Deep lake!
PvPのあと、レヴンは街から少し遠い所にある湖へと来ていた。探索も疲れてきたところで少し休憩がてら湖を眺めていたのだ。
「あれ?もしかしてレヴン?」
「その声はレーランか?久しぶりだな。」
声と共に現れたプレイヤーは以前にミナにアドバイスをしたプレイヤーで、フリスタからはレーさんと呼ばれていたプレイヤーだった。
「久しぶりーってそうだ!ミナちゃんとギルド組んだんだよね?どう?」
「ああ、さっきミナとそのテイムモンスターに蹂躙されたところだよ。」
「あの子もうテイムしてるんだ…流石に色々と早いねー。」
「そういうお前もテイムしてるように見えるが?」
レヴンはレーランが狼を連れているのを見て嫌味っぽく呟く。
「あはは、それはそれこれはこれだよ。ってレヴンはまだなんだ。」
「悪いか?」
「いや別に。というかそれならむしろいい情報があるんだけど…」
「どうせタダじゃないんだろ?」
レヴンはレーランとはそこそこの付き合いらしく、彼女がくれるものには大抵それなりの対価が要求されることを知っていた。唯一ミナだけは例外であったが。
「うん。そっちのみんなに助言を頼まれてくれるなら教えるよ。」
「あれ、意外と今回は簡単なんだな。それくらいならいいよ。」
「おーけー。じゃあまずは助言からね。この層の街から南に進んだ所にある洞窟には近づかない方がいいよって。永遠に抜けられないらしいから。」
「ん?南の洞窟…?抜けられない…
それってもしかしてミナが迷い込んだ所か?」
「えっ?」
レヴンはミナの事情を話す。
「あーそっか…そういうことか…」
全てを理解したレーランは呆然とするがしばらくして落ち着き話を再開する。
「まぁそれならタダでいいや、欲しいもの今は無いし。じゃあ情報だけどこの湖の底に凄いやつがいるらしいよ。私のギルメンが手も足も出ずにやられてきたらしいから。」
「この中にか。まぁ水中って時点で俺には無理な気がするけど行ってみるか…」
「まっそれじゃあ頑張ってね。あとミナとフリスタにもよろしくね。」
「ああ、ありがとう。」
レーランが去りレヴンは体を起こすと湖へと足を運ぶ。水辺では何か起きないかと待ち続けるも変化はない。
「行くしかないか。」
覚悟を決めたレヴンは大きく息を吸い湖へと身を投げる。しかしこの湖は誰でも水中で息ができるようになっており、レヴンはそれに気づき少し戸惑いを見せる。
「これはついてる…のか?もう少し潜ってみるか。」
レヴンはさらに底へと潜る。そして地面が見えてきたあたりで横から光が飛んでくる。間一髪でそれを躱すも光の余波によって僅かに体の自由を奪われる。その隙をつくように先ほどの光の発生元と思われる巨体が近づいてくるのを目にする。
「おいおい、デカすぎるだろ……」
近づいてくる巨体の接触を受けるもミナとの周回により強化された彼にダメージが通ることはなかった。それでもその巨体にレヴンは目を背けたくなる。プレイヤーサイズを1とするなら100は超えている。あの天神龍ですら60〜70といったところだろう。
「てかこれなんだ?魚なのか…?」
魚にも見えるそれが何なのか戸惑うが相手の攻撃モーションを見て気を引き締め直す。
「こういうのは久しぶりだな。とりあえずやってみるか。」
レヴンは久しぶりのソロプレイに不安を感じつつも楽しもうともしていた。




