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Killing syndrome  作者: 兎鬼
第4章 激突
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20/26

鷹の能力


9月14日(土)10時45分


医務室は手前の校舎の1階で1番ホールに近い位置にある。先生は、ホールに向かう為、奥の校舎に向かう渡り廊下を歩いている最中に狙撃された。


屋上に向かう階段は、奥の校舎にしかない。

ということは、1階から3階までのどこかで渡り廊下を渡らなければいけない訳だが、先生が狙撃された以上、こちらの端の渡り廊下は狙撃されるリスクがあるので使えない。


この状況でベストな選択は、医務室のすぐ左隣にある階段で上まで登ってしまって、見下ろされない位置から、狙撃手の位置を捕捉することだろう。


しかし、現在私はそれをわかっていながらも、1階の医務室前の廊下を走っていた。


ピュン


「痛っ!また肩に当ててきやがった!どうなってんだ、一体!」


相手もやはり、それを分かっているのか階段を上られたくないようだ。医務室の横の階段下には走って抜けられないよう、まきびしが撒かれ、私は廊下に出て間もなくから、ゴムのような弾で、怪我を負った左肩を狙撃され続けていた。


一体何発当たったんだ。痛み止めが少し効いてきたかって所だったのに。

弾を当て続けられているせいで、肩は切られ直後のように痛み、足がぶれ始めている。


弾が飛んできた角度から軌道を読もうにも、撃ってくる場所が複数あって、どこから撃たれるのかがわからない。


私は、せめて弾に当たりにくいように、少し蛇行しながら走り続けている。けれど何故かどんなふうに走っていても弾が必ず当たるのだ。


ピュン


「あ、痛ったぁ!!」


いくらなんでも、これはおかしい。どこからか、見られているのは間違いない。だけど、一体どんな方法で当ててきてるんだ。


正直、このままゴム弾の狙撃なんて無視して、反対の階段まで走っていきたい。けれど、無視できる威力ではないのだ。

体に意識を集中して、かろうじて体重移動をしているおかげで何とかなっているが、何もしないで弾に当たったら、骨くらい逝ってしまいそうな程威力がありそうだ。たぶん、弾以外は本物を使っているのだろう。死にはしないというだけで、確実に追い詰められている実感がある。


それに他の罠がある可能性だって否定できない。とにかく、あの狙撃をなんとかできない限りは、このまま進んでも追い込まれるだけだろう。


ピュン


「痛っ!くっそまたか」


何度目か分からない狙撃を肩に受ける。やはり、逃げ回っているだけではダメだ。

私は走るのを諦め、職員室の前まできたところで足を止めてゴムの弾が飛んでくる方向に向き直る。まずは仕掛けを見極めるところから始めよう。


ピュン ピュン ピュン


見えた。狙撃箇所、とりあえず3箇所発見。

私は弾の軌道から体をそらし、ゴムの弾を回避。よし、避けられた。

そして、間を開けずに狙撃箇所に向かって走り出す。


スパン スパン スパン スパン スパン


背後でゴム弾が壁に当たって跳ね返る音がする。行き場を失って跳ね回っているのだろう。あのスピードの弾なら機動が見えていれば次も避けられそうだ。このまま狙撃ポイントの仕掛けを潰して次の罠を警戒しながら先へ進もう。


