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元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営 ~固有スキルスーパーバイジングは最強でした~  作者: 橘 弥鷺


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37-男の子は合体・変形・重武装が好きだろう?

こんにちは橘 弥鷺です。


元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。

お読みいただければ幸いです。


尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。

STRAIN HOLE

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/

 この異世界は、以前いた世界よりも技術が進んでいるように感じることがアルトにはある。ただしそれは、以前の世界よりも未来的なという意味でなく、なぜそんな技術が確立できるのか、というまったく理解できないという意味でだ。街はファンタジーな感じとスチームパンク風をあわせ持つような雰囲気で、さらに目にする乗り物は、どことなく武骨なのに以前の世界よりも優れた動力源を使用していたりする。最新技術を惜しげもなく投入された25式高機動戦闘車も、もれなくそれに、はずれていない。エンジンは、空気を圧縮するか何かで動力にかえるらしく、燃料は不要という優れもので、装備されている武器も弾が不要なのだ。それを実現させられる理由は魔法の存在だ。唯一、25式高機動戦闘車に交換が必要なのは、30センチほどの正方形の石板のような物体で、マジッククォーツと言われるようは魔石で、魔力を貯めておく言わば電池のような存在である。


「で、オレが呼ばれたのは? 」


 アルトがアリエテに尋ねると25式高機動戦闘車のボディを叩きながら返答する。


「最終微調整をしようと思ってさぁ 次の合同探索には、実証実験をしてもらうつもりだから、そのつもりでいてくれよ」


 アリエテがボディにあるハンドルを倒すとコックピットのキャノピーがゆっくりと跳ね上がる。やはり戦闘機のようなコックピットに見える。しかもキャノピーはガラスや強化プラスチックのような透明のモノでなくボディと同質のモノであったことを考えると、コックピットから外を伺うのは、全周囲モニターのようなあれなのか?とアルトはちょっとテンションが上がり始める。ふとその時、幼い頃の母親の末の弟である叔父の言葉が何故か思い出す。


『男の子は合体・変形・重武装は好きだろう』


 今思うとロボットアニメが大好きだった叔父の完全なる主観の発言だったのだが、確かに異世界に来て、謎テクノロジーが発展しているのならばあっても良いのではないかとは思うし、あるならば乗ってみたい気はする。だって、男の子だもんと三十路までの人生を歩んだ記憶があるアルトが、 そんな事を考えてしまった。アリエテがせっかく開発してくれとはいえ、バギーのお化けだ。有人人型兵器や戦闘機から人型に変形しちゃうとか、何機かで合体しちゃうとか、そういう夢のような機体はないのだろうか、思わずアルトはアリエテに聞いてしまった。


「人型の乗り込み型の大型兵器みたいなもの作れないのか? 」

「人型? それを操縦して戦うってことか? 」

「まぁそうなるな…… 」

「さすがにそれは…… 確かに自分が剣を振るったりする動作で操作できれば、多くの探索者がオペレーター免許を得なくても操作可能だろうがな…… 」


 装甲車などの操作は、誰でもできるわけではない。当然機甲兵器である装甲車にはそれなりの操作技術が必要な上に、この世界の装甲車なり戦闘車は、1名~2名での運用を可能としている。


「じゃぁ タイヤじゃなくて多脚の戦車とかにはできないの? 」


 人型がダメならせめて、サソリとかクモとかみたいな姿の機甲兵器があっても良くないとアルトは思う。アリエテが肩をすくめて返答する。


「多脚? 何の意味があるんだよ。わざわざ複雑化してタイヤの方が走破性や整備性も高いだろう」

「特に意味はないかなぁ」


 アルトは、ちょっとガッカリするが、気を取り直してコックピットへと乗り込みながらアリエテに尋ねる。


「複座じゃふたりで操作なのか? 」

「何かあった場合の複座だ。基本はひとりで操作可能だ。で、グリップを握ってくれ、設定始める」

「こうで良いのか? 」


 アルトがグリップを握るとアルトを認証し、シート位置などが調整される。その様子を見ながらアリエテが捕捉する。


「これでアルトが武器を装備したままでも邪魔にならないだろう」

「はぁ? 」


 コクピットに乗る時に疑問に思わず腰にあるファルカータをベルトごと外してミーナに渡したのだが、それをアリエテが受け取り、アルトへ差し出している。アルトが立ち上がり、腰にはめ直し座るとファルカータが邪魔にならないサイズに小さくなった。


「謎テクノロジーだな…… 」


 アルトは苦笑しかできない。さらにコックピットに座ると、なんとなく小さなボートやカヤックに乗っているような感覚を感じる。実際ボートほどの揺れは、そこまでないのだが、なんとなくがっちり固定されているという感覚がない。


「これは? 」

「さすがアルトだな! 身体が何か感じたか? それがこの25式の特徴のひとつだ 。左右のグリップで操作することも可能だから好きな方を選べ」

「あ、なるほどこれで荷重移動するわけか…… 」


 アルトが右に姿勢を少しだけ、感覚的には尻半分に体重をかける感覚で傾けると、前輪の大きなタイヤが右に向き、意識して右に体重をかけるとタイヤは可動域いっぱいにタイヤが向き、大きなバギーと思っていたが、明らかに以前の世界で毎日のように乗っていたクルマとは、操作方法が違う。タイヤにはフェンダーもないので、コクピットからは良く見える。以前の世界とは異なる発展をした世界なので、そういうモノと割りきるしかないが、いまだにアルトの中の記憶は、苦笑するしかない。これだけのテクノロジーなのに、計器類はアナログなのだが、ボディと同素材のキャノピーを閉じれば、瞬時に外部カメラで映し出されたように外の景色が映し出される。その時アルトの視界の角が明滅する。スーパーバイジングスキルが発動しており、意識を傾けると、緊急メッセージと25式操作アシストの項目が表示される。


「緊急メッセージ……? 」


 アルトは、緊急メッセージが優先と判断し内容を確認する。


 ・ロールス共和国との街道崩落事故発生を確認

 駐留軍への調査と災害救援任務の命令がくだされ、重要人物であるアーリエとセナも駐留軍と共に任務にあたるが、想定外の混乱に巻き込まれることが、予想される。25式を受領し、そのまま駐留軍任務に協力せよ。尚、現状、自然災害か人災か調査中の為、双方を想定し警戒せよ。


「崩落事故? アーリエとセナが危険なのか…… 」


 アルトはキャノピーを一度開けると同じタイミングで、アリエテに声がかかる。


「お嬢! お嬢! 」

「こっちだ! 」


 初老の技術者がアリエテを探しており、アリエテがキャットウォークの下を覗き込み上にいることを伝えると、キャットウォークの階段を駆け上がる。


「お嬢大変だ! 街道で崩落事故が発生したみたいだ。今は、駐留軍が調査に向かったが、おそらく探索者にも応援依頼が来る可能性が高い、タンクオペレーターに出動依頼がありそうだ」

「わかった。全員召集してくれ」

「了解」


 アルトがニヤリと笑いアリエテに声をかける。


「アリエテ25式の実証実験が必要なんだよな」

「アルトお前まさか…… 」

「任せろって! 」


 アルトはアリエテの返答を待たずにキャノピーを閉じてしまう。


「このバカ! ミーナわたしの戦闘車に乗れ! 」

「うん! 」


 アリエテとミーナは、すぐさまアリエテの愛機へと搭乗する。街道崩落事故が新たな大きな転機となるのであった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。


前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/


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