Illusionary trap!
ミナたちが防衛の初陣をしている頃、攻撃組は攻撃組は2手に分かれ行動していた。一つはユギンとヘル、もう一つはレヴンとヨルカ。レヴンとヨルカのコンビはギルド成立どころかミナたちよりも圧倒的に長い。ギルド内の連携は間違いなくトップである。ユギンとヘルは連携と呼べるほどではないが相性はいい。ユギンが【霧刃】でジワジワとダメージを与え、武器のないユギンをヘルが守る。時間はかかるがなかなかに凶悪なコンビである。そしてそれぞれが目的の島へとたどり着く。
「さて、ここはある意味リベンジ戦だな。」
ユギンたちが来た島は以前にレヴンが発見した島、第1回イベント決勝で惨敗した相手の島である。慎重に島を探索する。場所は当たりだったようで宝はすぐに見つかる。
「これは罠か?」
「分からないけど、怪しい。」
付近にプレイヤーの様子は見当たらない。特に見つけにくい場所にあるわけでもないのに守る者がいないのは謎である。
「まぁ気にしたって仕方ないし行くか。」
覚悟を決め、不意打ちもされないように警戒しながら近づく。そしてユギンの手が宝に触れた瞬間、それは煙のようにふわっと消えてしまう。そのときを待っていたかのように【キャノン】のようなものが四方八方から飛んでくる。
「ヘル!」
「うん、蝶ノ羽々鳴!」
ヘルは鎌を構えてスキルを使用する。鎌の刃が小さく無数に分離する。残った棒の部分でそれらを操作する。回数制限はあるものの代償はない。しかし使いこなすのはかなり難しいスキル。とは言えヘルにとってそれはもう馴染みのあるスキルになっていた。閃光を相殺するのではなく、より少ない刃でそれを自分とユギンから逸らす。余った刃で発射元へと送る。遠距離魔法は最大で100m、しかしどこまで刃を届かせても手応えはなかった。
「逃げられたかな?」
「多分。にしてもさっきの宝はどういう原理だ?」
「もしかしてフリスタも使ってる【幻影】とか?」
「あっ。」
その後もしばらく島を探索するも宝の獲得はできなかった。だがその代わりに貴重な情報を得て次の島へと向かう。
「ふぅ、思ったより楽だったな。」
レヴンとヨルカが来たのはフリスタが発見した巨大な島である。情報無しでは迷子になって終わってしまうところだが、フリスタの地図によって迷うことなく探索し宝を発見する。付近にはプレイヤーは多かったがレヴンの【崩壊ノ閃光】の連発によって終わる。代償であるHPはヨルカの【キャンセラー】によって無効化する。フリスタのようにタダで使えるわけではなくかなりのMPポーションを使用することになるが進みは順調で、宝の獲得は思いの外早かった。
「それじゃあ次に行こう。」
「ああ。」
レヴンたちが島を出ようとしたそのとき、目の前が急に白くなり何も見えなくなる。再び視界が元に戻るとさっきまでなかった島が目に映る。
「あっ、やっば…」
レヴンは思わず呟く。今はちょうどイベント開始から3時間、つまり島の位置変化の時間だったのだ。
「どうする?」
「とりあえず行ってみるか。見たところ結構小さそうだし。」
「分かった。」
2人は慎重に目の前の島へと足を運んだ。




