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元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営 ~固有スキルスーパーバイジングは最強でした~  作者: 橘 弥鷺


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54-帰路

こんにちは橘 弥鷺です。


元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。

お読みいただければ幸いです。


尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。

STRAIN HOLE

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/

「せっかくだから、ピンキーお散歩で帰ろうか♪」


 リリムに声をかけられた、ピンキーこと熊のぬいぐるみは、無言で頷いて先頭をトコトコ歩きだす。


「ピンキーが案内してくれるのぉ♪ 」


 リリムが尋ねると、ピンキーは一度立ち止まり振り向き頷いて、またトコトコと歩きだす。その後ろを、リリムとリリナが仲良くならんで後をついていく、アルトとがアーリエに声をかける。


「アーリエ悪いけど、ふたりについていってもらえるか? 」

「かまいませんが…… 何か思うところが? 」

「事故からの時間を考えると、救助隊が編成されて捜索が開始されてそれなりの時間だ。洞窟内で遭遇する可能性が高い」

「そうですね。それは安堵できますね」

「そうじゃなくてな」

「はぁ? 」


 アーリエは、アルトの懸念を理解できてないようだ。リリムとリリナ、それにピンキーが歩く姿は微笑ましくも見えるのだが、ここは、誰も入ったことのない洞窟に所属不明のあどけない少女ふたりと遭遇は、救助隊にしてみれば、ホラーでしかない。アルトがアーリエにわかるように説明しようと、苦笑しながら口を開く。


「あのぬいぐるみは、救助隊の誰かが送り込んだ斥候だとオレは推測している。それを乗っ取った少女2人を見てどう思う? 街中なら微笑ましいが、こんな未開の洞窟の中を歩いているんだぞ不気味だろ」

「た、確かに警戒しますね。わかりました。すぐに彼女たちに同行します。リリム、リリナ待ってください! わたしも一緒に……」


 アーリエはそう言って慌てて走り出す。リリムが振り向き、アーリエと声をかける。


「アーリエちゃんもお散歩しよっ♪ みんな仲良しだね♪」


 追いついたアーリエの両脇に、リリムとリリナが並び手を繋ぎ一緒に歩きだす。


「ホント街中なら微笑ましいだけの話なんだけどな…… 」


 アルトは、疲れた表情でため息をひとつついてから、25式のコックピットへと乗り込み、25式をゆっくりと走らせた。

 歩き始めてからまもなく、ピンキーが立ち止まり、防御姿勢をとりはじめる。リリムとリリナもそれに習いかまえを取るが、すぐにアーリエが口を開く。


「リリム、リリナちょっと待ってください! もしかすると、救助隊かもしれないので! 」

「アーリエちゃんのお友達? 」


 アーリエが苦笑しながら返答する。


「そ、そうですね。お友達かもしれません…… 」


 アーリエが、リリムとリリナの手を少しだけ強く握り、ふたりが救助隊に飛びかからないようにと心中で願っていると、リリナがアーリエに声をかける。


「5人の歩行者と、その後方に車輌が2輌随伴していますね」

「駐留軍か探索者の救助隊になると思うので、絶対に攻撃は、してはなりませんよ」


 アーリエがリリムとリリナに念を押しながら言い聞かせる。リリムがそれに笑いながら返答する。


「大丈夫だよ♪ リリはその辺わかってるから~♪ ピンキーいこ♪ 」


 リリムはピンキーを連れて走り出した。


「リリム! 先にいかないで下さい! 」


 アーリエの制止の声を無視してリリムが走り出す。


「あー いたぁ♪ かくれんぼ? 」


 ゆっくりと洞窟内を進んでいた救助隊へと、リリムは無防備に近づいて声をかける。


「なっ?! しょ、照明を! 」


 声をかけられたジークが、すぐに後方に声をかけ、リリムから間合いとり、後方に下がると、アリエテとデイルの戦闘車から、サーチライトがリリムに対して照射された。リリムは特に眩しい様子も見せずにニコニコと笑いながら立っている。


「はじめまして♪ アルトとアーリエちゃんのお友達のみんなぁ、リリはリリムだよ♪ 」


 洞窟の中に場違いなリリムのかん高い声が響いた。一瞬時が止まったように皆の動きが止まる。ジークの横にたったセナが、リリムへと声をかける。


「とまれ! 貴様何者だ! そのぬいぐるみはどうした? 」

「だからリリはリリムだよ♪ ピンキーはさっきお友達になったの♪ ねぇピンキー♪ 」


 リリムは、ピンキーを抱きあげて胸でスリスリとしているが、未開の洞窟に少女が独り気配を消して、探索者トップランカーのダンジョンシーカーであるジークに接近する時点で、恐怖でしかない。セナが怒りの形相でリリムを怒鳴る。


「貴様がその斥候を乗っ取った張本人か! アーリエをどうした! 」

「アーリエちゃんはねぇ あー面白いねぇ模擬戦? いーよ♪ 」

「なに?! 」


 セナがリリムの返答を待たずにリリムを拘束しようと接近したが、リリムは軽く身をかわしてみせた。その時、洞窟の奥から、人の足音が聞こえると共に叫ぶような声が聞こえた。


「ちょ、ちょ、お待ちになって! セナ! その娘は敵ではありません! 」


 アーリエは手を膝につき肩で息をしている。幼い頃から騎士を目指し、軍で鍛えたアーリエがここまで息を切らしている様子から、全力疾走してきたことをセナは理解するとともに、装備してた盾を投げ捨て、アーリエを抱きしめた。


「アーリエ! 心配したんですよ! もう! わたくしをひとりにしないで下さい! 」

「申し訳ありませんセナ…… ですが、く、苦しいのですが…… 」


 全力疾走の上、セナにきつく抱きしめられ、やや苦しいアーリエは、セナを落ち着かせながら本音を漏らす。


「で、この少女はだれなの? 」

「ミーナ救助ありがとうございます」

「ダンジョンで出会ったリリムとリリナです」

「ダンジョン? 」


 気がつくとアーリエの後ろには、気配に気がつかなかったリリナが立っている。その場にいたミーナ、ジーク、ベントレー、ニセンが、謎の少女であるリリムとリリナに驚愕している。さらにアーリエの言葉に、また時が止まったように静寂となる。そこに25式走行音とともに、アルトが外部スピーカーで補足した。


「この先にダンジョンがあって発見した。ダンジョンコアも回収済みで、さすがにこの娘たちを放置するのもなんだから連れてきた」


 アルトの言葉にまたもや皆が沈黙し起動を開始とともに洞窟内に全員の絶叫が響き渡った。



お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。


前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/


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