15
次の日から箱庭テラリウム用の水晶の器をいくつか作り、キットになるように黒曜石も小さくカッコよく加工する。苔と小さなシダは枯れると困るからぎりぎりまで取りに行かなくていいかなと思っていたら、お婆様が苔と小さなシダは村の手の空いた子どもたちにお小遣いを渡して採ってきてもらうことにすると言う。
それはそれで良いかも。一か所で採りすぎないように森に行く時は大人も一緒にとだけ注意しておこう。
翡翠と黒曜石の香炉は3つ作ってお爺様にお渡しした。乾燥した木であれば、良い香りがするものが他にもあるとお伝えしたところ、森に入って探してくるとおっしゃっていた。ハンスが活躍するだろう。
真鍮と蛍石の装飾品は、アンティーク風に作ってみた。前世で見たことがある素敵雑貨屋さんで売っていたようなものをヒントにしてみたところ、お婆様に絶賛された。
真鍮の枠がとても素敵だし、蛍石の半透明で色がたなびくように変化していく様が美しいと褒めていただいた。蛍石は緑、紫、青、ピンク、白と縞々に色が変化して、同じものが2つと作ることはできない。すべて一点物になるところが、素晴らしいとお婆様はそこも褒めてくださる。
ブローチや髪飾りを3個ずつぐらい作り、お婆様にすべてお預けした。わたしは自分用にビーズを作って、ブレスレットにしてみた。きらきらしていて、身に付けたら少しひんやりするのが好きだ。
腕につけて、お日様に透かして輝いているところを見るのも好きだ。もちろん、完成してから硬化させておいた。脆い蛍石もこれで安心。
ついでに、水晶をスワロフスキー風に煌びやかなカットして、髪飾りを作ってみたところ、お婆様に、このカットは凄い。これは宝石ではないか。と興奮された。ただの水晶を煌めくようにカットしただけですって。
お婆様はぶつぶつ王宮に献上した方が良いのではないかとかおっしゃっておられたけど、スワロフスキーは前世でも高級品だったものね。キラキラしてとっても綺麗。
キラキラといえば、サンキャッチャーも好きだったんだよね。太陽の光を浴びて部屋の中にきらきらの光が落ちていくところなんか、癒されたわ。
作ってみようか。
水晶と蛍石をスワロフスキー風にカットし、サンキャッチャーを作って、子ども部屋に持っていったら、ティオもネオも大喜びだった。
「姉さま!光が、きらきらしていて、部屋の中を動いていきます!」
「ねえたま、きれい!!」
ネオは光が部屋の中を動くと捕まえにいこうと、とてとてと追いかけていく。ああ可愛い。
「お嬢様、これは綺麗ですね。」
フィーナも目を輝かせている。田舎の男爵領にキラキラした物って少ないものね。こんなので喜んでもらえるのなら、たくさん作ろうか。
水晶をスワロフスキー風に動物を作っても良いだろうか。前世といえども、あんまり真似をするのは心が少し痛む。髪飾りやサンキャッチャーぐらいにとどめておこう。
子ども部屋のサンキャッチャーはすぐに他の家族にばれてしまって、いくつか追加で作ることになってしまった。お爺様とお婆様の部屋にもお父様とお母様の部屋にもきらきらと揺れることになった。




