死にやがりの俺は、夢を見た
──聞こえるかしら?
こんな所で、くたばっちまった。
”やり直す”って決めたのに。
──今、頭の脳内に直接語りかけてるの。
頭の中で、誰かの声が響いている。
女性の声、だろうか?幼めに聞こえる。
──短時間しか話せないから、単刀直入に言うわね。
彼女が、倒れている俺の隣でしゃがんだ気がする。
声帯から、果たして発せられている音なのか。
──あなたが持つ”想い語り”の力は、莫大な力を持つ。
──望めば、命を代償に、壊せてないものなんてないわ。
──世界だって、例外じゃないの。
キセキにも、大いなる力には代償が伴うと言われた。
力、それを持つものの責任。
──でも同時に、世界を救える力。
──あなたには、正しく使って欲しいの。
彼女から発せられる音はどこか、悲しげで。
深く、深く息を吸っている。
──力を蓄え、やりたいことを果たしなさい。
──いずれ、誰かに出会うことにもなる。
仲間、か。今の仲間はキセキしかいない。
他の仲間も、いつか出来るってことか。
ルイナは、少し安心した。
──それが気づいた頃に、世界を救うことにきっとなる
はず。
魔王は討伐されたんじゃないのか?と疑問を抱くと。
──魔王軍残党、防語の徒には、気をつけて。
魔王軍残党。親玉を失っても尚世界征服を求め続けているのか。
旅をすれば、いずれ会うことになるだろう。
その時、俺は抗えるのか?またくたばってしまうのか?
違う、俺は”やり直す”んだ。
そのために俺は、旅をする。
やりたいこと全部、やり切ってやるんだ。
──そろそろ時間みたい、また会えたらいいわね。
──私が与えた体を、存分に使いなさい。
本来私が使うはずだったんだけれど…
小声で本音が出てしまっている。
──信じているわ。
ふわりと、彼女の気配が無くなった。
再び頭の中に、静寂が訪れた。
ルイナは、決意した。
やりたいこと、全部。すなわち、100個。
この異世界で、叶えてやると。
再び俺は、深い眠りに落ちていく。
水底に沈んでいる気分だ。どこか俺は起きているのに、魂が放浪している。
彼女の名前を聞くのを忘れてしまった。
まぁ、今は──いいか。
毎度のことクリックありがとうございます!
今回は短めになってしまいすみません!
さて、彼女とは何者なのか…
次回もお楽しみに!




