16.5話 手紙を書きたい
「…あ」
ドラゴンメイド、ルナは遠い空を飛んでいるもう一匹のドラゴンの姿を見た。
新人メイドとして他のメイドに教育されてるルナは、朝の仕事は先輩の後ろについて花に水をやること。二人のメイド先輩から花についての知識を聞きながら、ルナはのんびり花に水をやっている。そろそろ慣れたと思った途端に、空から他のドラゴンを見た。
「ほら新人ー、なに見てる?」
「ドラゴンだ、空にいる」
「あなたもドラゴンじゃない?いいから仕事して」
「…」
ルナはドラゴンだから知ってる、ドラゴンが人間の領地に入る目的は人間狩りしかない。
風の都市ではないけど、ある人間の領地はすぐにドラゴンに襲われる。
となると…
「悪い、あたしはメイドを休みます。3日くらい」
「なにする?」
「あたしの同族、ドラゴンが人間を襲う。退治しにいく」
「ダメよ。あなたは今風の都市の護衛兵よ。一人で行動してはダメなの」
「…じゃあ、あるエルフに手紙を書きたい」
「あなた、文字読めないでしょう?」
「いや、それは」
「仕事終わったら、あなたが伝えたいことを言って、私が書いてあげるわ。感謝しなさい」
「…」
こうして、ちょっとめんどくさいけど、ルナは光の城砦に手紙を送った。
ドラゴンとして転生したルナはドラゴン同士と話し合ったことがあるので、ルナは誰よりもドラゴンの性格がわかってる。手紙で、ルナはあさひに「ドラゴンがもうすぐ現れる。ドラゴンを信じるな、ドラゴンが現れたら倒せ」と伝えた。
この世界では、正義の王国側の運命は敗北するしかない。悪と戦う女性たちは、いつか倒されて、酷い目に遭う。帝国とかドラゴンとか魔物とか、王国を滅ぼせる存在がたくさんある。
よりによって、王国側の女性は全員自滅する判断しか出さない。ルナは「この国を守れるやつは自分とあさひしかいない」と強烈に感じた。
(あたしたちはこれから、どんなになるのかな…)
ドラゴンとして戦うことは、確かに楽しかった。しかしこのままではいけない。
早く、帝国を倒す対策を考えなくちゃ。
メイドとして働いていて、ルナは今日も考えている。




