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翡翠の勾玉のアミュレットを使用人の分まで作ったりして過ごしていると、お爺様が帰宅された。王宮の役人が2人ご一緒だ。
ガタイのいいにこにこしているおじさんと背の高いひょろっとした若い方だ。どちらも王宮の人らしくあか抜けた服を着ていて、おじさんではなくおじ様とお坊ちゃまといった感じで田舎の人とはちょっと違う。
「こちらがオズワルト・ヴェルナー様で、こちらの若い方がエドリック・アシュクロフト様だ。」
「初めまして、王宮鉱山部長のオズワルト・ヴェルナーと申します。この度は、銅鉱脈と水晶鉱床発見の報告を受け、陛下より実物の確認を依頼され参った次第です。」
オズワルト様がガタイの良さとは反対に柔らかに微笑みながら挨拶をされる。意外。はちみつ色の輝く髪は短髪で茶色と緑の混じった優し気な瞳がひとなつっこいイメージだ。
「鉱山部監査官のエドリック・アシュクロフトです。」
エドリック様もひょろっとしているけど、低くて結構いいお声だ。こっちも意外。エドリック様は淡い金髪に淡い水色の目に抜けるような白い肌で、ひょろっとしているから消えそうな儚さだ。淡い金髪は日に透けると白くも見え、長め髪は後ろで括られているようだ。身長はエドリック様の方が高い。といってもオズワルト様が低いわけではない。エドリック様が高すぎるのだ。お爺様ぐらいの身長はありそうだ。お爺様は体を鍛えられているから幅もおありなので、エドリック様はお爺様の半分ぐらいにしか見えない。その細さで大丈夫なんだろうか。
お爺様が家族を順番に紹介していく。
「こちらが妻のマルグリット、息子のマルクスウェル、その妻のクラウディア、孫のジェミナール、ティオドールとネオドリックでございます。」
王宮の役人っていうことは、お貴族様の三男四男辺りが多いと聞く。丁寧に挨拶せねば。ここは、カーテシーだ。お婆様の目が『良し!』と言っている。ふぅ、上手く挨拶できたかも。
それにしてもわたしの本名ジェミナールなんだ。皆がジェマって呼ぶからそれが本名だっと思っていた。愛称だったんだ。7歳のジェマの記憶に自分の本名が無かったのがちょっと笑える。あ、でも自分の名前オットーに教わったんじゃないの?あ。記憶を探ると、ジェマって書けるようになっただけなんだ・・・。ジェミナールって書けるようにならないとね。
「お2人は、今日はこのままうちで休んでいただき、明日、廃坑の銅鉱脈と水晶鉱床の洞窟を確認してもらうことになった。」
王都から片道5日かかるから、お疲れだろう。長時間馬車に乗るとおしりが痛いとも聞く。ごゆっくりしていただきたい。
夕食に鹿肉のベリーソースがけを出そうということで、ベリーを摘みにいった。その際、わたしのスキルはまだ言わない方が良いということで、水晶の洞窟の入り口の岩盤はわたしがそのまま収納し、綺麗に切り取った入り口を、自然と崩れて落ちて穴が開いてしまった風にちょっと細工した。
一緒に着いてきたリッシャが『嬢ちゃん。上出来ですっ!』と、褒めてくれたのでヨシ!である。
夕食時お客様がいらっしゃるから、わたしとティオとネオは子ども部屋で食べることになった。お話はあとで教えてもらおう。久しぶりにフィーナの補助のもと3人でご飯を食べる。鹿肉のベリーソース掛けは前より美味しくなっている。野菜スープもハーブが効いて味に深みがでている。マルタは凄いね。ティオもネオも美味しいね。美味しいねと2人で頷きながら食べている。2人が美味しいって思ってくれるなら、ベリーソース作ってもらって良かった。ハーブ探してきて良かった。お姉ちゃん嬉しい!もっと美味しくなるものを見つけたいね。
そんなこと考えながら3人とも完食!2人におやすみのキスをして、食後お客様のことが気になったので、応接室に顔を出すと、少しワインを飲みながらゆっくりされていた、お爺様が手招きしてくれた。
お爺様にお話しを聞くと、食事は美味しいと言っていただけて和やかに終わったそうだ。
今回は、廃坑の復活と新たな水晶洞窟の発見ということで、現場視察になったということだ。他の領地でも役立つ情報が仕入れられればと思われたのではないか。ということらしい。廃坑が復活するのであれば確かに他の領地に役立つよね。
水晶は、探索のスキルが使える人なら見つけられるかもしれないね。山師を仕事にしている方は使えると聞いたことがある。水晶は金属ではないからまた違うのだろうか。
よくわからない。明日とりあえず王宮の役人さんの視察が終ったら、また水晶を少しもらおう。リーテおばちゃまからのご依頼があるからね。また、王宮の方が帰ったら少し水晶が欲しいとお願いして今日は寝ることにした。お爺様がおやすみのキスをしてくれた。前世思い出して初めてのお爺様からのおやすみのキスに頬が少し熱くなった。じんわり温かくなる胸を抱いて幸せな夢をみた。




