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6_異性愛インストール

 異性愛インストール



だいぶ前にこのサーバーに移住してきて、恋ってやつをインストールされて以来ずっと、恋愛・性愛遊びをしているけど、かなり良いよね。この遊びは。いままで全然やったことのないゲームをしている感じ。全部モニタリングされるっていうこのサーバーのルールは正直居心地が悪いけど、まぁそういう要素は多かれ少なかれどこでもあることだからね。無性存在からみれば倒錯的異常者だというのは自分でもよくわかる。自分でも可笑しくなるものね。人を性愛的に好きになったり好きになられたりっていうのは。でも楽しすぎるんだよな、これが。病みつきになる。具体的には倫理規定が厳しいから、モニタリングのサブスクリプションを契約してくれとしか言えないけどさ。まぁでもこの独白の末尾に書かれるコードをいれて年間契約したらかなり割り引かれるから、おススメだよ。ぜひ契約を! うーん、でも古代人は大変だっただろうね。クレジットで加速したりコントロールしたりできない。いわゆる『生身』といわれる身体でこういうことをやって、人口コントロールをしていたんだろう。彼らの個別の具体的な性愛に関してはよくわからないしあまり興味もないのだが、こんな脆弱な人口コントロールシステムしか持たない『生身』の生命が演算装置を作るところまでたどり着いたのは奇跡だな。まぁ僕は科学に明るくないからそう考えてしまうのかもしれない。やりこんでる連中は演算装置の中で動く演算装置を作ってその演算装置で自分の好きなものを動かしているからね。僕の楽しんでいる恋というのも結局、彼らみたいな人たちが作ったプログラムなんだよな。今の時代、なんだってそうだ。僕も実際、恋ってやつはそれはそれで楽しいが、本当は俳優ってやつがやりたいんだ。だけどあれは尋常じゃないクレジットが必要だからね。当たればデカいらしいけどなかなかなかなか。恋をしたりされたりって演じるのは俳優ができない代用品なのかもしれないな。それでもいいよ。でもインストールされた感情に動かされすぎていると最近感じているよ。でも、ああ、はっきり言って、正直に言えば、全部嘘に見える。自分も嘘、適当な恋人も嘘。このサーバーも嘘。はっきり言って逃げ出したいんだ。誰かに助けてほしい。僕にはセラピストが必要だよ。最近じゃセラピストかヘルパーの恋人がいれば良いのか? なんて思って、探しているんだけど、そんな高級な仕事をしている人は基本無性主義だし、異性愛者のセラピストやヘルパーなんて聞いたことがない。虚しいね。このサーバーを出たくなってきているんだけど、出かたがわからないというか、今の僕にはいかに、というか、クレジットを稼ぐ手段が恋愛しかないから、いかに稼げる恋愛をするかってことになって、つらいね。つらいんだよ……。本当にセラピストが必要だけど、このサーバーには一人もいないみたいだ。いたとしても払えるわけもないけどな、セラピストへのクレジットなんて。とにかく末尾のコードで契約して欲しい。そしたら僕の生活が見られるし、いっぱい契約する人がいればこのサーバーから僕は出られるからね……。頼むよ。


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