Unexpected harvest!
ミナがゲーム作成に没頭する中、他のFRWのプレイヤーはもちろん、コラボ相手のゲームのプレイヤーも様々な世界を回る。中でも人気を集めていたのはFantasy Really WorldとWorld Notesの2つだった。FRWは元々初心者向けではないことは有名であるため、なかなかに手を出しづらいという人が多い。そのため、今回のコラボなら無料でその世界を体験できるということで、人が多く集まった。World Notes、通称ヲノと呼ばれるゲームは他にはないゲーム性が多くの人を引き込んだ。"天裏ノ魔刀"からもフリスタ、ユギンはこの世界に遊びに来ていた。
「どう?そっちは慣れた?」
「いや全然。思ってたより難しいけど、これはいいトレーニングにもなるな。」
「そうだね。私も遠距離魔法の命中力向上には結構いいかも。」
基本的なリズムゲームは一定の場所に流れてくるノーツを処理するものが多い。しかし、このゲームではノーツが世界中にばら撒かれている。それらを設定した曲に合わせ処理するのだ。その方法は自由で、今回のコラボであればフリスタは【キャノン】をノーツにぶつけたり杖で直接叩いたりなどしている。流石にユギンの【霧刃】のような範囲攻撃は禁止になっているが、それでも遠距離攻撃がアリならだいぶ楽になるように思える。ところが現実は違った。ノーツの中には処理してはいけないものもあったり、ゴマ粒くらいにしか見えないようなものもあったりで、まず当てること自体が困難である。場合によっては、1曲で4000近くのノーツを処理するものもある。そこまで来ると慣れていない者にはクリアすらハードルが高かった。その分得るものも多く、攻撃の命中精度や状況判断など、自分たちの世界でも役に立つ成長は多く見られた。
「そういえば他のみんなはどうしてるんだろうね。」
「さぁ、案外ミナとかヘルは別の世界でも既に上級層にいたりしてな。」
「なんか普通にあり得そうだね。」
2人は既に現実となっている状況を推測しながら、また曲を設定しリズムを刻み始めた。
当のヘルが周囲の注目を集めていたのはマジック・エデンだった。マジック・エデンは主に発想力が重要となるゲームで、ミナ辺りが得意にしそうなジャンルである。ヘルは自身の発想力不足を克服するために、その世界へと真っ先に向かったのだ。そしてヘルもミナと同じく良い出会いをし、その世界の基本的な遊び方などのレクチャーを受ける。
「ここはこうでいいの?」
「そうそう、基本となる型はそれで大丈夫。あとは具体的にどういう魔法を作りたいかだよ。」
「どういう……あっ。」
「ん?何か思いついた?」
「思いついたっていうか分かったことがある。」
「ほう、それは一体?」
ヘルはようやく気づけた自分の悪かった所を、そのプレイヤーに伝える。
「なるほど、確かに発想力が生きる人ってそういう人が多いかもね。実際これもそうやって作られるしね。」
ヘルが自身の短所を学習してからは、相変わらずの飲み込みの早さで魔法を作りあげる。次々に魔法が組み上がっていく光景にそのプレイヤーも驚きを隠せない様子で、その光景は次第にギャラリーを集める。結果、ヘルも一部のみではあるが、その世界のプレイヤーたちの注目を浴びていた。




