Surprising force!
イベント開始から18時間後、6回目の島のシャッフルが起きたあと。"天裏ノ魔刀"の島の位置はマップのど真ん中という周囲からの標的となりやすい所にあった。加えて途中経過を見ると"天裏ノ魔刀"はランキングは127位。因みにキサラたち"参神"は135位である。どちらも実力だけ見れば圧倒的にもっと上位にいるべきギルドである。しかしこれらのギルドは特に人数が少ないため、効率は最悪のものだった。実際、TOP10に入っているギルドはどれも人数が100人近くいた。
「どうしよう、このままじゃ順位が……」
「どうするも何もこればっかりはどうしようもないからな。」
はっきり言って手詰まりである。レヴンの【水中自在】は確かに強力ではあるが、レヴンのところだけに戦力を集めていては余計に効率が悪くなってしまう。ほとんどがこの状況を打破できないと諦めかけていたとき、ロウが一つのアイデアを提案する。
「なぁ、明日以降は俺らにも攻撃に回らさせてくれないか?」
その言葉にカルデ以外が驚きのあまり声が出ない様子である。カルデとロウは鍛冶とその素材集め、完全に裏方支援の存在である。プレイヤーどころか低レベルのモンスターですら戦闘はできないだろう。
「どうするの?」
ミナがやっと出せた言葉だった。
「実は俺とカルデはイベント開始直前までテイムモンスターのレベル上げに専念してたんだけど……」
「そこで、よく分からない進化しちゃったのよ。」
「よく分からない進化?」
「進化っていうか成長っていうのかな。」
「俺のレルグは【飛翔】って言って、味方全員の空中移動を可能にできる。もちろん高度も制限はないし、スピードもAGI通り。」
「それで私のエルは簡単に言えば変身なんだけど、この世界に存在する装備ならどれにでも変身できるみたいなの。しかもステータスは存在するものをそのまま反映できる。」
「いや、それ強すぎない?」
「まぁ空中は慣れるのは少しかかったけどな。」
「そこはリヴァイアサンの【水中自在】の空中バージョンって思えばいいけど……」
「カルデさんは完全にもう別人レベルな気がするよ。ん?あれ?もしかしてそれってミナちゃんとかレヴンの装備も使えたりするの?」
「えぇ、しかもスキル付きで可能だったわよ。」
再びその場に沈黙が訪れる。レヴンの代償は自爆になることもあるため使いどころが難しいが、ミナの方は回数制限と一時的なステータスダウンだけである。それも下手をすれば簡単にやられることになるが、普段からあまり戦闘ができないカルデにとっては気にすることでもなかった。
「まぁその辺に驚くのは一旦あとにして、とりあえず今どうするかを決めよう。」
フリスタが話を戻し、カルデとロウのことも考えた上で結論を出す。そこでひとまず解散して夕食等を済ませ、21時に集まることにした。その後は攻撃、防衛どちらも変えずに残り3時間を過ごし、2日目は全員攻撃に回る。レヴンとロウを中心に2手に分かれ移動手段を確保する。自分たちの宝はフリスタの【幻影】で守り、攻めに専念する。確実ではないが、それでも今の自分たちできる最良の選択。"天裏ノ魔刀"はそれを信じ、それぞれ一度リアルに戻った。