ペースを上げ、手前の職員室の入り口の上に設置された装置に狙いを定める。あと、装置までは15メートルほど。あと2回跳べば装置を狙える。

でも、なんであのレベルのスピードの弾があれだけ命中したんだろう。まぁ、いい。潰してしまえば関係はない。


射撃装置の場所を捉え、その場で跳躍。頭の中で次の跳躍をイメージする。


ドス ドス


「うわっ!」


しかし、跳躍したはずの私は、次の瞬間には地面に転がっていた。踏み切ろうとした勢いをそのままに、地面を転がり、廊下の壁に激突した。


スパン スパン ドス


そして次の瞬間、もう1発の弾が倒れ込んだ私の肩に命中。


「うぁぁああ」


肩と、両ふくらはぎに鋭い痛みが走る。次の狙撃に備え、すぐにでも立ち上がりたいが、体に走った痛みが私の動きを阻害している。


私は痛みにもがき、懸命に立ち上がろうとしながら、何が起きたのかを考える。けれど、まったく理解が追いつかない。


私は弾を確実に避けたはずだ。そして、それを起点にして攻めに転じようとした。それに、新しい弾も発射されていないはずだ。では、私に当たったあの弾は一体なんだ?


「まさか」


私は急いで立ち上がると、後ろを確認した。すると、案の定、さっきまで壁を跳ね返っていた弾が消えている。

考えたくもないが、私の動きを止めたあの弾は、跳弾だったのか。


当たればよし、直接当たらなくても角度を変えて跳弾が私に当たる。その程度の簡単な攻撃じゃなかった。偶然かもしれないが、弾は確かに踏み切ろうとした私のふくらはぎにヒットし、その後転んだ私を追い込むように肩にヒットした。


まさか私の行動を読んだ上で、角度を計算して玉を出しているのか?いや、それ以外にあんな弾の軌道は考えられない。


誰かがカメラ越しに、遠隔操作で私を狙っているのだろうが、本当にこんなことを狙ってやっているのだとしたら、そんな奴に射的の勝負で敵うはずがない。何かの仕掛けやトリックが用意されている方が、まだずっとましだった。


ピュン ピュン ピュン


放たれた弾の軌道を見て体を弾道からそらし、瞬時に後ろを向く。


スパン スパン スパン スパン スパン


跳弾して後ろから飛んで来る弾を、もう一度回避する。


パシン パシン パシン


「あたっ」


しかし、今度は、2度かわした弾が、後ろで跳弾し後頭部と、両太腿にヒット。ふたたび、その場に上半身から倒れ込み、床を転がる。


弾は見ていれば避けられる。たぶん、次は3度、4度と避け続けることだって可能だろう。けれど、目的もなく弾が勢いを失うまで避け続けることは、どう考えても不毛だ。それに、弾の数を増やされて私が苦しい状況に追い込まれることと目に見えている。


私は、床に手をつき、今度は姿勢を低く保ったままで立ち上がる。当たれない、躱せないなら、あえて的を大きくすることはない。屈んでしまえば、狙われる場所も限られてくるはずだ。頭を低く保ち、弾が発射されるのを待つ。


ピュン ピュン ピュン


今度は、当たらない場所まで逃げられるか試してみよう。


私は頭を下げたままの姿勢で思い切り後ろに跳び前から飛んでくる3つの弾丸の軌道上から逸れる。これで一回。


スパン スパン スパン


そして、弾は後ろの壁で跳ね返り、私を狙ってくる。

今度は後ろに振り向き、思い切り、前に踏み切って跳弾を躱す。よし、2回


2回の跳躍で、職員室の前の扉から、後ろの扉までは移動することに成功した。もう少し行けば、右に昇降口が現れる。そこまで逃げてしまえば、通路からは死角になるはず。


ピュン ピュン ピュン


スパン スパン スパン スパン スパン スパン スパン スパン……


「マジかよ!」


しかし、振り返った瞬間、新たに3発弾丸が発射される。弾を避けながら進もうという、私の狙いは脆くも打ち砕かれてしまった。


さらに、今度発射された弾は直接私を狙う軌道をとっていない。弾はあえて、壁に向けて発射され、跳ね返った弾丸が、先に発射された弾丸それぞれに命中し勢いが復活する。そして壁に跳ね返って縦横無尽に動き回る弾丸は、一見不規則なようだが、確実に私を狙っている。


どこにどの弾がぶつかって、どんな軌道をとっているのか目で追いきれない。弾は6発しかないはずなのだが、私の目からは、スーパーボールを箱いっぱいに入れて、それをひっくり返したような状態に見える。


