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大乱世モノノフサバイバー~怪我で夢を絶たれた元・天才剣士は電脳の乱世で2度目の夢を見る~  作者: ミヤムラ


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14/23

人は彼らを三英傑と呼んだ(一部のみ)

「ではトミナ少年にはこのみたらし団子をあげよう」


「あ、どうもっス」



参集殿から離れて堂々とそびえ立つ鳥居を潜る直前、琥二郎からみたらし団子を差し出されたので、お言葉に甘えて受け取った。頬張ると水で極限まで薄めたようなうっっっっすいタレの味と、もっちりしっとりした食感が口の中で広がった。なんか変な感覚だけど、食感は悪くないな。



「…………、」



隣にいるクラカゲは、そんな俺の様子をただじーっと見つめていた。そう見られると食べづらいんだが……。


微妙な空気感で舌鼓を打ちつつ、鳥居を潜り抜けて神社の敷地外へ出た直後の事だった。視界の右端に謎のカウントダウンが開始する。



「……ん?なんだこれ?残り1分?」



そんな俺の反応に気づいた先を進む琥二郎は、前進を続けながら首だけをこちらを向けて口を開いた。



「おっと、そうだトミナ少年。それ戦闘再開許可までのカウントダウンだから、0になるまで戦闘しないようにね。破るとあのおっかない『御祓(みそぎ)』と同じような『見廻組(みまわりぐみ)』っていう治安維持目的のNPC集団が駆けつけてくるから気をつけて」


「へぇ、そんなのあるんスか」


「うん。サービス開始当初はなかったんだけど、あまりにもリスキルするプレイヤーが多くて追加された仕様。無限ループのスコア稼ぎで当時のランキングがもう荒れに荒れちゃって。あっちこっちでもう青い花火がどっかんどっかん!」



絵面を想像するとエグいな……、経験値の美味しい無限湧きするザコ敵を永遠に狩り続けるようなもんか。



「結局当時のランキング報酬は『一定以上のスコアを獲得したプレイヤーに同じ報酬』って事で落ち着いたんだよね。あ、ちなみにオジサンが装備してる【津田長光】は当時のランカー報酬」



腰に差した刀を指差しながら、どこか誇らしげな表情を浮かべる琥二郎。あれ、でもそうなると琥二郎さんもそれやってったって事では……?……深く考えるのは辞めておくか。



「琥二郎サン、古参なんスね」


「うん、まあ古参とはいえオジサンはずっと上位ランカーだったわけじゃないんだけどね。サービス開始から上位ランカー継続してるのは今の上位3人だね。強いよ彼らは」


「琥二郎サンよりっスか?」


「わはは!オジサンなんかもう()()()全然相手にならないよ。昔はいいとこまでいけたけど、装備も技量もあの3人は文字通り()()()()()んだ。プロゲーマー顔負けの技量と判断力が備わってるし、なんならプロゲーマーが挑戦するって企画でプロ相手に完封してる。嘘だと思うなら動画サイトで調べてみるといいよ。面白いものが見られるから」


「ハイっス。今度見てみます」


「彼らの動きがトミナ少年の役に立つかは別として、人間の限界値を知るなら見ておいて損はないよ。っと、そうこうしてる間に見えてきたね、団子屋」



琥二郎と雑談を繰り返している内に、『団子屋』という文字の書かれたのぼりが複数立った店が現れる。店の前には赤い布が被された長椅子がいくつも置かれており、そこでプレイヤー達が団子や陶器を持ってくつろいでいる。



「さてさて、アーチェちゃんはいるかなぁっと。うーん、店先にはいないみたいだから、オジサン店の奥まで探してくるよ。二人はどうする?」


「俺は名前しか知らないんで、外から順番に探してみます」


「私はもう見つけたので失礼します」



そう言い残すやいなや、軽く会釈をしたクラカゲは早足で長椅子の方へと向かって立ち去った。



「じゃあ、オジサンとはここでお別れだトミナ少年。再会した時、オジサンに弱い者いじめさせないように強くなってるのを期待してるよ」


「ああ、それなんスけど、たぶんすぐ会うことになるかもしれないっス。俺、知り合いと21時からのレイド戦参加する予定なんで」


「おっと、随分と思い切るねぇ。うーん、とはいえ『六厄災』は経験値美味しいからレベリングとしては悪くないのか」


「そうっス。あと武器も拾えたらなって」


「欲張るねぇ。ただ拾うにしても、かなり大変だよ?超至近距離で卓球のスマッシュを避けれるくらいの反射神経がないと、お話にならないって。――こんな風に」


「ッ!」



突如斜めに振り下ろされた琥二郎の手刀をサイドステップで右に回避するも、手刀の軌道はその動きに追従するように加速して俺の首元に触れる。



「今の見えたかい?」


「ギ、ギリギリですかね」



初手は回避出来た。しかし二撃目が目で追えはしたが、身体が反応しなかった。振り下ろしなら初撃を避ければ問題ないと思ったがそうか、現実的な動きだけじゃなくて、ゲームだから多少物理法則を無視した動きも考慮しないといけないのか。


普通はあの振り下ろし速度から加速しては追いつかない。常識をゲーム仕様にアップデートする必要があるな。



「んーじゃあまあ及第点かな。今回は止めたけど、実戦じゃあおそらく刎ねられてるだろうけどねぇ。武器を拾うにしても、拾った武器を抱えて制限時間いっぱいまで生き残ってる必要があるから。ま、レイド戦は大型アプデ以降週1であるから、ダメなら次頑張るといいさ」

【上位ランカー】



1位 柳生龍征

・プレイヤー達から【剣聖】と呼ばれる男。1対1ではほぼ負けなしの圧倒的実力を誇る。並のプレイヤーではかすり傷すら負わせる事すら叶わない。



2位 足利照々

・プレイヤー達から【剣豪将軍】と呼ばれる女。『無限乱刀流』と自称する独自の戦闘スタイルで多人数の戦いに滅法強い。



3位 アルクス

・プレイヤー達から『槍葬』と呼ばれる男。剛弓『龍貫』を用いて槍を弓矢代わりに使う人力バリスタ。弓だけでなく槍の名手でもある。

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