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元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営 ~固有スキルスーパーバイジングは最強でした~  作者: 橘 弥鷺


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52-リリムのおともだち

こんにちは橘 弥鷺です。


元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。

お読みいただければ幸いです。


尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。

STRAIN HOLE

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/

 ピンクの熊のようなぬいぐるみは、出会い頭にまるで人が入っているかのような、驚きのリアクションでのけぞり、とてもコミカルな動きをしている。それを見て、アルトは警戒した自分が損した気分になる。


「これでモンスターとかなら、なんかムカつくな」

「モンスターなんですか? 」


 アーリエがアルトの様子を見て警戒をときながら尋ねると、アルトは肩をすくめてから返答する。


「下界にはいない生き物だな…… 」

「生き物なんですか? どう見てもぬいぐるみなんですが…… 」


 アーリエもピンク熊をしげしげと目文していると、リリムがただでさえ高い声音を更に高くはしゃいだ声を出す。


「キャー! かわいいー♪ 」

「おいリリム! 」


 アルトの制止を無視して、リリムがピンク熊へと突進し、ピンク熊へと急接近すると、ピンク熊は焦ったように後ずさりするが、すでに腕をリリムに捕まれ、リリムはにこりと笑いしゃがみこみ、ピンク熊に尋ねる。


「やっほ♪ こんにちは! リリはリリムだよ♪ 熊さんあなたは? 」


 ピンク熊はブンブンと頭を振って、さらに逃げようと試みるが、リリムに握られた腕がどうしても外れない。


「熊さん元気だね~♪ お名前ないならリリがつけてあげるね♪ そうだなぁ~ えーと ピンキーはどう? 熊さんは今からピンキーねぇ♪ リリのお友達紹介するね♪ 」


 リリムは、にこにことピンキーと名づけたピンク熊を抱き抱える。無論ピンキーは、リリムの胸で暴れているのだが、リリムの拘束から逃れられない。


「ピンキーは元気だね♪ リリとおんなじだぁ♪ 元気でピンクで~♪ 」


 リリムはピンキーを抱いて鼻歌交じりにスキップしてアルトたちの元へと戻り口を開く。


「この娘がリリナで、こっちがアーリエちゃんねぇ♪ そっちがアルト」


 リリムがアルトたちを紹介している間も、ピンキーは拘束を解こうと必死に抵抗しているが、どうにもならない。リリムがピンキーを見て声をかける。


「ピンキーは元気な子なのはわかったけど、友達のお話は聞かない子はいけない子なんだよ。リリナはピンキーとお話しできる? 」


 リリムがピンキーに説教をはじめ、リリナの前にピンキーを差し出す。リリナがピンキーの頭を撫でる。


「会話ではないが…… ハッキングしてこちらに取り込むとしよう。リリムが気に入ってしまったからな」


 するとピンキーがおとなしくなり、リリムがピンキーを下ろすと、ピンキーは先ほどとは、うって代わっておとなしくしている。


「ピンキーが良い子になったねぇ~ やっぱりリリナともお友達になったからかな♪ 」


 それを見ていたアルトとアーリエが唖然として、ややあってから、アルトが正気を取り戻して口を開く。


「ふたりの笑みが怖くなってきた…… 」

「わたしもです…… 」


 謎のピンク熊ピンキーの力量は不明だが、リリムは笑顔で拘束し、リリナは撫でただけで無力化し、ピンキーを配下に置くような洗脳ないし、制御を奪い取ったのだろう。アルトはリリナに声をかける。


「この熊のぬいぐるみはなんだかわかったのか? 」

「人工物で、無人機のような存在と思っていただければ、操縦者との通信をたちきり、わたしかリリナの指示で行動するようにシステムを変更しました。わたしはそちらに特化した性能を有してますので」


 リリナは淡々と当たり前のように答える。


「システム? このピンキーは機械なのですか? それとリリナ、性能とは? スキルのようなものですか? 」


 アーリエが疑問だらけのようで困惑する。しかたない、この世界の文明や技術は一見、地球の物と似ているのだが、その技術の中には魔法が使われている。電子機器や精密機器といわれるような物のほとんどが、何かしらの魔法によって代用され、それによって発展した技術なので大きな差が出る。ちなみに、25式の動力であるエアポンプターボコンプレッサーエンジンの燃料は空気なので、大気圏内であれば無限動力と言える。核を超えた動力源をこの世界はすでに手にしているのだが、地球とは異なる状況にあるためか、地球の文明より上位と感じられることはない。リリナがアーリエの疑問に答える。


「こちらの感覚で伝えるならば、確かにスキルと言った方が理解しやすいと言えますな。わたしは、戦闘も最低限可能ですが、後方支援型に属します。リリムは戦闘特化型ですが、わたしたちツインズの運用思想は、セットとしての運用としており、今までのドールが行っていた事をふたりで行うことで、より性能を向上させたモデルです」

「リリナはまるであなたやリリムを機械みたいに話すけど…… 人間なんですよね? 」

「人間…… そうですねこの世界では人間で良いですよね? アルト」


 リリナはアーリエの回答の最後にアルトへと視線を向ける。アルトはうんと頷きアーリエに声をかける。


「アーリエ、たぶん細かく追求すれば違うものなのかもしれないけど、リリムとリリナは、この世界の基準では人間ってことになるんじゃないか? 」

「そうですね。ごめんなさい変なこと聞いて」

「いえ、気にしていません」


 リリナはアーリエに返答した後、アルトの脳裏にだけリリナの声が聞こえてきた。


『詳細は後程』


 短いその言葉だけがアルトの思考に伝わった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。


前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/


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