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黄昏急行 ~昼が来れば焼け死ぬ星で僕は仲間と旅をする~  作者: わけあり団子


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ストレージルーム

はじめまして、本作を開いて頂きありがとうございます。

本作品はカクヨムでも投稿しています。小説の内容は一切差はありません。

https://kakuyomu.jp/works/2912051599391516896

「よかった。少しバイタルが落ち着いて来ましたね。

 もう大丈夫です」

 ルナが胸に手をあて安堵したように言う。

 ツムギの様子を見ると、さっきまであれほど苦しそうにしていたのが嘘のように、額の汗は引き静かに呼吸をしていた。


「この後はどうするんでしょう。

 また外に出ればアレルゲンの影響を受けてしまう」


「その通りです。

 が、ここは捜索隊のキャンプでした。

 運がよければ、抗アレルギー薬があるかもしれません」


「そんな便利な薬があるんですか?」


「入植当時、かなりの数の人類がアリアの空気でアレルギー反応を起こしていたそうです。

 そのため、生物学・医学に強かったアクシスサウスでは、これを最優先課題として研究が進められましたんですね。といってもアリアの空気に含まれる物質でアレルギー反応を起こさないよう免疫改善するだけですので、もともと持っていた小麦アレルギーや卵アレルギーが治るわけではありませんが」


「なるほど、それでも充分すごいことですね」


「はい。

 ラビにお願いして探してもらっていますが、もしなければエドガーに街まで行って持ってきてもらいましょう。エドガーなら往復1日もかからず街まで行って帰ってこられますし、薬くらいならエドガーでも運べますので」


もうツムギは大丈夫そうだ。ようやく安堵の息を吐く。


「ありがとうございます」


「いえ、今回のことは解凍に踏み切ってしまった私の落ち度でもあります。

 すみませんでした」


「いえ、ルナさんの判断に誤りはなかったと思います。

 ポッドが壊れてしまえば、ツムギは助かりませんでしたから」


「あの、ところでどうしてあんなところに入口があったんですか?」


「ああ……。

 本来はあそこに見える扉から入れるはずでしたが……」

 ルナの視線が指す先、入ってきた穴から右手の壁沿いに扉のようなものがあるのがわかる。


「あの扉は、というより船のすべての扉は外にエリアが存在するか事前にチェックするんです。

 扉を開けたら宇宙でした、では洒落になりませんから。

 というわけで、いざという時の秘密の入口しか残ってなかったんです」


「秘密の……」


「移民船で何かあった際、一番重要なエリアに入るための入口が一つだけなんて問題でしょう?」

 ルナが笑顔を見せる。たしかにその通りだ。


「ちなみに、ミラに搭乗していた方で、この秘密を知っている方は何名かいらっしゃいましたが、もう全員亡くなっていると思います。

 今人類でこの秘密を知っているのはツカサさんだけかもしれませんね」


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

ストレージルームに逃げ込むという話から、すこし一息つきたかったのでこのような章を考えてみました。次の章で本作の前半戦が終わりになります。


もし「面白かった」「続きが気になる」と思っていただけましたら、ページ下部より【ブックマーク追加】や【☆☆☆☆☆】の評価(星)で応援していただけると、執筆の大きな励みになります!

よろしくお願いいたします。

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