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元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営 ~固有スキルスーパーバイジングは最強でした~  作者: 橘 弥鷺


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41/60

38-独断専行

こんにちは橘 弥鷺です。


元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。

お読みいただければ幸いです。


尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。

STRAIN HOLE

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/

「アルト! ムチャするなよ! かなり癖のある車輌だからな! 搬入エレベーターで下に降りる、こちらが先に出る。お前に先走られたら冷静に事態が把握できないから、そのくらいは、わたしの言うことを聞けよ」

「わかったわかったって」


 アリエテの言葉に、アルトは軽い感じの返答を返す。アリエテは深く息をついてから、隣のミーナに声をかける。


「アルトが怪我の後で何か雰囲気が変わったて聞いていたのだが…… 無鉄砲さは変わってないのか? 」

「か、かなり落ち着いてたんだけど…… あれ…… 戻った? 」


 ミーナも苦笑しながら返答するも、しどろもどろな感じになるが、ミーナの返答を聞き流しながら、ヘルメットをかぶりながらアリエテは無線を繋ぐ。


「デイル! 緊急事態だ! 召集の話は聞いてるか? 」

『ええ こちらでも把握しているわ、出動要請が軍から来ればすぐに出る準備は出来ているわよ』


 無線越しに返答した女性の声は、アリエテの焦りを落ち着かせるような落ち着いた声だったが、アリエテは被せるように話を続ける。


「アルトが25式で出ることになった。わたしはアルトのフォローするから、デイルに指揮を頼みたい」

『アルトくんが? 』


 無線越しのデイルという女性は、イマイチ理解できないようで困惑したように声を漏らすと、ミーナが無線に割ってはいる。


「デイルさんミーナです! 兄さんにも伝えてください! アルトが何か感じたみたいで25式で出るって言い出して 」

『ミ、ミーナちゃん!? どういうこと? 』

「兄さんに伝えてもらえればわかります! 」


 アルトの異変をミーナにはなんとなくわかる。おそらくは、スキルで何かしらの危険を予知したのだろうと、しかし、何も知らないアリエテと無線越しのデイルには説明する時間がない。アリエテが正解ではないかもしれないが、緊急なのは理解したのか、もしくは、アルトの実力への信頼か、アリエテがさらに続ける。


「お前の車輌と予備機をうちのメカニックに持っていかせるから、誰でも良いからオペレーターをもうひとり連れて街道入口前で合流してくれ! 」

『了解! 』


 デイルも何かを察したのか、了承し無線が切れる。アリエテは、続き様に先程の初老の技術者へと無線を繋いで、デイルと予備の戦闘車の移送をメカニックへと指示する。一方、デイルは、アリエテとの通信をしながら、階段を駆け上がるが、その姿はスラリと伸びた脚に、細いかかとのピンヒールも気にせずに、まるで崖を駆け上がる鹿のように、しなやかで優美だ。唯一腰上まで伸びた濃紺色の軽く巻いた髪が揺れる程度で品位は損なわない。デイルこと、デイル・エイブラムスは、優秀なタンクオペレーターのひとりだが、出動がない時には、探索者組合ワールドトレックの受付嬢を職務としている。デイルは受付嬢としても優秀で、常にトップクラスの成績をおさめ、そして誰もが魅了されたように見入ってしまう美貌の待ち主で、特に男性探索者を虜にしてしまうが、外見だけでなく能力も高く、女性探索者からも指名され、同性からの信頼も熱い。デイルは目的の部屋の前にたどり着くと、軽く息を整えてノックをする。室内から応答と同時にドアを開ける。


「デイルさんが珍しいですね。すぐにドアを開けるなんて、急用ですか? 」


 部屋の主は、爽やかな微笑をデイルへと向ける。デイルは、自分で急かす気持ちを意識し、一呼吸ついてから入室下にもかかわらず、このひとつ年下の上司はそれを見透かしている。

挿絵(By みてみん)

「ルイガノ理事崩落事故の件はお耳に? 」

「理事はいらないかな、今まで通りで良いですよ。ええ、聞いてますよ。出動要請ですか? 」


 この上司は、崩落事故があっても焦りひとつみせない。本当にやりづらいとデイルは思う。デイルが思うように扱えない男性のひとりだ。悔しいから少しいじめたい気持ちになる。


「アリエテ機甲部隊長とミーナさんから連絡があって、アルトくんが試作機の25式で事故現場に向かったって…… アルトくんのヤンチャは卒業したんじゃないんですか? 部隊長とミーナさんが同行していますがわたしにも出動要請がありましたよ」


 ルイガノの弱みのひとつである、アルトの名前を出して、少しぐらい困った顔を見せてほしいと思うデイルをよそに、ルイガノは腕を組んで思案するように視線を落とし、そのままデイルに尋ねる。


「部隊長とミーナは何かいってましたか? 」

「兄さんに伝えってって…… そう言えばわかるからって、それだけです。まだ、駐留軍からの依頼がないので急いだところで、事故現場を門前払いされるだけじゃないでしょうか? それと、2輌の戦闘車をこちらにメカニックに移送するから、もうひとりタンクオペレーターを連れてきてくれと部隊長が…… 」


 ルイガノは、スッと目を細目てから、デスクの上をいきなり片付け始め、必要なものをポケットへと押し込む。常に冷静なルイガノには、珍しい少し慌ただしい態度だ。


「ルイガノさん……? 」


 その様子を見てデイルが声をかけると、ルイガノはサッと顔を上げて返答する。


「デイルさんもすぐに用意を! 誰でも良いのでオペレーターをもうひとり呼んできてください! 準備できしだい向かいましょう」

「えっ え…… 」

「急いで下さい」

「は、はい」


 デイルが思考を停止しているとルイガノが急かし、デイルは気を取り直して部屋から出ていくのを確認すると、ルイガノが独り言を口にする。


「独断専行か…… 焦るってことは何か起きるってことだよねアルト…… こちらもできるだけのことはするよ。見きり発車だけどさ」


 崩落事故発生の情報によって、アルトの暴走とも思える行動は、事情を知るルイガノとミーナにしか察することは出来ない。しかし、この行動がふたりの少女の窮地と駐留軍を救うこととなる。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。


前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/


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