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黄昏急行 ~昼が来れば焼け死ぬ星で僕は仲間と旅をする~  作者: わけあり団子


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脱出

はじめまして、本作を開いて頂きありがとうございます。

本作品はカクヨムでも投稿しています。小説の内容は一切差はありません。

https://kakuyomu.jp/works/2912051599391516896

「エドガー、すみませんがまた街まで情報連携をお願いします」


「カァ」

 短い返事の後、バサバサと飛び立つエドガー。来る時に開けた大穴から外に出て飛び去っていく。北で僕らの安否を気にしているだろうタクミに連絡を入れてもらう。


「それでは私たちも行きましょうか」


「アクシスノースに向けてー!しゅっぱーつ!!」

 ツムギの元気の良い声に呼応するように列車が動き始める。

 ぎぎぎぎぎ、そんな音を立てながら。


 少し違う点があるとすれば、これまでは先頭車両が後続車両を引っ張って進んできた。しかし、今は一番後ろの機関車がバックしながら客車と貨物車を押している点だろう。ルナの話では、大空洞を出てすぐのところにターンテーブルがあるらしいので、そこで向きを反転させるのだという。いわゆるプッシュ式、後ろの車両が前の車両を押す方式は脱線しやすいため、早めに反転させるべきだと思う。


 ゆっくりと進む列車が大空洞を出る。実に18日ぶりの空は随分と久しぶりな気がした。見上げた空にタウセチは存在せず、代わりに星が瞬いている。


 西には明るい地平線。


 コールドスリープから目が覚めた時、列車は東のタウセチから逃げるように西へ西へと走り続けていた。しかしこれからは、西に沈むタウセチを追いかけ西へ西へと走ることになる。過酷な世界に追われていた僕達は、いつのまにか未来を追いかける側になっていた。


 地平線に沈んだタウセチは直接見えないが、まだ西の空は明るく、夕日が沈んだ直後の色鮮やかなグラデーションを空に描いている。


「うわぁ、きれーい!」


「ふふ、ツムギさんがアリアの空を見るのは初めてですね」


「うん!」


「こちら側はきれいな夕日と星空が見えるんです。黄昏ラインと呼ばれています。

 反対側は登る朝日が綺麗でもっと明るく、黎明ラインと呼ばれています」


「あっちを見たことないけど、こっちのほうが好きかも」


「そうですね。

 私もこちら、黄昏ラインの方がどちらかと言えば好みです」


「そうなんですか?」


「見た目上では、ですが。

 採掘には反対側、黎明ラインのほうが明らかに向いています。

 明るいので光学センサーが使える点が大きいですね」


 死にそうになりながらやってきた道を戻るのは少し不思議な気がした。ガタンゴトンと40km/hで進む列車も懐かしかった。大きく深呼吸をすると、肺に心地よい冷たい空気が入ってくる。振り返れば見上げるほど大きなミラのノズルスカート。そして満天の星空が見えた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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