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よろず屋 大宇宙堂  作者: ヨネ@精霊王
六章 守の秘密!?
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67 ドーピング


 まさか、命と引き換えにおっぱいを揉んでしまっていたとは、お釈迦様でも気が付かねぇ……。等価交換という言葉が存在するが、俺の命はおっぱい約二十揉みと等価ということになってしまう。

 もしタイムマシンが存在するならば、おっぱいを揉む前の俺に一言苦言を呈しておきたい! と思ってみたものの、きっとこの誘惑には勝つことは出来ないだろう。男という生き物は悲しいくらいにおっぱいに弱いものなのだ。ステータスに、弱点『おっぱい』と書き込んでおいていいくらいだ。


「うふふふふっ、まず何から始めようかしら……」


 赤炎せきえんさんは、最高級フランス料理を前に舌舐めずりをするような表情をしながら、持ってきていたバックの喜々として中身を漁りだしていた。その中身は、何本もの注射器と、無数の薬品が乱雑に詰め込まれてあった。

 俺はと言えば、何とかしてこの場から逃げられないかと思考を巡らせていたのだが、もし逃げられたとしてもこの小学生の姿のままではどうにもならないだろう。問題の解決はココから逃げることではなく、元の姿に戻ることなのだ。どこぞの小学生になった名探偵のように、サポートしてくれる博士もいなければ、頼りになる蘭姉○ゃんもいやしないのだから。

 

「まずはこれね」


 苦悩する俺のことなどお構いなく、赤炎さんはうっとりとした表情で一本の注射器を手にしていた。注射器の中の薬品は見たこともないおどろおどろしい色合いをしており、素人目にもまともな代物とは思えなかった。

 それを見た瞬間、俺は決断した。


『よし、逃げよう。死ぬよりは小学生として生きるほうがきっとマシだ。むしろ、俺がロリコン趣味に目覚めたとしたならばパラダイスになれる可能性もある!!』


 強引にポジティブシンキングに持ち込むと、俺は服が脱げることなどお構いなしにこの場をエスケープすること決意した。した……のだが、次の赤炎さんのとった予想外の行動に俺の足は止まる。

 なんと……


「これをこうして……」


 赤炎さんは事もあろうに、その注射器を自分の腕へと注射したのだ。

 注射針が腕の中に刺さった刹那、『あっ……』と吐息混じりの熱い声が漏れた。正直エロかった。しかしエロいのはそこまでだった。


「きたわ、効いてきたわァァァァァ」


 俺は見た。赤炎さんの眼球が血走しりありえないスピードでぐるぐると回りだすのを……。瞳孔は完全に開きっぱなし、口からは『ハァハァ』と荒々しい呼吸音が漏れ続け、更には涎も数滴垂れてきてしまっている。初対面で感じた知的なメガネ美人の印象はもはや何処にもなく、そこには狂気のマッドサイエンティストがいるだけだった。


「あぁ、回る回りだすわー。脳のシナプスが活性化していくわぁ」


 どうやらあの注射器内の薬はドーピング薬のたぐいらしい。それも肉体ではなく脳に対するドーピング。そしてこの状況のヤバさも加速度を上げて悪化していることがわかる。

 しかし、俺は逃げるタイミングを完全に逸してしまい、どうすることも出来ずにいた。小学生の体力で、赤炎さんから強引に逃げることが出来るだろうか? いや、それどころか今の赤炎さんの眼球の動きならば、宙を舞う蝿ですら捕まえてしまいそうだ。


『通常の方法ではどうにもならない。だが、異常な方法ならば……』


 目には目を歯には歯を。異常な相手には異常な方法を!

 兎に角、相手の虚をつかなければならない。それも超反射神経と頭脳にドーピングされた相手の!

 そこで俺が取った方法はこうである。

 

「キャストオフ!」


 俺はどこぞの仮面ラ○ダーのような掛け声と共に、一気に……服を脱ぎ捨てたのだ! こうすることにより軽量化を図る。

 続いて……


「おちんちんあたーっく!」


 ジャンプ一閃、俺は自分のおちんちんを赤炎さんの眼前に持っていき相手の視覚を奪った。

 この常軌を逸脱した行動ならば、相手の思考も乱れるに違いない。と、思った俺が馬鹿だった。


「な、なんだと……」


 赤炎さんは、俺の、俺の……俺のおちんちんをまるで小蝿でも払うかのように右手で払い除けたのだ。さらには、俺の首根っこを捕まえそのまま押し倒してきた。そう、全裸の俺はマウント状態にされたのだ。

 正直かなり興奮した。眼の前には正気を失った目をしているとは言え、息遣いの荒い眼鏡美人。そして俺は全裸。興奮しないわけがない。もうこのまま死んでもいいじゃないかとすら一瞬思えてしまう。

 だが、ここで更に予想もしないことが起こった。


 ドクンドクン


 地獄のドラムが鳴り響く。


「うっ、し、心臓が……心臓が飛び出そうだ!」


 俺は胸を抑えた。これは性的興奮によるものではない。そう、俺の身体が小学生になった時と同じあの感覚がまた俺の身体を襲いだしたのだ。



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