Strongest confrontation!
第3回FRWイベントが終了し、シャッフルされた島の位置も戻り、今回限りのギルドは解散する。中にはそのまま正式にギルドを組んだところもあるが、ほとんどは同じメンバーで組もうとはしなかった。そして上位に入ったギルドには報酬が送られる。内容としてはギルドメンバーそれぞれに5000マイ、運営からの特殊スキルをランダムに1つずつだった。因みにマイというのはこの世界でのお金の単位である。しかし、ここでミナには疑問が一つあった。
「スキルって私たちはもう片方の装備のときに使えるってことかな?」
「恐らくそう……いや、今回は特別に制限はないみたいだぞ。」
本来、天神龍の装備を使うミナとレヴンは、普通のスキルは習得できないようになっている。しかし今回の報酬スキルだけはその制限を無視できるようだった。ミナたちはそれを確認するとそのまま流れるようにログアウトした。第四層のときほどではなかったが、ほぼずっとログインしたままだったため疲労は限界を迎えていたのだ。
翌日、奈美は学校から帰ると報酬にあったスキルを試そうとすぐに部屋へ向かい、ゴーグルをセットする。
「ふぅ、まずはスキルの詳細から調べて……」
ミナは獲得したスキルの詳細を確認する。
【虚無】
効果:半径10m以内の自分も含めた全プレイヤーの視界を奪う。
「え?これだけ?」
思っていたよりもシンプルなスキルにミナは一瞬戸惑う。しかし、イベントの報酬でそこまで強力なものは出せないのだろうと考えたミナは一応試してみることにした。
「あれ?でもどこで試そう……」
ミナは試すのにちょうどいい場所がないことに気がつく。【虚無】の範囲は決して狭くない。その辺で試すとなると、他のプレイヤーを巻き込みかねないのだ。考え込みながらその場を5分くらい彷徨っていると、あるプレイヤーに声をかけられる。
「おーい。」
突然の呼びかけに慌てて振り返ると、そこには例の防御を武器とするプレイヤーがいた。
「あっ、れ?そういえば名前聞いてなかった……」
「そういえばそうだったね。自分はアイン。よろしく。」
「私はミナ。よろしく。もしかして約束の件?」
「うん。時間があるときに声かけようと思ったら、なんか彷徨ってたから声かけちゃった。」
「それなら今から大丈夫?ちょっと試したいこともあって。」
ミナにとってはこれ以上ないくらいのいい機会となった。彼は明かしていないが、その異常な防御力にも秘密があった。それは、特定の方向にしかその防御力は働かないというもの。方向は切り替えられるものの、相手の攻撃に合わせるのは想像以上に難しい。つまり、上手く使えれば【虚無】が最大限に活きるのだ。ミナはどんな風に【虚無】を使うかを考えながら、アインと共にPvPエリアへと向かう。
「それじゃあ始めようか!」
「うん!」
この世界における矛と盾、それぞれの最強同士による試合が始まった。




