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神々の残響  作者: 蒼凪 悠
アルスティア国

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20/29

第十九話 大切な仲間達

「ポピン良かった・・・良かったよぉ。うぇぇん・・・」

「もう、泣かなくてもいいにょ。でもありがと、春も危険な場所に行ってくれたって聞いたにょ。」

「そうだ、春も頑張ってくれたんだよ」


キャッキャと女子会が始まってしまった。

綺麗な外観と室内。大急ぎで手直しまでしてくれたとの事。大変ありがたい。

男三人は部屋を見て回ることにした。一階は二十人はくつろげるリビングと小部屋が六室、台所、トイレや風呂、倉庫などが揃っている。

小部屋や倉庫があるあたり、従者などの居住区のつもりで手直ししてくれたのだろう。

二階から最上階の五階までは同じ部屋割りだが、最上階からの景色は最高だ。そして屋上にはレグナントが着陸できるようになっていた。


「至れり尽くせりだな・・・・。」

「蒼真様はこちらに住むのですか?」

「いやぁ、功。僕はいいよ〜。皇国の仕事もあるしねぇ。もしもの時は悠真の隣で寝るから。」

「気持ち悪いわっ!」

「じゃぁ二階を客室用にしましょうよ!半分が男性用、半分が女性用てのはどうです?」


いつの間にか春が来ていた。後ろからポピン達も見えてくる。


「客室って誰か客来るか?」

「だから蒼真様や親父様も来るかもしれないじゃないですか。この広さなら十部屋は取れるでしょ?」

「にょ!それじゃぁそのうちの一室を私専用でお願いするにょ!」

「それなら私もお願いする」

「いやいや、二人とも立派なお屋敷があるだろ!特にメティラはこんなとこで寝てたらダメだろ!」

「なぜだ?」

「なぜって・・・・あんた一応お姫様だろうが」

「ふっ、そんなこと気にするな。」


『気にするわっ!』


「しかし、一人で丸々一階を使っても広すぎないか?実質寝るだけだろ。」

「俺はこっちで奥さんを見つけてここで住む!だから広くても将来的にはありだ!」

「そうだな。それで何階がいいんだ?」

「四階か最上階!奥さんと酒を飲みながらいい景色を眺めるんだぁ・・・・」

「・・・・・好きにしろ。」


話し合いの結果、二階は来客用とどうしてもと、押し負けてポピンとメティラの個室。三階が悠真、五階が功に決まった。

四階は、一旦どうするか保留で、賃貸にでもして収入を得るのも一つだと話が進んだ。

そして次は日用品の買い物かと話していた頃、チャイムが鳴った。


「皆様!ご機嫌よう!」

「また!お姉様!そんなにしょっちゅう城を抜け出して来ないでください!」

「あら、それだけは本当にラティスちゃんに言われたくなくってよ・・・。」


全員が頷く。


「セイラ様、立派な住居をご用意くださいまして、感謝いたします。」

「いいのよ悠真。それに功。あなた達は本当によくやってくれています。ね、ポピン・・・よくぞ無事で」

「セイラ様、ご心配をおかけしました。」

「いいえ、元気になったのならそれでよしですわ。あなたもここへ住むのかしら?」

「一室間借りをさせていただきます。」

「あら、一室ですって? あなたのことだからここでも何かしでかすのかと、ちゃんと地下室のついた物件を探しましたのに・・・。」

「え?」

「聞いていませんの?」

「初耳です・・・。」

「これ、誰かおらぬか。 いますぐ大家を縛り上げてきなさい。」

「いやいやいや、お姉様!やりすぎです!」

「オホホホホ、冗談ですよメティラちゃん。それで?」

「はい?」

「あなたはどうしますの?メティラちゃん。」

「どうしますの・・・とは?」

「悠真と同じ所で暮らしますの?」


部屋が静寂に包まれた。メティラは顔が鍛えられる前の鉄のように真っ赤だ。


「にょ!私がこっちで研究してぶっ倒れてる間に!そんな関係になってたにょん!?」

「いやいや、んなわけがないだろポピン!」

「ほんとかにょ?悠真達が帰る時も私は行く!と駄々をこねてたにょ?それはこう言うことだにょ?」

「い、いや、待て!あれは向こうでもっと悠真達に訓練をしてもらいたいと思ってだな!」

「やるじゃないか、悠真。一国のお姫様とか?羨ましい限りだ」

「これは・・・父上に報告しといたほうがいいのかなぁ、悠真ぁ?」

「何をみんな言ってるんだ?!俺とメティラはそんな関係じゃない!!なぁメティラ!」

「そ、そうだぞ!そうなのか・・・違っ!決して悠真が残響術を発動している姿が(かっこいいなぁ)とか思ったことはない!」

「あらあら、かっこいいのねぇ」

「はっ・・・そ、そんな事は一言も言っておりません!お姉様!」

「いいなぁ・・・」

「やるにょん!悠真!」


皆で盛り上がっている中で大変な事態が起ころうとしていた・・・。

この時は、誰もが気づいていなかった・・・・そう一番の元気っ子【春】が一言も発言していないことを・・・。」


ドゴォォォン!!


みんな慌てて振り向く。

そこには・・・・部屋の壁が見事に穴を開けて煙を立たせていた・・・・。


「あははは、みんなすいませぇん!ちょっと黒光りして足の速い昆虫がいましたもので、つい叩いて滅っしてしまいましたぁ!」

「・・・・・・・」

「いや、それを・・・そうしたとして・・・・そうはならんだろ・・・」

「あれぇ?おかしいなぁ?ちょっと叩いただけなのに・・・。なんで穴空いちゃったんだろ?あれですかね、大工さん急いでて壁に使う木を間違えて、薄い木にしちゃったんですかねぇ。」

