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とある男女の恋模様  作者: はから
第三章 とある男女の恋納め
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とある女と新入社員③


 紅葉が倒れた。


 私のせいだ。


 私が久坂に絡まれるから…。


 

 倒れた紅葉の息が荒くなって、体中に発疹が出ていた。

 駆け付けた緊急隊員の方が処置をし、近くの緊急病院に搬送された。

 私は処置が終わるまで廊下のベンチに座っている。

 

 どうしよう…。

 私のせいで紅葉が…。

 ダメ、泣いちゃダメ…。


 

 「お兄ちゃん!」


 「!?」


 看護服を着た女の子がこっちに走ってくる。

 お兄ちゃん…?


 「あ、あのお兄ちゃんは!?竹科 紅葉は!?」


 「紅葉は…」


 「終わりましたよ。軽いショック症状でしたが、投薬しましたので。数時間後には目覚めると思います」


 「ああ…」


 「よかったぁ…」


 処置してくださった先生が、処置が終わったと教えてくれた。

 よかった…。

 紅葉…。


 「あの…病室でお話しませんか?」


 「…はい」












 「愛海さんですか?」


 紅葉が病室に移送され、私たちも病室に移動した。

 私の名前を知ってるし、紅葉のことをお兄ちゃんって呼んでるってことは…。

 

 「はい…。この度は紅葉さんにご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません」


 「気にしないでください!お兄ちゃん倒れるの二度目なので」


 女の子は竹科 千尋ちゃん。

 紅葉の妹で、この病院で実習中だとのこと。

 実習を終え、帰ろうとしたら同性の男性が運ばれてきたと連絡があったらしい。

 それを聞いた千尋ちゃんはすぐに駆け付けてくれたみたい。


 「大丈夫です。呼吸困難になるだけですので、あとは寝てれば問題なしです」


 「ごめんなさいね…」


 「愛海さんが謝ることじゃないですよ!」


 千尋ちゃんが言うには、昔も頭からアルコールを被って呼吸困難になり、病院に運ばれたことがあるらしい。

 以前も投薬して、すぐに目を覚ましたとのこと。

 

 「ホントお兄ちゃんがとんだご迷惑を…」


 「違うのよ。迷惑かけたのは私だから…」


 これじゃ彼女失格ね…。

 

 「あ、私お母さんに電話してきます。お兄ちゃんのこと看ててくださいね」


 そういうと千尋ちゃんは病室から出て行った。


 そうだ…。

 私も会社に連絡しなきゃ…。















 「はい、申し訳ございませんが…。はい、明日はお休みいただきたいと思います」


 スマホを見ると、加藤さんから連絡が入っていた。

 

 あの後、久坂は駆け付けた加藤さんたちに社内に連行され、事情聴取を受けていたらしい。

 もっとも、酔っており話にならなかったとのこと。

 藤林さんたちが説明し、加藤さんたちは状況を理解したみたい。


 明日は紅葉の看護をしたいから休んでいいと許可も貰った。

 加藤さんに残してきたバイクをお願いし、後日取りにいくと伝えて終話した。



 「ごめんね…」


 「………」


 顔色の良くなった紅葉の頭を撫でる。

 ごめんね…。

 ごめんね紅葉…。


 「あら、生きてるのね」


 「お義母様!?この度は…」


 「大丈夫よ。愛海ちゃんが心配しなくてもいいの」


 「…はい」


 病室に紅葉のお義母さんがやってきた。

 お義母さんは私を抱きしめて頭を撫でてくれた。

 

 「それで紅葉は何をしたの?」


 「それは…」


 お義母さんに起こった事を説明した。

 話を聞いたお義母さんは…。


 「成長してるじゃない」


 「はい…?」


 「学生の時に倒れた時は相手をボコボコにしちゃったんです!それでお兄ちゃんと相手のどっちが緊急患者なんだってことがありまして」


 「………」


 「大人になったわねー」


 紅葉何してるの…?

 

 「大丈夫そうだし、千尋帰るわよー」


 「はーい。お腹空いたー!」


 「愛海ちゃん。起きたらここに連絡貰える?」


 「わかりました」


 お義母さんから連絡先を受け取り、お義母さんと千尋ちゃんは帰っていった。

 過去を知ってる二人からすると大丈夫なのかな?

 私は紅葉が起きるまで帰らないからね。











 「うぇ…酒臭っ…」


 「紅葉!」


 一時間程で紅葉の目が覚めた!

 良かった…。


 「ごめんね…」


 「愛海が謝ることじゃないよ」


 思わず病人である紅葉に抱き着いてしまった…。

 頭撫でくれるのは嬉しいけど…。

 たしかにお酒臭いわね…。


 「ごめん…」


 「謝るなっての」


 「うっ…」


 紅葉が私の頬っぺたを掴んで横に伸ばす。

 にゃにしゅるのよー。


 「愛海を守るのも彼氏である俺の役目でしょ」

 

 「しょうだけど…」


 「だからこれで謝るのは終わり」


 「うん…。あっ!起きたら先生が呼んでって」


 「ナースコールナースコール」


 良かった…。

 本当に良かった…。


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