海外④
「暁斗!」
チームメイトからのパスで、ディフェンダーの裏を取って、ボールを持った俺は、一対一となったキーパーの左手の先を抜けるシュートを放ってネットを揺らし、この日二点目のゴールを奪った。
よしっ。
「ナイスシュート!」
仲間たちが集まって、俺の頭を激しくなでたり、俺に思いきり抱きついてきたりと、手荒に祝福してくれた。
少しして試合終了を告げる長い音の笛が鳴り、俺が決めたのが敵味方の両チームですべての得点となる二―〇で勝利を収めた。それによりソフィアは、一試合を残して、十二季ぶりのリーグ戦優勝を成し遂げた。
「やったな!」
「イエーイ!」
「ウィー・アー・ザ・チャンピオンー!」
改めて、みんなで派手に喜び合った。
高校の選手権は決勝で敗れ、秩父では昇格は果たしたもののリーグ戦は四位だった。やっぱり優勝は最高だ。嬉しさは格別である。
また、俺は次の最終戦でも一ゴールをゲットし、計十九点で得点ランキングの二位という好成績を残して、着実にステップアップできたのだった。
すると、一年間の戦いが終わった直後に、クラブのスタッフから「話がある」と声をかけられた。
何だろう? どんなことを言われるのか全然思い浮かばないけれども、悪い話ではおそらくないだろうし、「今シーズン、よくやった」と褒めてくれて、ボーナスでももらえるのか? などと軽い気持ちで、呼ばれた部屋にノックして足を踏み入れた。
「何でしょうか? 話とは」
待っていた、クラブの幹部であるマレーバさんに尋ねた。
「きみに、日本サッカー協会から連絡があった」
シリアスな表情で、そう告げられた。
「……はあ」
日本サッカー協会が俺に? どういう用件だ?
マレーバさんは俺を驚かそうとしたようで、真顔から一転して満面の笑みを浮かべ、続きの言葉を述べた。
「おめでとう、暁斗。日本代表に選ばれたぞ」
「ええ! 本当ですか?」
「ああ、もちろんだ。こんな嘘は言わないよ」
まさか、俺がサムライブルーのメンバー? それも、年代別の代表でも自分には違う世界の存在というくらい縁がなかったのに、フル代表である。
その召集の連絡が届いたのだった。




