Accidental success!
Card in worldの体験が始まってから10分後、戦況は膠着状態になっていた。その理由となっているのは、カードがどの種類のものなのかが分からないことだった。スタート時は、持っているカード全てを出して攻撃を仕掛けるのが基本戦術なっていたが、カードは無限にあるわけではない。もし持っているカードの中に2枚以上、攻撃カードが入っていれば1枚は無駄になってしまう。
「ねぇ、ミナ?これ攻略法とかあるの?」
「あるにはあるけど……」
「けど?」
「少し難しいかもしれない。」
「まぁ確かに難しいよね。あの条件を揃える言葉を探すって。」
「うわー!びっくりしたー!」
「あっ、ナレン!」
マユネが驚きのあまり飛び跳ねて振り返るとそこにはナレンがいた。ナレンは観客たちをかき分け、ミナとマユネの元に流れ着いたのだ。
「いやーだいぶ好評ですなー。」
「うん、これもナレンのおかげだよー。」
「私何もしてないんだけどー、じゃなくてミナってマユネさんと知り合いだったの?」
「ううん、私じゃなくて別ゲームのフレンドの知り合い。」
「なるほどね。にしても別ゲーム、ミナが本来やってるゲームかー。私もこの大会終わったら行ってみよかっかな。」
「え、フレウに行くの?私も行きたい!」
「「フレウ?」」
聞き慣れない言葉にミナとナレンが首を傾げる。
「ミナがFRWって呼んでる世界のこと。Fがフ、Reでレ、そしてWをウって読んでフレウ。私とフリスタとあと1人、スパレにいるリア友はそう呼んでるよ。」
「なるほど……」
確かにフレウのほうが呼びやすく略称っぽいとミナはうなずく。
「まぁこの話は一旦置いといて、状況が動いたみたいだよ。」
話をしながらゲームの動きを眺めていたマユネが、ミナやナレンに呼びかける。
「あっ、ほんとだ。もしかして分かったのかな?」
「どうだろうね。」
残る審査員4人のうちの1人が大きな動きを見せる。全速力でフィールドを駆け抜け、別のプレイヤーに接近する。そのまま1枚のカードを構え、言葉をカードに乗せる。
「シールド!」
白紙のカードは光だし、1つの盾へと姿を変える。ほとんどのプレイヤーは防御カードが当たって、その盾で殴るのだろうと思う。実際、その審査員は変化した盾を手に取り標的を押しつぶした。その標的の本来のHPが0になることはないが、専用のライフは0となる。
「いやー、防御のカードで攻撃かー。やっぱり戦うゲームって複雑だね。」
戦闘系のゲームは基本的にプレイしないマユネはそう呟くが、ミナとナレンがそれを否定する。
「ううん、それは違うよ。」
「あれは防御カードじゃなくて、攻撃カード。防御カードは防御にしか使えないから殴っても意味がないよ。」
「え?じゃあなんで?」
「それはこの大会のあと、3人でフレウ?に行ったとき話すよ。」
さり気なくFRW、いやフレウに行くことになっているが2人もその気だったらしく特に何も言わなかった。




