Overwhelming overrun!
レヴンたちがキサラたちの島を出た頃、ユギンとヘルは運良く自分たちの島へと帰還していた。道中には2つの島があったが、どちらからも宝は回収したようだ。
「あとはレヴンたちなんだけど連絡も取れなくて……」
「レヴンとヨルカのことだから今頃集めて回ってると思うけど、話はあとだな。」
ユギンとヘルに奪われた宝を取り返すべく、大勢のプレイヤーが"天裏ノ魔刀"の島へと押し寄せる。普通ならその大群に驚くところではあるが、数で"天裏ノ魔刀"に勝つことは至難である。
「それじゃあ起きて、サタン。闇門・深!」
「「「え?」」」
ミナがイベント前に励んでいたこと、それはサタンの強化だった。正確には【闇門】の強化だ。サタンのレベルが1上がれば、【闇門】も1回進化する。今のサタンのレベルは5、つまりサタンの【闇門】は4回進化している。1回目で召喚する悪魔たちのステータスが向上し、2回目が圧倒的な召喚数速度の上昇、3回目は固定ダメージ値の上昇。そして4回目は、倒された悪魔たちのステータス値を1分間自身のステータスに加算するというものだ。現在の悪魔たちのステータスはオール30である。1体ならそこまでの変化だが、3体でもやられればその時点で差は約100となる。実はこの100という数値は、上級者プレイヤーにとってはかなりの差である。かと言って倒さないでいれば悪魔たちにやられてしまう。
「くそっ、なんだよこいつら!なんでこっちばっか襲ってくるんだよ!!」
「一体一体は弱いけど数が多すぎてキリがない!」
大量の襲撃者がさらなる物量で蹂躙されている光景にフリスタ、ユギン、ヘルはただただ呆然としていた。
「ってあれ?」
最初に異変に気づいたのはフリスタだった。僅かではあるが一部のエリアだけ悪魔たちが近づけていないのである。
「ねぇ、ミナあそこってわざと襲ってないの?」
「え、どこ?あ、いや【闇門】の悪魔はオート操作だからそういうわけじゃないけど、なんでだろう?ちょっと行ってみる!」
「ヘル、一応一緒に行って。【闇門】を無効にしてるんだったら何があるかは分からないから。」
「うん、わかった。」
しかし、そんなフリスタの心配は杞憂に終わり、【破壊ノ剣】と【破滅ノ剣】によってそこにいた敵たちは瞬殺された。
「結局原因は分からなかったけど追い返してきたよ!」
「お疲れ。にしてもなんで無効化されたかは気になるね。今のプレイヤー層を見る限りそんなことができるプレイヤーはいないと思うんだけどな。」
「そうだな。可能性としては1人だけ上級者を混ぜておいた、テイムモンスターによる効果、装備とかアイテムによるものの3つが怪しいと思う。」
「まぁ気にしても分からないし今はこっちに集中しない?なんだかんだ【闇門】だけじゃ時間がかかっちゃう…」
「うん、そうしよっか。考えるのはあと!」
ユギンが範囲攻撃で悪魔たちを補助し、ヘルがとどめを刺す。さらにフリスタの【幻影】でそれら全てが2倍になる。そこから先は早く、ミナたちの前から敵は1人残らず消滅した。




