Nostalgic scenery!
謎のイベント開始から1時間と20分後、傾き始めた戦況はそのまま傾き天使側の勝利となる。
『イベント終了、今回は失敗に終わりました。』
シンプルなアナウンスだけ流れ、フィールドは元の光景へと戻る。プレイヤーも各自元いた場所へと送還される。メッセージ機能が復活したことを確認するとミナを除いた“天裏ノ魔刀"と"参神"とレーランは連絡を取り、もう一度この層の探索をすることにした。
「この景色も懐かしいなー。おっ、ヘルー!」
「あっ、ミナ。」
ミナはというと先程知り合ったプレイヤーのヘルのクエストを手伝うため一層に向かっていた。イベント中に共に行動してくれたお礼ということらしい。他のメンバーたちは特に止める理由も無かったためミナの提案を承諾した。
「それじゃあ行こうか!」
「うん。」
まずは彼の装備確保からである。ミナは例外だが、このゲーム内の初心者たちは大体装備を持っていない。装備を持てば中級者と呼ばれるまでは早く、そこからさらに地道に経験値を積んだものが上級者となる。この世界で初心者から上級者まで急成長しているのはミナくらいだった。
「ヘルはどんな装備がいいとかあるの?」
「うーん、このゲームの装備があんまり分からないからな。なんとも言えない。」
「えっと、確かフリスタの情報だと系統で分けるなら剣、杖、盾、弓、槌の5種類だって。」
「因みに剣だと何があるの?」
「短剣に双剣、剣に刀に槍、それから長刀、鎌、双鎌で計8種類。」
「だったら双鎌っていうのが面白そうかな。」
因みに双鎌は双杖ほどではないが人気は少なめの武器である。デメリット自体は無いがとにかく使うのが難しい。使いこなせているプレイヤーはいないと言ってもいいレベルだ。とは言えカッコよく見えるため、そういう面ではよく使われる武器でもある。
「双鎌かー、私はあんまり分からないから…ちょっと待っててね。」
ミナはレーランと連絡を取る。
〜レーランさんへ〜
急にすみません、さっきのイベントで知り合った人が双鎌を使いたいらしいんですけど、おすすめとかありますか?
返信はおよそ5分後くらいに返ってきた。
〜ミナちゃんへ〜
双鎌かー、流石に使ってる人が少ないからなー。買うよりもカルデみたいな鍛冶屋に頼んでみるのもありかも。
ミナは確かにその通りだと納得するとお礼の連絡だけ済ませ、今度はカルデにメッセージを送る。返信はYesとのことで、早速ロウに素材を集めに行かせたそうだ。ミナたちはタダで作ってもらうのは流石に悪いってことである程度お礼金を用意しに行く。弱いボスであっても天神龍系統の装備では連戦に向かないため、ミナはカルデに貰ったもう一つの装備は切り替える。通常スキルは【断頭】しかないが、ミナにとってはそれだけで十分だった。ある程度の金額が集まったところで武器完成のメッセージが届く。
「えっ、もう終わったの!?」
「うん、そうみたい。私もここまで早いとは思ってなかった。」
ミナたちは慌ててカルデの元へ向かった。