ピュン ピュン ピュン


ピュン ピュン ピュン


スパン スパン スパン スパン スパン スパン スパン スパン


スパン スパン スパン スパン スパン スパン スパン スパン


「うおっ」


「あっぶねっ、くそ、痛った」


弾が増えたせいで、どこから飛んでくるのかをまったく捉えられない。

同時に2発が私に飛来し、かろうじて躱すが後ろで跳ね返り下の軌道に戻っていく。そして次に6発が飛来、何とか躱そうとするが2発が肩と左のふくらはぎに命中。次に4発が……


補充されては当たり、補充されては当たりを繰り返す。私は完全に集中力を奪われ、もはや軌道も、何発くるのかも全く読めない。


「いっ。痛っつ。痛っ」


今生きている弾は残り3発。でもダメだ、それすら避けられそうにない。弾に当たってダメージを受けすぎて、足元がふらつく。薬を飲んでいても、これだけ当たるとさすがに痛い。


どうすればいい。目を見開け。頭を回せ。

相手は私よりずっと頭が切れる。全ての跳弾を計算して私を狙ってくる。そして避けることはもうできそうにない。


動くこどができず、目で終えている弾が次々に私に飛来する。まずは肩に。


「痛った」


そして、続け様に右の足首に。


「痛ったいな」


そして、残る1発が、とどめを刺すように、もう一度、傷のある左肩に飛来する。


「痛いって言ってんだよ!」


けれど、私は思わず手を出してしまった。肩に当たっても相当な衝撃だ。あたりどころが悪ければ、指なんて折れてしまうだろう。けれど、それをわかっていても、痛みのせいでもう我慢が限界に達していた。


「あれ?」


衝撃を覚悟し、思わず目を閉じた。けれど、予想していた痛みは、最後の一発に限ってはやってこなかった。

私は恐る恐る目を開け、グーで突き出した拳を開いて中を確かめる。すると、なんと、最後に飛んできた弾丸は、私の手の中に収まっていた。


何が起きたんだ?

当たった時には衝撃をなるべく逃すように意識しながら、弾を回避していた。それでも、当たったら相当痛かったはずだ。それなのに、弾を取ったら痛くなかった。何故だ?


手の中のゴム弾を捨てて、次の狙撃に備える。

悪い好奇心が生まれた。何が起きたのか、おおよそ予想がついた。だからこそ、試してみたい。


ピュン ピュン ピュン


私が弾を取った4秒後、また新たな弾が3発発射される。しかし、やはり、さっきまでのように、私を直接狙う軌道ではなく、壁を狙った攻撃だった。


弾は再び、廊下を跳ね回り、軌道を予測させてくれない。けれど、今の私にはもはやそんなことは関係なかった。


スパン スパン スパン スパン スパン スパン スパン スパン……


3発の弾が、私に同時に飛来する。1発は左肩に、1発は右の太ももに、もう1発は後頭部にクリーンヒット。


私に当たった弾丸は、今まで同様に勢いを失い、地面に落ちた。

けれど、一発も避けず全て命中した私の体は、一歩たりとも動かず、それどころか傷のある左肩さえ揺らいですらいなかった。


ピュン、ピュン、ピュン、ピュン、ピュン、ピュン……


ドス ドス ドス ドス ドス ドス……


発射装置から放たれた無数の弾丸は、私に吸い込まれるように、私の全身を隈なく殴打した。その弾数は数えるのも嫌になるほど。私が撃たれたのは、時間にして1分ほど。1秒間に3発当たったと考えても180発。


