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21 狩りの穴場の常連さん。

途中から視点が何度か変わります。

残虐な描写ありご注意下さい。

 中庭街から少し離れた湖で僕はタンポポちゃんに見守られながら、狩りというなの釣りをする。


 僕は普通の釣りを生きていた時にしたことはなかった。

 住んでいた場所が都会ではないので池や用水路にザリガニがいて子供が簡易に作った棒とひもの釣りをする。そんなお遊び的なものしかしたことがない。だからきっとビキナーズラックなのだと思う。先程から釣竿をふってはあげる動作が作業化していた。

 バケツの中には魂石が山盛りになり、そのたまった石をタンポポちゃんが湖に放り投げて捨てる。


 あれからまた、596ポイントも魂ポイントが増えた。


 気のせいだろうか?となりの釣り客、スーツ姿の糸目の男は先程からから1匹も釣れていないような気がする。


 僕が釣るとチラチラこちらを見ては悔しそうに唇を噛んでいた。


 それが突然変わったのは、彼が何かを決断するように軽く頷きワイシャツの袖をめくりあげ、気合いを入れて竿を振り上げた時からだった。


 今まで釣れていた僕の竿は動きが鈍くなり、それとは逆に糸目の釣り客の竿に魂獣(さかな)が間をおかずにかかり始めた。糸目の男は開いているかわからない目でニコニコと上機嫌にしている。


 僕は自分の釣り竿に魂獣がかからなくなったが正直、隣の釣り客に獲物がかかりほっとしていた。


 気まずい空気は一新される。


 「タンポポちゃんは魂の記憶スキル、取得しているんだよね?」


 「ホウロウ、沢山くれた、魂の記憶スキルとった」


 「うん、そうだよね。折角、魂ポイントが手元にあるんだから僕もこれを機に取ろうかな、レイブンも必要だって言っていたし」


 僕は頭で魂の記憶スキルを念じる。

 必要ポイントが500ポイントとかなり消費する、勿体ないけど必要なスキルだと思い取得を選択する。

 僕のステータスは下のとおり、名前の所が何故か増えている。タンポポちゃんがホウロウと毎回呼ぶので、もしかしたら魂に定着したのかもしれない。


名前 ボーク・ホウロウ(new!)

職業 なし

種族 死の精霊

魂pt 570pt

スキル 念話 超視力 ステータス 小さな幸せ 

    魂の記憶スキル(new!)

称号 優柔不断な頑固者



 僕は新しいスキルを取得して浮かれていた。


 隣の釣り客にも気をとられすぎていた。その気の緩みが周囲の警戒を怠ることになり、それは中庭の樹海では命取りになる。



 ビューン!

 ガブッ!!


 痛い痛い痛い!!


 僕の体は何者かによって湖の上空に運ばれていた。手からは釣竿は落ち視界の下には驚いた顔のタンポポちゃんが見えた。


 僕の右腕は肘までそれに食われていた。それによって僕の体は空中にぶら下がっている状態。


 見上げると近くに獰猛な虎の顔があった。


 竜の羽を持つ巨大な虎。その口には僕の腕がすっぽりくわえられている。傷口から血がドバドハ垂れ強烈な痛みがはしる。


 死んでいるのに痛みや血がでるんだな…と、ぼんやりする頭で僕は思った。



※※※※※※※※



 困りましたね。


 私は無限回廊のとある扉の管理人。


 久しぶりの休日に安らぎの泉がある穴場の湖に来てみれば、先客がいて楽しそうに釣りをしているんです。様子を見るに間に合わせの道具で釣りをする感じなので、初心者がきているのだと見守る気持ちで会釈をすれば相手も返し、なかなか気持ちの良い方では?と思い静かに釣りを始める。


 私が中々釣れないのに相手はビギナーズラックなのか?入れ食い状態で、これでは釣り歴だったら誰にも負けない私のプライドがこのままでは傷つけられてしまう。


 そう、私、白状します。


 大人げなく50ポイントで釣りスキルを先ほどとりました。


 それからは流石、釣りスキル。

 私の竿に次々と魂獣達がかかります。お隣さんの竿は静かになり、私がスキルを取ったせいもあるかもしれません。


 少し気まずい気分になりながら遠慮がちにチラチラとお隣さんを見ると、竜羽(りゅうば)の虎にお隣さんは襲われていて湖の上に連れ去られているではありませんか。


 ああ、短い間でも同じ湖で釣りをした仲間。どこかで同じ釜の飯を食った仲間とかいう言葉を聞いたことがあります。


 これも何かの縁です。

 お隣さんを助けます。


 お隣さんの連れが浮遊し触手を伸ばしていますが…あの獣人は攻めるより守るのに力を発揮するタイプとみました。

 浮遊速度も早くない、あの竜羽の虎には追い付けないでしょう。


 私は右腕に力を込める。


 手が少し大きくなり人の手から鋭い爪を備えたものに変化する。私、純粋な吸血鬼ではないですけど多少の力は使えます。


 変化した右腕を湖上の獲物めがけ振り抜く。


 ぶふぁぁーーーーシュッ!!


 空気を切るような斬撃が敵に当たる。


 竜羽の虎のちょうど翼にそれが当たり痛みで虎が歯を食いしばる。



※※※※※※※※



 ブチッ!


 鈍い嫌な音が僕の腕の方からする。


 僕の右腕は完全に肘から下がなくなっていた。

 そして支えを失くし空中に放り出された体は湖へ落ちる。


 それに続くようにバランスを崩した竜羽の虎も僕と同じように湖に落ちる。


 ドボンッ!  ドボーン!!



 そして僕は冷たい湖に沈んで意識を失った。


 

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