What was missing!
しばらく続いた膠着状態が終わると、そこからは早かった。結局、動き出した1人が残りを一掃して体験時間は終了した。
「ふー、疲れた……」
ここまでの長期戦に加え、ゲームの性質上かなりの距離を走り回る。そのため、審査員たちはかなりの疲労を溜めていた。少し休みたいと思う審査員たち無視するかのようにアナウンスが流れる。
「それでは、いよいよ最後のゲーム。ツキナさんが製作した魔界の札です!」
ステージを降りるミナと交代で、ツキナはステージに上がる。そのまま少しの補足を済ませると、審査員たちにカードを配布し、トーナメント形式で試合を始めさせる。さっきまでと比べ、かなりシンプルになったこともあり終わるのも早かった。
「皆さん、お疲れ様でした。ではこれより、最終結果の投票をお願いします。」
とうとう大会の最終結果が発表される。
「これより最終結果を発表します。名前を呼ばれた方はステージ上まで来てください。それでは第3位、ミナさんのCard in worldです。」
「…あっ、はい!」
てっきり1位か2位だと思い込んでいたミナは一瞬反応が遅れた。しかし、それも無理はない。今までの審査員の反応的にもミナは1位でもおかしくはなかった。ミナと一緒にいたナレンやマユネも、ミナの順位には疑問を抱く。そんな彼女らをよそに、引き続き2位と1位の順位が発表される。結果は2位がカノトのRHYTHM TOWER、1位がツキナの魔界の札となった。順位発表後は、審査員たちによる解説が行われる。
「いやー、結構迷ったんですけどね。特にミナさんのゲーム。」
彼らの話によると、ゲーム性、面白さ、外観、そのどれにも問題はなかったらしい。むしろその3点だけなら1位にしていたとまで言われる。
「けど、一点だけ。このゲーム、これからのことは考えてる?」
「え?」
「んー、やっぱりかぁ。」
ミナのゲームにはこれから先の進化が期待されなかったのだ。ツキナはカードの種類を増やせば多様性が生まれる、カノトはノーツの形を工夫すればもっと難しくなるというように、2人のゲームには進化していくポイントがある。もちろん、ミナのように進化しないゲームでも人気になるものはある。しかし、そういう作品は大抵、過去にはないようなゲームが多い。今回ミナが製作したカードゲームは一見全く新しいもののように思える。しかし、やってることは他の戦闘系のVRMMOとあまり変わりないのだ。攻撃、防御、回復、これらを各々のプレイヤーが行う。その道具がカードになっただけである。だから、もしここに少しでもオリジナル性のあるストーリーが組まれたりすれば、話をどう広げるかでもプレイヤーたちの興味を引くことができる、そうアドバイスを受けた。
「なるほど。確かにこれからのことは考えてなかったですし、言われてみると他のゲームとやってることは変わらないですね。これから改善してみます!」
そのまま残る2名にも、順位の解説とアドバイスが残された後、残る参加者の順位とメッセージが発表され、大会は終了した。




