Iron wall!
ミナ、カルデ、ロウ、ヘルの4人はギルドの数を減らすため、片っ端から島を叩いていた。そして実は"天裏ノ魔刀"以外にも、"参神"に影響されたギルドは少なくはない。しかも、そのほとんどが上級者たちの集まりである。そんな集団に臨時で集まっただけのプレイヤーたちが敵うはずもなく、ギルド数の減少は加速していった。
「残りギルドは153。私たちの順位は43位だから充分間に合いそうかな?」
「このまま進めば間に合うけど……」
「多分そうはいかないだろう。ここまで減ってくると同じ目的を持つ相手と遭遇する確率も高くなるだろうし。特に"参神"とは当たりたくないな。」
「確かにそうね。当たった島が上級者プレイヤーたちのギルドって可能性もあるだろうし。」
「そっかぁ……」
「まぁそのときはそのとき、とりあえずあそこに島が見えるからそこ行こうよ。」
「うん!」
レルグの【飛翔】によって上空へ向かい、カルデとエルによって奇襲をかける。その後島に降りると、残ってるプレイヤーをヘルが倒しに向かう。
「うっそ……」
予想外の現状にヘルは目を疑う。たった1人ではあるが、1ダメージも入っていないプレイヤーがいたのだ。
「まぁ自分は防御だけが取り柄のプレイヤーなんでね。」
「防御特化ってことは、レヴンがメルから貰った情報の……」
レヴンが聞いたメルの話によると、ステータス値がトップレベルの彼女ですらダメージを与えることのできないプレイヤーがいたらしい。そして今目の前にいるプレイヤーがそのプレイヤーだったのだ。
「まぁそんな訳なんでここは引いて…」
その言葉を遮ったのは赤い閃光。ミナの【破壊ノ剣】だった。当然【破壊ノ剣】に防御力は関係なく、そのプレイヤーのHPは残り1となる。
「え?」
今までまともなダメージを1度も受けたことが無いそのプレイヤーは、明らかに動揺を見せる。一方、カルデ、ロウ、ヘルも呆気に取られていた。戦場である以上ダメという訳ではないが、明らかな不意打ちに。
「えっと…… ミナ?」
「え?もしかしてまずいことした?」
周囲の反応にミナも困惑する。
「いや、別に不意打ちどうこうはどうでもいいんだけど、今何したの?」
「【破壊ノ剣】ってスキルだけど……」
「あー!なるほど、君がミナか!噂には聞いてたけど確かにすごいスキルだね。僕にここまでダメージ与える威力は見たことないよ。」
「まぁミナの場合は防御無視だからな。」
「えっ、そうなの?あー、なんとなく分かったから詳しくは聞かないけど、とりあえず……」
そのプレイヤーは隠しておいた宝を取り出すとミナに差し出す。
「えっと……?」
「遠慮しなくていいよ。まだ宝にも余裕あるし、僕を驚かせてくれたお礼ってことで。あと時間が合うときにPvPやってくれない?もちろん全力で。」
「それは全然いいけど……」
「それじゃあそういうことで。」
「う、うん。ありがとう……?」
ミナはよく分からないまま宝を受け取ると、そのまま島を後にした。




