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第五層のボスである蟹は呆気なくとまではいかないが、作戦会議の意味がなくなるくらいには楽に討伐された。
「思いの外早く片付いたね!」
「そうだな。正直本当に俺らはいらないんじゃないかってレベルだった。」
「なんか、もう鍛冶屋ってなんだっけって感じだよね。」
ミナたちは遥か遠くに浮かぶ宝箱と目の前のカルデを眺めていた。カルデが前回のイベントで使用した弓は範囲を極めたもので、今回使用したのは飛距離重視の弓だった。実はどちらもメルが使う弓で、最強のステータスを誇るプレイヤーが使うだけあってそのスペックもとんでもないものである。基本的な弓の飛距離は、遠距離魔法の最大距離と同じで大体100mほどである。そしてカルデがエルの【変貌】で再現した弓の飛距離はそのおよそ3倍、つまり300mほどである。加えてATKは本人のものを反映するため12841。蟹の甲羅を貫くのは容易だった。
「けど、7発も外してたら実戦じゃ使えないわね……」
ある程度の軌道補正はあるとは言え、そこまでの飛距離となると当てるのも一苦労である。実際、蟹に命中したのは8発目で、プレイヤー相手には通用しないレベルだった。
「まぁそれは練習するしかないにして、とりあえず六層に行かない?」
「あれ?なんかロウ、テンション高くない?」
「確かに言われてみるとそうかもね。なにかあったの?」
いつもに比べ、ボスクリア後にワクワクしているロウを見て、カルデだけでなくメンバー全員が不思議に思う。
「いや、予想通りなら六層は俺とカルデにとって今までで1番楽しい場所だから。」
どうやらロウには第六層がどんな階層になっているのか、思い当たるものがあるようだった。
「予想するのはいいけど、期待はし過ぎないようにね。」
「それくらいは分かってるよ。」
話を終え、気を取り直して六層へと足を踏み出す。目の前に現れたのは、一見第一層と変わらない街並みだった。
「あれ?ここって一層じゃないよね?」
「あぁ、六層になってる。」
若干の違いはあるものの、街並みは完全に第一層を思わせるものだった。
「ねぇロウ、これも予想通り?」
「断言はできないけど恐らく。」
「え!?」
てっきり予想外だったという反応を期待したカルデは、まさに予想外だったという反応をする。
「まっ、そこは調べてみればわかるだろ。」
「そうだね。で、どう調べるの?個人?グループ?」
「ミナはどう思う?」
「私はグループかな?この前の島みたいにモンスターが急に出てきても困るし。」
「それじゃあどうやって分けるかだけど……」
「前回イベントと同じ感じでいいんじゃないか?安定もしてるし。」
その後、防衛側をミナとフリスタ、カルデとロウに分け、合計4グループで第六層を探索して回った。




