初めての魔法
「よしっ!」
リリィは拳を握り、気合を入れる。
とりあえず、ひと通り魔法を使ってみよ。
「次は……」
ステータスを出して別の属性を見る。
次は風魔法を試してみよ。
目を閉じてそよ風のイメージする。
優しく体を撫でるように。
すると、リリィの髪や服が揺れる。
「あ、成功だ!」
思ったように出来てリリィは嬉しそうにはしゃぐ。
水よりは簡単だった。
今度は少し風を強くしてみようかな。
リリィが風を強くした瞬間、地面の感覚がなくなった。
「えっ」
リリィの身体は地面から少し浮いていたのだ。
びっくりして、すぐに風を止める。
とんっとよろけながら地面に足を付ける。
「……いま、浮いた?」
不思議そうに足元を見、もう一度試してみる。
今度は先程よりも少しだけ慎重に。
ふわぁ…
「おお…」
さっきよりも安定して浮いている。
身体が軽く、風に乗って飛んで行ってしまいそうだ。
「これ、いいかも」
リリィは小さく笑う。
「ピピッ」
青い鳥がクルクルとリリィの周りを飛びながら楽しそうに鳴いた。
「次は…火?」
風魔法で鳥とひと通り戯れたリリィは次の魔法に火を選ぶ。
リリィは少しだけ不安になりながら、人差し指を立てて火を出すイメージをする。
小さく…ちょっとだけ。
ライターの火をイメージして。
そうイメージしたはずのリリィだったが…
「…………………」
何故か目の前に巨大な火柱が立っていた。
「なんでやねん」
驚き過ぎて、関西弁でツッコミを入れるリリィ。
胸を押さえながら、後ずさりし。
「火こわい」
眉をひそめながら、頑張って火を消火した。
「じゃあ……土」
どうにかこうにか消火を終えたリリィはヘロヘロになりながらも次は土魔法を試そうと地面を見る。
持ち上げるイメージ。
ゆっくり、少しだけ。
すると——
もこっと小さく地面が盛り上がった。
「……おお」
これはイメージ通り。
リリィはしゃがんで盛り上がった地面を指でつついてみる。
「便利かも」
使い方次第でなんでも出来そうとリリィは満足そうに微笑む。
「あとは…光と闇は……」
なに????
「んんっーーー?」
リリィ少しだけ考え、思い出す。
前世で友達から借りたファンタジー漫画には光属性は浄化だったり傷を治したりしていた事に。
今は怪我もしていないし、浄化も分かんない。
後……闇、お前が一番なんなんだ。
リリィは悩みはしたがすぐに
「また今度でいいや」
そう呟いて諦めた。
「あれ…」
魔法の練習で無意識に身体が固まっていたので力を抜いた時、ふらっと体が揺れた。
「……つかれた」
ぽすん、とその場に座り込む。
「……でも、たのしかった」
そう言って、小さく笑った。
青い鳥がそっとリリィの肩に降りてくる。
「ピピ……」
大丈夫かと心配するように鳴く。
「だいじょうぶ」
そう微笑みながら、鳥を撫でる。
「火と水は注意しながらやらないとね、風と土は扱いやすかったよ」
そう、鳥に語りかけながら、
神様、魔法の本とか欲しかったよ。
リリィは心の中で神様に文句を言っていた。




