23
蚊取り線香は村でかなりの人気商品となったので、村の子どもはまたお小遣いをもらい、除中菊を採る仕事が入った。除虫菊は村で勝手に自生しているのだ。ひとところで取りつくさないようにと指示を守って頑張っているようだ。
蚊遣り豚も好評だ。こっちはお金を取っていない。村の福利厚生というのか、お爺様とお父様が、村のために領主としてこれは配布しようということになったのだ。
最初は煙が出るから火事と紛らわしくないかとか意見もあったけど、虫刺されが減ったので、効果ありと分かったとたん、受け入れられた。
お父様からわたしはお小遣いをいただいた。行商人が来た時に綺麗な紐やリボンを買っている。翡翠の勾玉のアミュレットも家族用と使用人用と作り終わって、ゴンゾさんやシナイさん、リーテおばちゃまなど知り合い用を順番に作って渡していっている。
お母様が言うには、害獣駆除の時、守護されているなと感じる時があるらしい。守護石が本当のお守りになっているのなら心強いので、せっせと作っている。
箱庭テラリウムのお代はリーテおばちゃまから頂いているけど、それで小さな蒸留器をゴンゾさんに作ってもらおうと思っている。
前から欲しかった精油を作りたい。
ゴンゾさんが、お父様の依頼でアルノーおじさんのところで大きなワイン用の蒸留器を作ることになって、四苦八苦して作り上げた後、鍋とかミルクパンとか、やかんとか銅が採れたことによる需要で忙しくされていたんだよね。わたしも卵焼き器をお願いしたし。
そろそろ小さな蒸留器を作ってもらえるかもしれない。
わたしが大きな蒸留器を見て仕組みが理解できれば、スキルで一気に作ってしまえるのかもしれないけど、そこはまだ7歳だからね。大人にお任せしよう。ゴンゾさんの仕事を減らさないようにお頼みしよう。
蚊取り線香とミントの精油でわたしは夏の虫をできるだけ避けたい。7歳のジェマはまったく平気なんだけどね。前世のわたしが毎日びくびくだ。
ミントの精油作りの時にはぎっちり生えているミントをぶちぶち採ってこよう。ミントは根こそぎ採ってもまた生えてきそうだけどね。
お父様にお願いして小型の蒸留器をゴンゾさんに頼んでもらった。小型なので数日で完成するらしい。やったー。
場所は1階の倉庫の隣の部屋の作業場をお借りすることにした。少しの広さがあって、主に洗濯したりする場所だ。
水も使えるし、濡れても大丈夫。天井もそこそこ高いから蒸留器を入れても大丈夫だろう。真ん中で洗濯をするから、隅っこに台を置いてもらうことにした。台は木製なので、わたしは作れないので、お父様が村の大工さんに頼んでくれた。
なんだか自分の虫嫌いのために申し訳ないけど、ジェマにはいつもいろいろ作ってもらっているから、これぐらい良いよと頭を撫でてもらった。お父様ありがとう。




