生きる意味
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https://kakuyomu.jp/works/2912051599391516896
『不時着時のデータ』は手に入れることができた。言ってしまえば、指定枠登録された人類だけでマシンルームに入ることがデータ入手の条件だった。捜索隊のメンバーはこのデータを手にいれることができたのだろうか。分かっていることは、ミラの不時着から70年経った今もルナのもとにこのデータは渡っていないということ。この事実が捜索隊がデータを入手できていないことを示唆しているかのように思えた。
コピーが完了したフラッシュメモリを抜き取る。
……生きる意味。
キャンプに戻りながら考える。AIのルナは『新しい生きる意味』を見つけるまで待ってほしい、そう言っていた。しかし、『生きる意味』とはなんだろうか、自分の『生きる意味』を考えても答えは出そうにない。
キャンプに戻ると、ルナとエドガーが戻っていた。ツムギも遊び疲れたのかラビを抱き枕にして眠ってしまったようだ。どうやらそれなりに時間が経っていたらしい。
「おかえりなさい」
「ただいま」
少し小さな声でやりとりをしながら椅子に座る。グリムは本に目を落としている。ペラというページをめくる音。家族で食卓を囲んでいると、たまに静かな時間が訪れる。家族だと心地のよい時間だが、知らない者同士だと少しだけ気まずい、あの時間。
やわらかい明かりの中、背もたれに体を預けてゆっくりと目を閉じる。心地よいと感じることが少しだけ嬉しかった。『生きる意味』の答えはわからない、でも今のルナなら大丈夫。少なくとも一人ではない。そんな気がした。
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