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大乱世モノノフサバイバー~怪我で夢を絶たれた元・天才剣士は電脳の乱世で2度目の夢を見る~  作者: ミヤムラ


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刀は拾った。

「とりあえず俺の勝ちって事で」



刀を鞘に収めた直後、『韋駄天』の効果時間が終了してSTゲージが半分になり『ST半減中。残り時間1:30』と表示が上書きされ、身体が妙に重く感じる。


本来この状態がデフォルトなんだけど、この落差は気をつけてないと感覚おかしくなるな。乱戦向きじゃなさそうだ。短期決戦向けって感じだなこの『韋駄天』ってスキル。



「……悔しい。もう1回」



ジトっとした目でこちらを恨めしい目で見てくる蔵景。表情こそ大きな変化は見られないが、声音に悔しさが滲んでいる。



「勿論――と言いたい所だけど、あのこれやっても大丈夫っスか?」


「うん?いいんじゃない?気の済むまでやっちゃえ!まだ『六厄災』戦まで時間あるから全然おっけー!あ、でも長引きそうだったら止めるからね?」



溜まった遺恨はここで吐き出してしまえと言わんばかりのサムズアップで承諾を得る。うーん、とはいえスタミナ半減中でどこまでやれるか……。まあいつも万全の状態で戦えるってワケでもないから、これも経験か。



「それじゃあ2本目、やるか。とりあえず刀はどうする?そっちに投げるか?」


「いらない。刀なら()()()()()()()()



そう言うと蔵景はウインドウを操作して、虚空から別の刀を取り出した。新たに取り出した刀は純銀の鞘に純白の柄で、先程の無骨な刀とは正反対の印象を受ける。



「ちょっ、ちょっちょっちょっ蔵景ちゃんそれ【菊一文字(きくいちもんじ)則宗(むねのり)】!?なんで持ってるの!?」



蔵景が取り出した刀を見た瞬間、カルムは驚きを隠せないといった感じで目を見開いて慌てふためいている。



「拾った」


「拾った、ってそれ()()()()の所有してた武器の1つなんだけど……!?え?蔵景ちゃん照ちゃんに勝った事あるの!?」


「誰っスか?照ちゃんって」


()()()()()()()()()2()()()()()()()()()()()リアルで知り合いだから私は照ちゃんって呼んでるけど、もうめちゃくちゃビックリするくらい強いの!【菊一文字則宗】も照ちゃんが使う武器なんだけど、ごめん待っていつ!?いつ拾ったのそれ!?」


「…………、3週間くらい前?偶然歩いてたら、建物の隙間に刀が落ちていたから」


「そんなことある!?」


「落ちてたからこうなってる」


「いやそうなんだけどね!?ええぇ……、これどうしたらいいんだろ。3週間前に照ちゃんの機嫌が悪かった時あったけどそうかこれが原因か、えぇ……。照ちゃん『六厄災』にはあんま興味ないからたぶん顔出してきたりはしないだろうけどうーん……?」



頭を抱えて大混乱、といった様相。なんだ、2本目どころじゃなくなってしまったな。



「……蔵景、とりあえず休憩でもいいか?」



蔵景に問いかけると、肯定を示すように静かに首を縦に振る。俺は地面に突き刺さった刀を拾って蔵景へと返そうとするが、蔵景は腰に差した空っぽの鞘をこちらへ差し出した。



「それはいらない。貴方にあげる」


「え?いやいや、さっき刀貰ったからもう要らないが?」


「それは戦利品。その前の刀は施し。いらないなら捨てるなり武器屋や質屋で別の武器に変えるなり自由にしてくれて構わない」


「そう言われてもな……、てかこれなんかランカーの人に返せとか言われてなかったか?」


「なら代わりに返しておいて。私、あの人暑苦しくて苦手なの」



いやわからんでもないが、厄介事押し付けられても困るんだが……。てかそれだとヘイトが完全に俺に切り替わって余計な恨みを買うのでは……?

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