗な字。
「ん?わかるん?」
「理解はできないけど。
文字は読める!!」
「なにそれ。」
クスリと、笑う黒瀬。
「まだ習ってないんだも〜ん…」と
口を尖らせ、つぶやく小春。
黒瀬からペンを奪い取ったかと思いきや
ノートの隅に
『先パイ、だいすき♡』と落書き。
愛らしい小春の姿に
「…今日泊まってく?」
「え!今日!?」
「そう。」
机に向かい、再び課題をしながら淡々と答える。
「…いいんですか?」
「ん。」
「奈央、小春泊めてい?」
同室の奈央は、やれやれとニヤついて
(…せっかくだから二人きりにさせてあげるか、)
「いいですよ。今日自分も隣の部屋泊まり行くつもりだったんで。」
「ん。わかった。」
「美咲先輩に、今日黒瀬先輩のとこに
泊まるって送っておきますね!」
「ん。」
「それじゃ。黒瀬さん、おやすみなさい。
小春ちゃんもおやすみ〜。またねぇ〜。」
奈央が出ていき、部屋には沈黙が流れた。
(て、てことは、黒瀬先輩と二人っきり!?
ドキドキが止まらない!
心臓の音、先輩に聞こえちゃう…!)
「寝るか。遅いし。」
そう言って、慣れた手つきで、部屋の電気を消し、
ベッドに入る黒瀬。
借りてきた猫のように、大人しくなった小春を、
微笑みながら
「おいで。」と
ベッドの中に引き込み、抱き寄せる。
黒瀬のさわやかな匂い。
鍛えられた身体。
抱きしめられて、パンク寸前の小春。
「小春、…いい匂い。」
耳元で、ささやかれる低い声。
黒瀬の顔を見れない、小春。
「…//。先輩、ドキドキして眠れない…」
「…同じ…でも落ち着く…。」
とろんとした声でつぶやき、
小春の額に、ちゅっとキスを落とした。
(っ///え、先輩!?
お、おでこ、、、!!!
わ、私まだ、こ、こ、心の準備が!)
、、、スー、、スー、、スー、、、
(…………え、先輩、寝ちゃった!?
…もしかして、寝ぼけ…て…た……?)
(嘘でしょーーーーー!?!?!?
この状況で寝れるなんて!!!!
…私だけ振り回されてるみたい!!
悔しいから………
思いっきり、黒瀬先輩吸っちゃうもんね!!)
すんなり、黒瀬に寝つかれてしまった小春は
黒瀬の胸に顔を押し当て、
大好きな匂いを吸い漁り……。
いつの間にか、眠りについていた。
翌朝
奈央は、静かに自部屋に戻り、
抱き合って幸せそうに眠る2人の姿を
こっこり写真に収めた。
(…この写真、いつか、2人にプレゼントしよ。)
ーーーー2人が起きてからーーーー
「…黒瀬先輩。」
「ん?」
「昨日のこと覚えてますか??」
「なんかした?」
「っ!もう先輩なんて知らない!!!」
ぷーっと頬を膨らませる小春に
きょとんとする黒瀬だった。




