表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々の残響  作者: 蒼凪 悠
瑞穂皇国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/20

第六話 隠されし力【怒】

「あのぉ〜! 本当に敵意(てきい)はないし、むしろ交流したくてやってきたんでぇ〜!そろそろ結界の中に入らせてくださ〜いっ!!」

ポピンの声が再び響いた。皇国は受け入れを決めたが【エルディア号】が大きすぎて着陸する場所がないのだ。 

「結界解いてくれたら、こちらから数名むかいま〜す!」


皇王(こうおう)は結界を()いた。

しばらくして、エルディア号から小さな神翔船(しんしょうせん)が出てきて、皇宮(こうきゅう)の広場に着陸した。

船には船長、外交大臣、書記官と数名の護衛が乗っていた。

瑞穂皇国側(みずほこうこくがわ)神響術継承三家しんきょうじゅつけいしょうさんけ長達(おさたち)護衛衆(ごえいしゅう)が出迎え、皇宮内に入って行った。



◇◇◇◇◇◇



皇宮内の一室では突然倒れた悠真(ゆうま)が意識を取り戻そうとしていた。


「うおぉ・・.頭痛ってえぇ・・・なんだこれぇ」

「悠真様っ!」


今にも泣き出しそうな春が悠真を見つめていた。

その後ろには蒼真も功も居る。


「おぉ、春。みんなも。めちゃくちゃ頭が痛いんだよ。薬もってたりしないか?」

「頭が痛いだけですか?ほかには大丈夫なんですかっ!?」

「だ、大丈夫と思うけど・・・てかなんで泣いてんのお前?」

「なんでって・・・心配したんですよ・・・」


春は安心して更に涙が溢れている。


「おぉ・・・そうか。しかし泣くとお前本当にガキンチョだな」

「・・・・」

「はははっ!頭は痛いけどその顔みたら笑えてきた!あはははっ」

「・・・・」

「ん?どうした?」


(こう)後退(あとずさ)り、すでに退避(たいひ)している蒼真(そうま)(あき)れている。

春は椅子に座り(うつむ)いている。

周りの残響(ざんきょう)までもが小刻みに震えているた・・・

これは・・・全ての人が使える術・・・いや現象?

()】である。

通常の【怒】はちょっとした事で発動し、残響もなにも必要ない。赤子で例えるとわかりやすい。お腹が減れば【怒 大泣き】を発動し、眠れなければ親に睡眠不足と言う呪いをかける上級術(現象?)【怒 夜泣き】を使うのである。

今この瞬間・・・春は上級神響術じょうきゅうしんきょうじゅつをも凌駕(りょうが)する【怒】を発動する域に達した。そう、その名は

【怒 逆鱗(げきりん) —(めつ)—】 である。


蒼真と功が隅で抱き合いながら震えている。

残響までもがその場から逃げていく。

一方、まったく気付いていない奴もいる。


「ねぇ・・・悠真様・・・」

「あははは なんだ春」


「・・・だれが?・・・だぁれぇがぁ?!ガキンチョだってぇえ!!」


「えぇ?えっ? は、春さん!?」


「こっちはよぉ!心配で心配でよぉ!このまま目が覚めなかったらどうしようとか思ってたのによぉ!」


悠真はやっと自分の失言に気づいた。


「やっと目が覚めたと思ったら! はぁっ? ガキンチョとか言いやがってよぉ! おまえさぁ! けなげな女の子のさぁ!気持ちわかんねえのぉ?!あぁっ!」

「はぃっ! 申し訳ごさいません!」

「謝りゃいいってもんじゃねぇんだよ!」

「は、春さん・・・人物像崩壊(じんぶつぞうほうかい)して・・・」

「んなもんしらねぇ〜よ!お前頭痛いだけって言ったなぁ!?」

「はいっ!痛みも和らいできましたっ!」

「そこに正座しろ! 」

「な、何をおっしゃっているのやら・・・」

「聞こえねぇのかっ!早くしろっ!!」

「はいぃっ!」


悠真はベットの上に正座して、(おび)えている。

部屋の隅の2人は震えながら小声で


「蒼真様・・・」

「なんだい功・・・」

「悠真死にますかね・・・」

「半々だねぇ・・・」 


「そこぉ!うるせーよっ!」

「はいっ!!」


蒼真と功が震え上がる。

春は再び悠真へ視線を戻した。


「さて・・・話の続きだがよぉ」


ドゴォッ!!


春の右腕が(むち)のようにしなり、(こぶし)は綺麗に悠真の腹筋へめり込んだ。


「ぐあぁっ・・・あぁっ・・・」


空気が震え、悠真の身体がくの字に折れ曲がった。

神獣(しんじゅう)すら黙らせると伝わる上級【怒】を習得した春の鉄拳は、容赦なく悠真を床へ沈めた。

フゥゥ〜と息をつき、額の汗を拭う春。


「次はこれですまねーからな」


返事を返す事すらできない敗者を見下して

クルッとまわり小さくなっている二人をみる。


「さぁ蒼真様、功様!ご夕食の時間ですっ!」


春はいつも以上の笑顔だった・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