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黄昏急行 ~昼が来れば焼け死ぬ星で僕は仲間と旅をする~  作者: わけあり団子


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課題と推測

はじめまして、本作を開いて頂きありがとうございます。

本作品はカクヨムでも投稿しています。小説の内容は一切差はありません。

https://kakuyomu.jp/works/2912051599391516896

 ルナに依頼された課題のことを考える。

 国語の問題風に言ってしまえば『ミラが不時着した時のルナの気持ちを答えなさい』という問題である。いわゆる心情把握、心情理解と呼ばれる類の問題であり、一番の特徴は数学のように明確な回答が一つ決まるものではないという点だ。だからと言って、何でも書けば点数がもらえるというわけでもない。


 大事なのは根拠があること。本文に書いていないことを想像で補うべきではない。文脈に沿っていること。前後の文脈に矛盾しない内容でなければならない。言葉選びが適切であること。同じプラスの感情であっても「嬉しい」と「楽しい」ではニュアンスが異なる。感情を記載する場合は登場人物の感情に合致する言葉選びが必要になる。こんなところだろうか。


 国語の問題としては王道の問題であり、誰しも解いたことがあることと思う。

 が、気をつけなければならないのはこれは文章題ではないという点だ。あの物語の一番大きな鍵は、どうして『不完全な記憶』のままルナを起動したのか、そこにある。そして、『不完全な記憶』の手がかりはルナの物語の中にはない。


「ルナさん」


「はい」


「マシンルームの中を確認したいのですが、いいですか?」


「はい。手伝います」

 ルナとマシンルームへとやってくる。


「修理不可能と言ってましたが、AIのルナは全く動かないのでしょうか」


「はい」

 ルナは首を上げ、天井を見つめる。


「AIのルナの心臓とも言える中央演算装置はこの真上にありました」


「部屋が別だったんですか」


「はい。

 この上、より正確に言えば、コンソールルームとストレージルームの上に中央演算装置が格納されたコンピュータルームという部屋があったんです。今は見ての通り、完全にロストしています。大気圏突入時、このストレージルームを守るために、コンピュータルームを緩衝材として犠牲にした結果ですね。不時着後、演算装置とストレージ、どちらを残すべきかは言うまでもありません。

 演算装置はいくらでも代替が可能ですが、データが消えてしまっては意味がありませんから」


「たしかにそうですね。

 ということはここのストレージは使えるんでしょうか?」


「不時着当時、データへのアクセスは可能でした。今も大部分は使えるようですね。ただ、着陸後に確認した限り、ストレージのどこにも私の探していたデータは見つけることができませんでした」


「なるほど。

 少し考えてみたのですが、AIルナが不時着時のデータをどこにも残してないのはやはり不自然な気がするんです。失敗は成功のもと。人類の今後の成功の鍵になるかもしれない貴重な失敗データを残さない理由がどこにも見当たらない」


「そのとおりです。

 人類をアリアに導くこと、それがAIルナの使命であったわけですが、それは一回だけの移民を指してはいないように思います。今後、人類がアリアと地球を行き来する際、唯一の失敗例としてデータを残すべき、私もそう思います」


「可能性としては、ルナは不時着時のデータを残さなかった。あるいは、ルナは不時着のデータを残したが、ルナさんには発見されていない。

 どちらだと思いますか?」


「どちらかを選べと言われれば、後者です。

 ですが……」


「探したけども、見つからなかった」


「はい」


「ルナさんが探して見つからなかったものを見つけるのは不可能でしょうね」


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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よろしくお願いいたします。

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