「いや、間違いはしないだろ・・・」

「間違えたんでしょぅねぇ」

「間違えないだろ・・・」

「違えたんでしょうねぇ」

「違えないだろ―――」

「ねぇ!」

「はい!間違えたと思います!」


今回も悠真の負けである・・・・。

全員が今回も隅っこで塊になってプルプル震えていた。


「ラ、ラティスちゃん・・・春ちゃんはなかなかの強敵ですわよ・・・」

「お、お姉様・・・もう余計なこと言わないでください・・・」

「あ、あれが噂に聞く【怒】の力にょん・・・興味深いにょ・・・」


蒼真と功は我関せず・・・・コンを盾にベットの後ろに避難していた。


「ま、結論ですが。私目は悠真様の専属侍女ですので、悠真様と住む権利は私にありますっ!」


なぜか両足を肩幅に開き、少し上を見上げ、胸の横で拳を握りしめた姿で言い切った。

後ろにご来光が見える神の如く・・・・彼女は当然だと言い切った。


「さぁ!異議のある方は挙手してくれてかまいませんよっ!」


スッ スッ スッ スッ スッ スッ ススッ


「えーっと。はいはい、うんうん。そうですかそうですか。」


全員が手を挙げた。 なんのためらいもなく。


「えーっ。では端からご意見をうかがいますねぇ。まずは男性から。 右の方、どちら様ですか?」


「はっ!セイラ様の従者をつ―――」

「はい、消えてくださーい。 次、蒼真様!」

「うん、僕はね、なんとなく皆んなが挙げたらね―――」

「蒼真様いや、蒼真兄ぃ。 はぃ!ここで問題ですっ!こっち来る前にわたしの親父と酒飲もうって親方様の大切な酒、全部飲んじゃったのはだれ?!」


①蒼真兄ぃと親父

②親父と蒼真兄ぃ

③蒼真兄ぃが一人での―――


「春!僕は賛成だよ、悠真と一緒に暮らすのは」

「はい次!功様!理由は!?」

「えーっと、羨ましいから」

「功・・・この間の秋花との話、気を気かしてあげたのは誰だっけなぁ。」

「そ、それはもう終わった事だし!」

「確かその前は(優香)で、その前は(ゆき)、その前は(なつな)、その前はえーっとぉ誰だっけなぁ、あっ(ひ―――」

「俺は別に良いと思うぞ!」

「はい次!コン!なぜ挙げている?」

「きゅっ!」

「ふっ、それは前脚だよコン。挙手ではない。降ろしなさい。」

「きゆうぅぅ・・・」

「はい!ここからここから!はい、ポピン!」

「にょっ!春だけずっと一緒なのするいにょん!」

「これが私の仕事だからねっ!」

「にょん・・・」

「はいメティラ!」

「り、理由はだな!えーっと、その、あれだ!神響術がだな!それだ・・・あの・・・・」

「はい、顔真っ赤になってるだけじゃため!却下!」

「ぬぐっ・・・」

「はい最後!セイラ王姫様っ!」

「わたしは皆のように簡単には参りませんわよっ!理由―――」

