↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鳥衆  作者: 小早川甘白
2/8

ハシビロコウ・ユカリ

 ダチョウは入院することになった。肋骨が2本折られていたらしい。

 サキは先生と話しているユウタを見ている。

「ヒクイドリ君。どうかなさいました?」

「あ、あの、先生にダチョウ君の入院先を……」

「オウギワシさん。こいつ、またダチョウをボコさないか心配で教えられないんだ」

「……そうですか。ならば、私も同伴しましょう。昨日は不意打ちですし」

 ユウタは、「そこは譲らないんだ」と小さくつぶやいた。


 放課後――

 ユウタは見舞品を持って、サキと歩く。

「ヒクイドリ君。私、また鍛え直しています」

「……そうですか」

「あぁ、お姉さんには怒られましたか?」

「いえ。バレてませんでした。あれ

ほど目立ってのに。多分、お友達と話してて気づかなかったんです……」



 病室に入ると、そこには昼寝をするダチョウがいた。

「起きなさい」

「………ん?あ、オウギワシだ。お。ヒクイドリ!」

「騒がしいですね。同室の方の心中をお察しします」

 この2人の仲がいいことくらい、ユウタも分かっている。

「ヒクイドリ。またバトルしようぜ」

「…………」

「ヒクイドリ?」

「ごめんね」

「ん?」

「僕、ダチョウ君を散々ボコボコにしちゃった」

 しばらく、沈黙。

「ああ、気にすんな。怪我なんて治るんだし。病院なんて1度や2度じゃないし」

 ダチョウは怒っていなかった。むしろ、喜んでいた。

「俺、入学したての時にオウギワシに喧嘩売ったんだよ。こんな女が猛禽類最強なわけないって。散々煽って表に出したら、まぁ、これが強くってねぇ。一撃与えるのもやっとだった。それでも、ダメージは受けてたけど」

「そのせいで、あなたのあだ名はアホですけどね。入学当初から有名だった私を煽って負けたんですから」

 サキはレイピアを握りしめる。

「再戦なら、受けて立ちますよ」

「お、いいね。じゃ、俺も鍛えないとな」


             *


 病院を出て、2人は帰路に着く。

「ダチョウはまたあなたとバトルをしたいそうです。それに、元々彼は怒っていなかった。自業自得なことくらい、あのアホな脳みそでも分かりますよ」

「……そうですか」

「どうかなさいました?そう言えば、ヒクイドリ君は戦闘モードの時は別の人格があるのですか?」

「……いえ、無いです。頭の中に破壊の本能がひたすら流れ込んでくるんです。あくまで、僕の感覚です」

「なるほど。でも、私はあなたを倒します。これは変わりません」

「…………」

 折れたように、ユウタは息を吐く。

「分かりました。倒してみなさい」

 そう言ってユウタはサキより速く歩いた。

「あぁ、あと一つ……」

 ユウタは振り返ってサキを見る。

 目が、純黒……

「挑むと言うなら、僕もお前を滅多打ちにする。これだけは覚えておけ」

 そう言って、家の屋根に飛び移って帰って行った。


             *


 翌日――

「サキさん。ハシビロコウが『飛行レースをまたやりたい』と言っています」

 生徒会室で、彼女の同級生ハシビロコウ・ユカリの友人兼通訳のトキ・ユウカが言ってきた。

「あぁ、ごめんなさい。後日にしてくれますか?」

「『忙しいの?』とハシビロコウが言っています」

「いや。トレーニングを。ライバルができましたので」

「『それは誰?』とハシビロコウが」

「ヒクイドリ君。この前、ダチョウをボコボコにした……」

「あぁ、彼。そういえば羽がちぎられたんだって?」

 ユウカがサキに言う。通訳以外はタメ口。

「えぇ。あと1週間で治りますので……」

「…………ユウカ。行くよ」

 ユカリがユウカの手を引く。

「ハシビロコウ?どうしたの?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。