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その頃応接室では
「それにしても驚いたな。ジェマのスキル『石好き』とはアミュレットが作れるとは。」
「あの子、あの石を翡翠だと呼んでいましたが、それもスキルで鑑定したそうですよ。」
「翡翠って綺麗な響きですよね。ジェダイトの別名ですよね。」
「ジェダイトって硬玉ですよね。あんな固い石も加工できるとは。それにつるつるに磨かれていましたね。」
「『石好き』って単に石が好きっていうだけだから、言い方は悪いが外れスキルだと思ってしまっていて、どうジェマを慰めようかと考えたりもしていた。」
「それがほんと、守護石を作ってしまうとは。」
「守護石になる石は少ないし、それの石を守護石として加工のできるものも少ない。今は王都に数人といったところか。」
「守護石は、病気になりにくい、怪我が治りやすい、商談がうまくいく、災難を避けるといった恩恵があるが、加工できるものが譲る相手を想って作らないとその効果が出ないと言われている。」
「そう、無理やり作らせたり、盗んだり奪ったりしても効果が発揮できないため、守護石が欲しいものは、長い予約リストに名前を載せ、職人に真摯に向き合うしか手に入れることはできない。その予約リストには、王族をはじめとして、上級貴族、聖職者、大商人、有名な冒険者が名を連ねていると聞く。」
「それを簡単に作ってしまえたのかジェマは。」
「はは・・・とんでもないな、あの子は。」
「ええ、本当。正直、綺麗な石を見つけて喜ぶぐらいだと思っていました。」
「ところが、蓋を開けてみたら、守護石のアミュレットを作ってしまったっていう話ですものね。それも、とんでもなく美しい加工のされた、勾玉という形。あのままでも売れそうなぐらい綺麗なものを。」
「昨日スキルを授与されて、今日ここまで使いこなせるとは、ジェマは天才じゃないですか。」
「ジェマが守護石を作れることは、しばらく黙っていよう。売らずにいる方がいいだろうな。きっと売れば王都に一軒屋敷が建つぞ。」
「お金は魅力的だけど、あの子の自由が無くなるのは親として認められないわ。ばれたらあの子はずっと守護石を作らされ続けるかもしれない。お金よりあの子の自由の方がずっと大事。」
「何かやらかすのではないかと思うと恐ろしいとも思いますが、『石好き』が何をもたらすのか楽しみでもありますね。」
「確かに、あの子が次、何をするのか少し怖いけど、楽しみではあるな。」
「あの子が好きなことを好きに進めるように、大人は見守ってあげましょう。」
大人4人はみんな目を合わせて頷いた。
今日飲むワインはどこか甘い気がした。ジェマに乾杯して大人たちはいい気分で酔えた夜だった。