「セイラ様、先日選んで頂いたドレス、特に桃色のが気に入っているのです・・・聞きましたら、セイラ様が選んでくれた一着だとか。わが父も娘がこんな綺麗な服を着られるなんて。お贈りくださった方はさぞ聡明でご上品でお美しいお方だろうと申しておりました。セイラ様には本当に感謝しております。今回も悠真様の為にこんな素敵な屋敷をご準備下さいまして、瑞璃家の侍女として働き甲斐がございます!」

「まぁまぁ!そうでしたか!お父様がお喜びにっ?良かったではありませんか!やはり父親は娘が可愛いもの。お父様をよろばせるお手伝いができたのなら、嬉しい限りですわ!これからも専属侍女でしたか?悠真のおそばで頑張るのですよ!」

「はいっ!ありがとうございます!」

「うん―――はっ!」


振り返って悠真をみた春は舌をちょっとだし、ゲンコツをこめかみにあてた。


「てへっ」



「お、恐ろしい小娘ですわっ・・・この私に隙をあたえるなんて」

「そうだにょ!幼馴染はずるいにょ!」

「わたしわ・・・悠真の術が・・・」

「じゃあ聞きますけど、皆様は悠真様のなにをご存じで?悠真様はいっつもサボってばかりでなにもしないから、私がいないと何も出来ないんですっ!」

「そんな!せこいにょん!でもしってるにょ!悠真は右腕にホクロがあるにょ!」

「そんなんで良いなら私もわかるぞ!悠真の目は茶色だ!」

「・・・」

「それなら僕も勝てそうだねぇ!悠真の股の――」

『そんなのはいらないっ!』

「はぃっ・・・・」


「ったく・・・いつまで続けるんだ?」

『皆んな、納得するまでだ!』


声を揃えて言わなくても・・・


「まぁ、もう良いじゃないかよ。家の指示で専属侍女としてついて来て、この階が俺の家だってんなら春が居て当たり前だし。」

「悠真さまぁ!そうですよねぇ!」

「別に一緒に寝るわけじゃないんだから、もう買い物いこうぜ」

「えーっ!春は一緒でも良いですよっ!」

「また!余計な事言うな!」

「春ずるいにょ!絶対夜潜り込んだりするにょ!」

「まぁまて。それを言うならもう皆、春には勝てないぞ。」

「何故ですの!」

「それは・・・春とは一緒に風呂に入った事もあるし、一緒に寝た事もあるし」

「なんだとっ!どう言う事だっ!」

「それはぜひ聞きたいですわねっ!」

「どうもこうも、春が五歳の時から一緒にいるんだ。その頃は終わりかけのオムツを変えてやった事もあるし、いつも素っ裸で走り回る春を追いかけて風呂に連れてはいったりしたな。なっ、春」


春は真っ赤な顔を手で覆っていた。


「さっ、買い物いこうぜっ!」




□□□□□メティの日記□□□□□

◯月×日

ポピンが無事に治った。よかった。実を取りに行った時はどうなる事かと不安だったが、皆のおかげでなんとかなった。

そして元気になったポピンと皆を会わす為、悠真達の家にいった。 色々あって春がセイラお姉様に勝った。

恐ろしい子だ・・・実は春が最強なのかもしれない。

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