実弾なら間違いなく、蜂の巣になるだろう。そうでなくても、本物の銃火器を改造したものから撃たれているのだろうから、全身打撲は免れないはずだ。


廊下に出てから、これまでに当たった弾数は、おおよそ200発ほど。

そのうち、そのうちの多くが傷を負った左の方に集中した。しかし、最後の集中砲火だけは、半数以上の弾が無防備な顔に集中した。


狙われた左肩はもはや感覚がない。間違いなく傷が開き出血しているだろう。そして、両足もアドレナリンのせいであまり痛みは感じないが、多分打撲はしているだろう。

にも関わらず、最後に狙われた顔には、目立った傷どころかアザすら残っていなかった。


面白い。避けないで弾を受け、衝撃を流したらダメージを受けないなんて。満身創痍になって、この土壇場で、能力が次のステージに進んだというところだろうか。だけど、それにしても……


「弾、多すぎだろ」


遠くから、弾を失ってポスポスいっている音が聞こえる。ゴム弾とはいえ、狙撃なのだからてっきりライフルか何かだろうと思っていた。それなのに、200発ってあり得ないだろ。


どっと疲労感が襲ってくる。しかし、ここで倒れるわけにはいかない。

歩き出すため、足を前に出し一歩を踏み出す。しかし、踏み出した足は、足元に無数に転がるゴム弾を踏み、滑って空を切った。


「うわっ」


私はそのまま中に浮かび、背中から地面に叩きつけられた。必死に転がるように、仰向けから、うつ伏せに体勢をなんとか戻し、這うようにして階段を目指す。


止まったら殺されるということくらい、私にもわかる。手足を必死に動かし、ゴム弾の中に立ち上がり、今度は足元に注意しながら、2階へ向かう階段へ歩き出す。


ボロボロだが、大きな一歩だ。そう自分に言い聞かせて。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


9月14日(土)10時55分


俺は、保健室の隣、養護教室にいた。

ソファの前の壁にかけられた大きなモニターに映し出される一橋鏡花の動きを観察し

、同時にPS4のコントローラーを模したリモコンを使って、あいつを狙撃していた。

モニターを前にしているせいで、本当にゲームでもしているような感覚だ。


時間もない上、一度仕事上のミスを犯している以上、遊んでいていいはずはない。けれど、あいつをいたぶって遊ぶのは何故か楽しくて仕方がなかった。


俺が想定している、1階部分の役割は、獲物の体力と気力を削ぐこと。そして、俺のトラップから逃れるための模範解答は、もちろん狙撃されながらいち早く通路を脱出することだ。当然のことだが、当たる数が少なければ少ないほど、体力も気力も持って行かれないで済む。けれど、ほとんどの人間はどこから撃たれるかわからない恐怖で足を止め、気がついた頃には全身に打撲を負ってしまう。


今回も想定通り一橋は足を止めて、弾を喰らった。シャドウを気絶させて逃げ延びたと聞いていたから、どんな凄いやつかと期待していたから、足を止めた時は心底がっかりした。

けれど、あのガキはやはり普通じゃなかった。あいつは何度か避ける方法を試し、避けられないとすぐに判断した。確かに判断したはずなのだ。だが判っているにもかかわらず、あのガキは何故か逃げなかった。


この一見愚かな対応をされたのは、今までに2回だけ。どうして一見かといえば、前回俺が愚かだと判断して出し抜かれたからだ。そしてはじめて、この対応をしトラップを潜り抜けた、男。その男の名は……シャドウだ。


