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17 街中を観察。

 中庭街のお洒落な赤レンガが敷き詰められた道を魂人が行き交う中、僕はまだ同じ場所にいた。


 さすがに道の真ん中にいると邪魔になるので少し端により周囲を観察する。


 色んなタイプの人型の魂がいる。獣人系は顔全体が獣のものから半分のもの又は耳だけ獣のものと千差万別だ。それ以外は耳が尖ったエルフ、体格が良く横にデカイ魂人はドワーフだろうか?あと、体の部分に鱗や角が生えているものも多い。


 たまに、ビックリするような見ための怖そうな個体も紛れているがあまり目を合わせないようにする。


 僕のような人間のような姿の魂人はあまりいない。いたと思ってよく見ると口から牙が覗いていたり、鉄のような鋭い爪が生えていたりと人ならざるものだった。

 長命種族が魂に刻まれやすいため短命の人間は無限回廊では珍しいとレイブンが言っていた。


 いたら、ヤバイやつだと思って警戒した方がいいんだったっけ?確か…怪しい実験で他者の命を刈り取り不老を手に入れたものとか、禁断の魔法に手を染めて人間をやめた魔法使いとかだったかな。


 その流れでいくと僕ってヤバイやつに見えるのかな。何故なら通行人がたまに僕を見てギョッとした顔をする。その後、慌てて逃げるようにいなくなる。


 何故だろう…こんなに平凡で大人しそうな僕なのに。


 僕は街にエルフが多い事からポンチョのフードをかぶることにする。耳が隠れればエルフに見えるかもしれないから。


 長い前髪とフードで少し視界は狭いが僕には超視力のスキルがある。遠くの店の看板も余裕で見えるし、ゆっくり歩けば問題ないだろう。


 僕は周辺の店の看板に目を通す。

 門から入って20mぐらいの近い場所に気になる看板を見つけた。


 {職業紹介所}


 地図を買うことはできなかった、でも何とかなりそうかも、僕は足早にそこに向かった。


 入口の扉はウエスタンドアになっていて手で押すと軽くすんなり中に入れた。


 中は思ったより広く明るい、奥にカウンターがあり手前の壁際には椅子とテーブルが幾つか並んでいた。客らしき人は僕を入れて5人ぐらいだろうか?テーブルで何か資料に目を通すものや紙にペンで何かを書いているものもいる。


 カウンターには二人ほど人がいて受付業務をしていた。銀髪ダークエルフと白い猫っぽい耳の生えた獣人。

 どちらのカウンターへ並ぼうか少し悩む、両方人が一人づつ並び話をしている銀髪ダークエルフは僕のイメージする森に住んでいるエルフとは違う雰囲気で服装があか抜けているし、猫耳獣人は…。


 目つきが少し怖い。


 うわっ、猫耳獣人さんと目が何故が合う。そしてそのタイミングで前の客がはけた。


 「次のひと、どーぞ」


 「はいっ」


 僕は自然な流れで受付の猫耳獣人さんの前に立った。


 「ここは、はじめてのひと?」


 「はい、そうです」


 「ふーん。エルフにしては少し背が低いけど、まーいいわ。この書類の書けるところだけ書いて持ってきて、あそこのテーブルを使うといいわ」


 紙を受け取りテーブルに行き、それの内容を確認する。上から書けそうな所だけ書く。


 名前 ボーク

 下の当てはまるものに○をつけてください。

 怪力スキルを持っている。

 はい・いいえ

 植物育成関係のスキルを持っている。

 はい・いいえ

※もっていたら具体的に書いてください

(                  )

 あなたは鬼人族ですか?

 はい・いいえ

 

 その後、いくつもある項目の全部にいいえと○をする。これって名前しか記載しないのと変わらなくない?僕は不安になりながらも紙を受付の猫耳獣人さんに渡す。


 「なるほど、職に必要なスキルを保持してないようね。紹介できる職は残念ながらないわ」


 「そうですか…」


 多分、そうだろうなとは思っていた。この後どうしようか、街の外で狩りなんて絶対にできない。今までレイブンがいたから問題があってもランクアップしてここまでこれた。結局、僕ひとりでは何も進まないのかな、考えれば考えるほど気持ちは沈んでいく。

 

 「あなた、魂ポイントを消費して職に役立つスキルでも取ればいいんじゃない」


 あまりの僕の落ち込みように猫耳獣人さんは最初のイメージとは違い優しい言葉をかけてくれた。


 「そこで、今なら貸し出し用の職業と必須スキルの取得ポイント一覧の本があるのよ。持ち出し禁止で時間制限なし貸し出し料金は1魂P(こんぴー)どうする?」


 あれ、優しさはどこへ?淡々とオススメされました。


 「か、借ります」


 僕はそう答えるしかなかった。


 そして僕の手持ちの魂ポイントが本代として1pt減り残り192pt。101pt以下になるとランクダウンするからギリギリ使えるポイントは91pt。

 明日、地図を買うかもしれないことを考えると、取得できるスキルあるかな…。


 テーブルの有るところへ行き椅子に座り僕は本の紙をめくる。募集している職種と必須スキルの名前、必要なポイントに目を通す。


 本の内容で最初に目に止まったのは壱の門、門番がいた無限回廊の入口の門、あれの門番についての情報だった。

 門番は鬼人族つまり鬼でないものに資格がなく、他の種族は門が受け付けないらしい。()()受け付けないとは…どういうことなのか?


 詳しく読んでみる。

 門の内扉の横にプレートがあり、そこに名前を書く場所がある。鬼人族のみ記入ができて、それ以外の種族は、どうしても書けないらしい。名前が記載されている間は門番当番になり魂ポイントが自動で仕事後に増える。当番が終わるとプレートから名前が消える。また、常時募集なので詳しくは現地でプレートに書いてある注意事項をお読みくださいと書いてあった。


 なるほど興味深いけど、これって僕には関係がないね。


 僕は本を読み進める。

 怪力スキルを取得している人向けの仕事が書いてある。なになに…中庭街の中央の塔で鐘を鳴らす簡単なお仕事です。巨大砂時計で時間を確認して時を知らせるために鐘を力いっぱいならしましょう。怪力スキルなしでは鐘が動かないし砂時計をひっくり返せないので必ず取得してください。


 力仕事みたいだけど単純作業だから僕でもスキルをとれば…必要ポイントは?100ptかぁ~足りない。

 これ、どれも最低でも100pt必要だよね無理だわ。


 はぁぁ~、これからどうしよう。


 ひとつだけ料理スキルってのが50ptで取得できるらしいけど募集は基本ないので現地で直接交渉してくださいだってさ。

 これをとって何処かで雇ってもらうしかないのかな…。


 僕が本を読み続けていると鐘の音が聞こえてくる。


 ゴーーーン、ゴーーーン、ゴーーーン。


 3回なったから夜の時間だ。この鐘の音もスキル持ちの人が鳴らしていると思うと微妙な気持ちになる。

  3の鐘がなると受付カウンターでバタバタ音がする。見ると板が置かれていた。

 

 {1の鐘まで休憩に入ります}


 僕は次に1の鐘が鳴ったら地図を買いに行こうと思った。


 


 

 

 






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