In heaven...!
フリスタ、ユギン、レヴン、ヨルカの4人が選んだのは天使だった。その4人がいるのはいわば天界もしくは天国と言ったようなところだろう。しばらくの探索をしてわかったことはこの世界では初のNPCが存在することだ。どれもこれも分かりやすく天使の姿をしている。しかし話しかけても反応はないのでほぼいないのと変わらない。
「これからどうする?」
「私は他の層でみんなとやってる方がいいと思う。他のプレイヤーたちもそうしてるみたいだし。」
実際ギルド内でもメンバーが割れるというのはなかなかに酷い仕様と言える。特にクエストがあるわけでもないためこの層において不自由はないが、他の層の方が楽しめるというのは間違いではないのが現状だ。
「ミナちゃんに連絡してその返信次第ってことでどう?」
「そうだな。向こうの様子も聞いておきたいし。」
そう言ってミナへメッセージを打ち始めた瞬間だった。青い空に眩しいくらいの光が輝く。そしてその光から姿を現したのはミカエルにしか見えない天使だった。戦闘になることも警戒していたがそんなことにはならず、ミカエルのようなNPCはこのエリアの中央付近の白い城へと向かっていった。
「なんだったんだ?」
「さぁ?」
「うーん…」
「ヨルカ、どうかしたの?」
「いや、なんか違和感あるなーって。」
ヨルカはうっすらとではあるがこの層には何か今までとは違う何かがあるような気がしていた。
「違和感ってどんな風に?」
「それは説明できないんだけど、なんかどこか引っかかるっていうか…...」
いつまでも出ない答えにもやもやするが状況は一向に変わらない。
「まあ考えても仕方ないしとりあえずミナと…あれ?メッセージできない?」
「「「え?」」」
理由は分からないがメッセージという機能が使えなくなっていた。それどころか他の層への移動もできなくなっている。以前にヨルカが体験したような状況と似ているが、ログアウトボタンは残っていることからログアウトは可能らしい。この4人以外のプレイヤーも今の状況に混乱していた。中には他の層でプレイしている者もいたが、全員強制的に四層へと転移させられていた。
『時間になりました。これより壁を開きます。』
謎のアナウンスが流れる。同時に遠くの空にうっすらとヒビが入るのが見えた。そのヒビは次第に濃く大きくなっていき、やがて空が崩れる。灰色の雲が広がる空、大地は緑を失う。さっきまでの美しい景色の面影は何一つ残らない。
「ん?あれって…」
割れた空の向こう側へとNPCである天使たちが向かっている。その中には先ほどのミカエルのようなNPCもいる。
「おーそういう感じかー。」
近くから聞き覚えのある声が聞こえる。前回イベントで最後まで残ったプレイヤーの片方の声。そのようには赤髪の女性プレイヤー。そう、キサラとレーランだった。
「何かある度に遭遇するね。」
「まあそういうもんだろ。にしてもこれってやっぱり向こう側だよな。」
「多分ねー。」
ここまでの変容にその場のほとんどのプレイヤーには思い浮かぶものがあった。それは今自分たちがいる場所とは反対側の場所、つまりミナたちがいる奈落の底である。