いつのまにか本当に昔のシャドウと戦っているかのような不思議な感覚を覚えていた。案外、こいつとシャドウは似ているのかもしれない。素直にそう思った。

あ、だからいたぶるのが楽しいのか。


時間が許すなら、本心でもっと遊んでやりたい。けれど、これ以上仕事に私情を持ち込むのはやめよう。

俺にだってメンツがある。もう失敗は許されない。それに、このガキが本当にシャドウと同じような何かを持っているなら、死にはしないだろう。


想定弾数である300発を撃ち終えたところで、リモコンをソファの前の机に置き頭を仕事モードに切り替える。


次の手はもう打ってある。しかし今必要なのはイレギュラーの予想だ。シャドウの時のように、出し抜かれるわけにはいかないからな。まずは分析をしよう。


弾にあれだけ当たったところから見ても、身体能力は、俺たちのレベルまでは到達していない。あえて言うなら、身体能力の高い男子高校生くらいだろうか。

我々のランクで言えば、Bから、ギリギリAに届くかどうかというところだ。しかし、女ということを除けば一般人にもそれくらいはいる。


だが、特質して注目すべきポイントはもっと別の部分にある。


まず当たった弾数に対するダメージが少なすぎる。俺が予定していたよりも耐える奴は、ごくたまにだが確かに居る。けれど、こいつはその比じゃない。

当たった弾数は203発。当たった箇所は全身。この弾はゴム製だが、1度受ければ打撲、同じ箇所に3度も受ければ骨折、もしくはどんなに頑丈な奴でもヒビくらいは入っておかしくない。その理屈で言えば、特に頑強なプロレスラーのような体格でもないあのガキは、全身の骨が折れていないといけないことになる。それなのに、確実に当てた筈の顔にはアザもなく、ふらついているとはいえ今も歩いて階段に向かっている。


そこかは判断して、あのガキはまず間違いなく、俺たちと同じセカンドだ。そしておそらく、能力は衝撃の移動。カメラからでは判断が難しいが、あいつが立っていた場所を拡大すると、くっきりと足の形に跡が残っている。

歩いて行った先に足跡がないことを考えても、あれは汚れではない。おそらくだが、地面が足の形に窪んでいるんだ。


けれど、現状得られている情報と能力を加味しても所詮Aランク。

もちろん高い能力だ。けれど、そんなことはどうでもいい。

確かに、素人でいきなりA以上の評価がつくのは異常だ。だが、プロや、その子供ならいきなりAがつくことも珍しくない。つまり、俺にとってはなんの障害にもならない。


だが、どうしても気になることがある。

弾道を予測して軽々弾丸をかわして見せたり、姿勢を低くして的を小さくしたり、小さいことなら気になることは山ほどある。けれど、その中でも特に以上なのが、精神力だ。


プロだろうが、なんだろうが、203発も弾を喰らって、歩けなくなるほどのダメージを受けて、心を折られないやつなんて殆どいない。

それどころか、最後にカメラに移ったあいつの顔は、まだ俺やシャドウに勝てると思っている顔だった。

あまりにも精神力が強すぎる。これが強い精神力を持っているだけなら何も障害にはならない。けれど、もしも、その強い精神力を支える根拠が、あのガキの中にあるとするなら、それは大きな脅威になるかもしれない。


カメラを確認すると、一橋はちょうど廊下の端にたどり着き、これから階段へ向かうところだった。


次の手は2階に十分すぎるほどに用意している。なにもなければ、予定通りこのまま進ませて、それから殺すと言う手で問題ない。けれど、このまま進ませてはいけないという、漠然とした不安が俺の中にある。


いくつも一橋が取る行動をシミュレーションする。現状の情報では、やはり不安要素はない。しかし、どうやって考えてみても、一橋が生き残る可能性がゼロにならない。

シャドウには申し訳ないが俺たち2人とも、もう失敗できる状況じゃないんだ。依頼の遂行に支障をきたす可能性がある以上、ここで殺しておいた方がいい。


俺は机に置いたリモコンを手に取り、あいつから1番近い装置を起動する。

残弾を確認。各装置とも残弾50発。こちらは問題ない。L2ボタンで別の装置を呼び起こし、起動の準備をする。満身創痍の状況で避けられる可能性など無いだろう。もし、逃れても動けなくなったところを直接とどめを刺せばいいだけだ。


一橋が階段の方へ向き直った瞬間に仕留める。

リモコンのボタンに手を添え、最後の時を待つ。


「悪いな一橋。遊びは終わりだ」


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