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次の日から少しずつ石畳を増やしていった。わたしのスキルは『石好き』だと村中の人が知っているから、なんの説明もいらない。『石好き』って外れじゃなくて、思ったより使えるスキルだったのね。そんな感じだ。
あんまり炎天下で作業をすると熱中症になるから、自分の部屋で石畳を加工して収納にいったん仕舞ってから村に行くようにしている。村の舗装されていない道をスキル『鉱物の加工』で平らにしてから作った白い石畳を敷いて、下の岩盤と『鉱物の加工』スキルで接着させてしまうのだ。ふふふ。これでズレることも外れることもない。石畳は1辺30センチ四方ぐらいなので、それを縦に10枚、横に4枚、全部で40枚を一日の仕事として、終わりにしている。
子どもらしくない計画的だというのか、まぁこれは前世の性格だ。仕方がない。きっちりしないと気持ち悪いんだもの。
7歳のジェマは家の前の石畳だけで満足してしまっている。村の石畳は前世のわたしの我儘だ。その我儘で、村の道は端から端まで石畳で覆ったりせず、両端は土のままだし、路地はそのままにしている。やっぱり村らしさは残していたいのだ。
全部を町のようにしてしまわなくてもいいっていう考えなんだけど、村の人にはしょせん子どものすることだから、完璧じゃなくても仕方ないわよねと思われていたようだ。
白い石畳は美しい。ほれぼれする。綺麗な宝石ももちろん美しいかもしれないけど、わたしはこの村の山の白い普通の石も美しいと思う。
わたしが敷いた石畳を村の子ども達がそのうえを飛んだり跳ねたりしているのを見ると、くすぐったい気落ちになる。大人からは、歩きやすくなったわ、荷馬車が動かしやすくなったと褒めていただく。最初に敷いた玄関の石畳の隙間から雑草が元気に生えてきているのを見て、こういうところが村らしくていいなと思う。
手を抜いたのはなく、少し田舎風にアレンジしたのだが、その計画的に配置された微妙なずれのおかげで子どもらしい仕事ぶりだと認識されている。
このおかげで誰もわたしを不審がらない。石畳を敷いて遊んでいるのだと思われている。
愛されたことがない前世のわたしは、何をしても愛される環境に戸惑いも多いけど、7歳のジェマの猪突猛進じゃない部分が今回喜んでもらえて、やっとこの村の一員になれたような気がした。




