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大乱世モノノフサバイバー~怪我で夢を絶たれた元・天才剣士は電脳の乱世で2度目の夢を見る~  作者: ミヤムラ
第1章:再起する剣士

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推し活心得其の一、推しを知るべし

「……今のままだと、かなり厳しいと思います」



荊棘黃童子は強い。行動パターンはある程度規則性がありそうだが、それよりも純粋にステータス差を感じた。一撃一撃が重く、まともに打ち合っても削れるのはプレイヤーだけだろう。


ただ、足利照々を主力にすれば戦える……とは思う。あくまで戦えるだけで、勝てるかどうかはまた別の話。さっきの戦闘では荊棘黃童子しかいなかったが、次の戦闘では荊棘黃童子よりも強いと思われる朱天童子も加わる。とてもじゃないが楽観視なんて出来そうにない。



「正直でよろしい。蔵景ちゃんは?」


「集中して叩けるなら、可能性はある。どんな強者でも、多対一で捌ける攻撃の数には限度があるから」



淡々と蔵景は事実を述べる。出来る事の再確認だ。確かに、四方八方から叩けば可能性はあるかもしれない。



「うんうん、なるほどね。一応、外から見てたカルムちゃんの意見も聞いておこうか、どう思う?」


「あ、ハイ。勝てなくはない、と思います。トミナ君はまだ不慣れだなって感じでしたけど、琥二郎さんや蔵景ちゃん、照ちゃんは普通に反応出来てましたし。特に照ちゃんは【三日月宗近】も使ってなかったので、まだ全然本気出してないのかなって。だから照ちゃんを主体に攻めればいけると思います。私、荊棘黃童子と朱天童子に関しては詳しくですね!さっきの――」


「ちょちょちょ、ごめんストップ!」


「戦闘で――、はい?」



カルムの口から決壊したダムの如く放出された言葉の濁流に、琥二郎は待ったをかける。



「いやぁ、ビックリしちゃった。何か熱心にスクショを撮ってるのはちらっと見えたけど、まさかそんな真剣に見てたなんて」


「だってこんなゆっくりスクショを撮れるのなんて初めてだったので!あ、ご覧になりますか!?遠目なんで解像度はそこまで高くないんですけど、攻撃モーションとかバッチリ撮れてますよ!?」



カルムは札のようなアイテムを取り出して何やら手を動かすと、札の中心の文字から荊棘黃童子が映った画像が大量にとびだして宙に浮かび上がった。



「ほー、こりゃすごい」



ああ、そうか。先輩は朱天童子と荊棘黃童子のスクショが撮りたいという動機があるのだ。その二体の情報を、知り尽くしていてもおかしくない。



「荊棘黃童子はですね!非常に好戦的で荒々しい性格のキャラなんです!でも自分の邪魔をしなければ見逃す優しさもあってそのギャップがまたいいんです!!それで――あ、コレ!見て下さいコレ!ここ!荊棘黃童子は攻撃する時、高確率で振りの大きい横薙ぎから入るので、ここを躱せるかが大事かなぁと!」


「ははぁ、こりゃ助かるねぇ。十分すぎる情報だ。朱天童子に関しても、お願い出来るかい?」


「はい!朱天童子は冷静沈着、泰然自若でクールなキャラです。攻撃は徒手で武器は一切使わない主義みたいで、近づけば高圧カッターみたいな鋭い手刀でこう、スパーっと斬られるので、無理に接近しすぎると終わりですね!ただこっちから攻撃を仕掛けなければ、積極的には攻めてこないので、うまいこと距離を取りつつ、といいますか」



不足していた情報というピースが埋まる。話をまとめると、朱天童子と荊棘黃童子はコンビで登場するが、それぞれソロで行動して近接主体で戦うそうだ。


どちらもリジェネ効果をもっているが、月が雲に隠れている間はその効果が無効になるとのこと。倒すとなると、まずこれをどうにかしないといけないな。

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