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大乱世モノノフサバイバー  作者: ミヤムラ
第1章:再起する剣士
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お主、何者?

「騒ぎに釣られて顔を出してみたら、随分とまぁ賑わってるねぇ」



声の主は琥二郎であった。人混みを割いて現れた更なる上位ランカーの登場。ギャラリーの視線は琥二郎へと注がれる。



「琥二郎さんまで出てきた!?」


「なんなんだ今日は!?」


「ん?おお、トミナ少年。ナニコレ?どういう状況?」



俺の存在に気づいた琥二郎が歩み寄ってきた。近づく琥二郎を見た周囲のプレイヤーは、ザワザワと騒ぎ立てる。



「えっと、色々あって蔵景と足利照々が戦う展開になりまして。二人の邪魔をしそうになったプレイヤーを俺が叩き斬った所です」


「お、おお、そうかい。まあ色々聞きたい所だけど、うーん、とりあえずトミナ少年と蔵景ちゃんがまた一緒にいるってことは、待ち人は彼女だったのかい?」


「いや、別の知り合いと待ち合わせだったんですけど、一緒に合流する知り合いの知り合いが蔵景でして」


「ふぅん?共通の知人を通じて集合……ワケありかな。まあ人生、生きていればそういう日もあるさ」



ワハハッ、と朗らかに笑う琥二郎。親しそうに会話をする俺達を見て、周囲のプレイヤーの喧騒はざわめきを増していく。



「あいつ、何者なんだ?」


「琥二郎さんと親しげに会話してるし、刀は【同田貫正国】所持とか謎しかねぇ」


「顔はデフォルトだし衣装も初期装備だから新人か?」


「いや新人が【同田貫正国】握ってるのおかしいだろ」



あまり好意的ではない視線が四方八方から突き刺さった。警戒心全開の眼差しに萎縮しそうになる。



「いやぁ針の筵だねぇ。ま、その手に【同田貫正国】を持ってたらそうなるか。蔵景ちゃんから貰ったのかい?」


「貰った、というか手合わせして勝ったので譲り受けたというか」


「ほぉ?――やるじゃないか!トミナ少年は蔵景ちゃん相手に勝って刀を手にしたのか!!」



わざとらしく大声をあげる琥二郎。それを聞いたギャラリーに再び動揺が走る。



「蔵景ちゃんに勝った……?あの新人が?」


「だから【同田貫正国】を所有してるのか。それならおかしくはないが……」



周囲から注がれる視線から鋭さが減る。琥二郎は片目でウインクを飛ばしてきた。オジサンのウインクはちょっとどうかと思うが、どうやら気を利かせてくれたらしい。



「ちょっと琥二郎!!あなたいきなり大声出してどういうつもりかしら!?」



琥二郎の大声に反応したのはギャラリーだけではなかった。怒気を含んだ足利照々が問いかける。



「やぁ足利照々ちゃん。相変わらず元気そうでなによりだ」


「片腕吹き飛んでるのに元気に見えるなら眼科に行くのをオススメするわ!!」


「う、うーん、オジサンそういう意味で言ったんじゃないんだけどなぁ」



上位ランカー同士の微妙に噛み合わない会話に、場の空気が僅かに緩む。



「確かに。片腕吹き飛んでもピンピンしてるのは異常だよな」


「腕千切れた程度じゃまだ普通に戦闘継続出来るしなぁ」


「『賦活ノ霊薬(ふかつのれいやく)』飲めば欠損生やせるしな、ちょっと高いけど」



「でも何度も蘇るオマエらを相手にしてるオレら、実はスゲェだりィ思いしてるの知らねェだろ」



「ん?なんだおま――グエッ!?」


「な、なんだこいついきな――ぐあっ!?」


「キャアアアアアアアア!?」


「ッ!?」



少し離れた位置から女性の甲高い声が響き渡る。周囲のプレイヤーの視線が一斉に注がれる。


悲鳴を震源地に、蜘蛛の子を散らしたようにプレイヤーが離れていく。そして腰が抜けたのか座り込む女性が見上げるのは1人の少年。


輝く黄金の髪を持ち、額から1本の角を生やした端正な顔立ちの少年が静かにそこに立っていた。

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