第273話 まあ、かっこいいかな……
そのまましばらく待っていると、AIちゃんと共にナタリア、リリー、イルヴァ、ロザリアが戻ってきた。
「いやー、良い部屋だったね」
イルヴァは嬉しそうだ。
「そうですね。ベッドもありましたし、万々歳です」
ロザリアも嬉しそうだ。
「良かったな。まあ、座れよ」
ナタリアとリリー、AIちゃんは早々にいつもの場所に座っている。
「どこに……あ、そこか」
「アニーさんがベッドに移動してますね。なんかあれですけど……」
やっぱりそう思うらしい。
イルヴァに至ってはちょっと頬が赤い。
「私のことはいいから座りなさいよ。せっかく定位置を譲ったんだから」
アニーがそう言うと、イルヴァとロザリアは顔を見合せながらも座り込み、コタツの中に入る。
「なるほど。暖房器具だ。暖かい……」
「このまま寝ちゃいそうですね」
お前の姉はそこで寝てたぞ。
「しかし、この部屋は他の部屋より広いな」
そうなの?
「あ、ここは正確に言うと、客間なの。ユウマがここから動かないだけ」
ナタリアが説明する。
「そういえば、男性は2階って言ってたな……なんでここにいるんだ?」
「そりゃ声が……」
ロザリアがイルヴァに耳打ちをすると、イルヴァの頬が染まった。
「いや、俺は転生者なんだが、前世は建物がほぼ平屋だったんだ。だから上で寝るというのが落ち着かないんだ」
「あ、そうなんだ……」
「へー、転生者だったんですね。さすがはフォルカーを倒すだけはあります」
そのフォルカーも転生者だけどな。
「まあな。それでお前らはこれからどうしたい?」
「うん……とりあえずは君に従うよ。どうも私達ではどうしようもないことがわかった。だからまずは勉強かな?」
「私もそれでお願いします」
まあ、学んでいけばいいか。
その後のことはその時に決めるだろう。
「ナタリア、今後はどうする? すでにアクサ共和国の王都に着いているが……」
「ちょっと明日はやめた方がいいかも……ほら、2人も準備がいるだろうし、町の案内もある」
そういやそうだな。
俺も色々と買ったわ。
「頼めるか?」
「うん。私とリリーが案内するよ」
「ナタリアさん、後でギルドにも寄ってちょうだい」
パメラがナタリアに言う。
「あ、それもそうだね。2人共、それでいい?」
ナタリアがイルヴァとロザリアに確認する。
「それで」
「何から何までお世話になります」
2人が軽く頭を下げた。
「じゃあ、明日はそんな感じで王都は明後日でいいか?」
「うん。良いと思う」
ナタリアが頷く。
「イルヴァ、ロザリア、王都の案内を頼みたいんだが、どうだ?」
「任せておいて」
イルヴァが頷いた。
「シーラさんとフェシリアさんに会います?」
ロザリアがイルヴァに聞く。
「うーん……もうちょっと時間を空けたいかな?」
感動的な別れからまだ数日だからか。
「では、ギルドに行く感じですかね?」
「それで良いだろ。町の案内も問題ない」
「アクサの王都はあんなボッタクリの店もないですしね」
だからイルヴァは警戒心がないのか。
「うむ。ユウマ、その辺りは任せてくれ」
「じゃあ、頼むわ」
俺達は予定を決めると、ワインを飲んでいき、歓迎会に近いことをして就寝した。
翌日、この日はナタリア達がAIちゃんと共に朝から出ていったし、パメラもリアーヌも仕事に行ったため、俺とアニーとアリスしかいない。
「お前らは出かけないのか?」
「…………出かけたらユウマが1人になっちゃうでしょ」
「寂しいでしょ」
生首共が何か言っているし……
「暇だし、狩りでも行かないか?」
「昨日、行った」
「…………リリーがいないと厳しい気がする」
まあなー……
「昼飯はどうするんだ?」
「アリス」
「…………アニーが」
2人共、嫌らしい。
「じゃあ、俺がやってやろう」
「「ダメ」」
「おにぎりくらい作れるぞ。あと卵焼き」
卵焼きは好きなんだ。
「「ダメ」」
じゃあ、作れよ。
「どうするんだよ。夕方まで誰も帰ってこないぞ」
「…………よし、釣りに行こう」
なるほど。
釣った魚を焼けばその場で食べられる。
しかも、楽しい。
「えー……またぁ?」
アニーは不満っぽい。
「…………アニーは留守番でいいよ」
「行くわよ」
行くんだ……
「…………寂しがり屋め」
「そんなんじゃないから」
「…………じゃあ、行こうか。ちょっと待って。準備するから」
アリスは起き上がると、部屋から出ていった。
すると、アニーも起き上がり、扉の方に行く。
そして、顔を外に出した。
「狛ちゃーん。海に散歩をしに行くわよー」
アニーが狛ちゃんを呼ぶ。
『AIちゃん、リアーヌを呼んでくれないか? 海に行ってくる』
『はいはーい。蜂さん、ゴー』
それだと刺せって聞こえるな。
まあ、蜂さんはそんなことしないか。
「よーしよし。あんたは可愛いわねー」
アニーが尻尾を振っている狛ちゃんを可愛がっている。
「可愛くないのは誰だー?」
「あんた」
まあ、可愛さはいらんし、可愛いと言われたことなんてないが。
『アニーさんはかっこいいって言ってるんですよー』
はいはい。
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