28話 未遂なら何をしてもいいと思っている
前回のあらすじ:熟女に誘われた。
謎の熟女は七日以内に旅の準備をしろとのことだったので、次の日にはリリと街に出て替えの服や下着を作るための生地を買って教会で裁縫することにした。既製品を買う方が手っ取り早いのだが、それらは比較的高価なためこういうところで節約をしたい。
同じ既製品が寸分たがわずに作れるほどの技術力を持つというのは、その町の繁栄を測る上のひとつの指針となる。寒村などではまだまだ手編みや裁縫が主流で、服を洗うのも生地を傷めてしまうので一週間に一度あるかないかである。
その点ではマフィーダは比較的発展している部類に入る。誤った噂を誤ったまま審議も確かめず拡散させる悪癖と、俺を見る厳しい視線を除けば、陽気で賑やかな雰囲気を気に入っている。
旧世代の遺物を転用する柔軟性もあって清潔感もあり現代世界においては最先端に位置すると言っていい。
当然上には上があるのでマフィーダが世界最大の町というわけでもなく、俺が旅してきた町のなかでは上位十位にも入らないだろう。それでもこれから上位に食い込むポテンシャルは秘めているので今後のさらなる発展に期待である。
しかし、町に差す光が大きければ、その裏の闇も大きくふくれるもの――。
その膨れ上がった闇を支配するのが俺であるという噂が駆け巡っているせいで、街の人々は俺から極端に距離を離したがる。
たまにガラの悪そうな猫人などが、俺を見つけると胸に手を当てて祈りのポーズを捧げてくることがある。それは教団内では畏まった場面で挨拶としても使うし、神父間でもつかう。だが基本的には神に祈りを捧げるときのポーズなので、一般信徒の方が一介の神父である俺につかう必要はない。
そのせいで「ファミリアはロイズレッドを神と崇めている盤石の組織」という誤解もちらほら聞こえてくるようになってしまったので本当にやめてほしい。
「――んだろ」
「ん? なんでっショウッ! こ、こら、耳に息を吹きかけないでください!」
リリが小さな声で喋るので前かがみになって耳を近づけたところフゥッと吹きかけられた。まったく悪戯盛りの娘である。
娘はキャッキャと喜んでいるので本当に悪戯だったのだろう。
だが周囲の反応には温度差がある。俺の放った叫び声が人々の緊張感を高めてかたまらせてしまっている。
「なんだか楽しいね。お買い物って気分があがるよ」
「そうですね。その気持ちは大いに共感できます。だからと言って街中で悪戯しちゃいけませんよ」
「ふふっ、歩いているだけで幸せかも」
「それはよかったです」
今日のリリは大変ご機嫌である。
酒場のときもそうだったが、やはり外に出ることに飢えていたのだ。目を離せないからと、俺に付き合わせて教会に閉じこもりきりにさせたのはいけなかったと反省しきりである。
リリは酒場から帰るなり旅の支度をはじめていた。
誘われたのは俺だけで、どれだけ時間がかかるかもわからない。馬車に乗せてくれるかも不明。呼ばれた先で何日も外で待機してもらうことになるかもしれないから――と説得しても頑として聞かない。「君と一緒にいる」の一点張りである。
ルカが脅しの材料に使われたので、姉としては看過できない事態であると重く受け止めてくれているのだろう。庇護欲と責任感の強いリリらしい考え方だ。
ルカも「ロイズレッド様はお人よしが過ぎて、そそっかしいところがございます。しっかり者のお姉様がついていてくれればそれも補ってくださるでしょうし。そうであるならばボクも安心です。旅行だと思って楽しめるといいですね」と援護をし、無言のリリによって頭を撫で回されていた。直後に闇の精霊によってルカは取り上げられていたが。あいつの独占欲の強さも困ったものだ。
「服の用意などはよろしいのですか。女性ものの凝った衣服は私では縫えませんので街に来たついでですので買いましょうか。それにその、下着などもいくつか必要でしょうし……」
「なにが?」
よりにもよってな内容の問いに、問いで返さないでほしい。
パンティーなどはいらないのかって言ってるのだ。どうか一発で伝わってくれ。
あまり察しがよろしくないリリにはこういう事が多々ある。
「ですから下着などを買うのでしたら私は一旦別の店で待ちますよと……」
俺が女性ものの紡織所や裁断屋になど立ち寄れば凄まじい誤解を受ける予感しかない。少なくとも俺の属性に女装と総受けがプラスされるのは確実だろう。
巷と言うか一部の界隈ではマスターと俺のカップリングはどちらがウケかセメか論争という、不毛な議論闘争が巻き起こっているらしく決着はまだついていないそうな。
リリとルカが巻き込まれるような噂でなければ積極的には否定してこなかったが、この噂だけは声を大にして否定していきたい。せめて俺がセメの方向がいい。
「私はべつにいらない。服はいくつか見るつもりだけど下着はいいや。だからどこへでも一緒についてくよ」
「もしかしたら長旅になるかもしれませんので、替えは余分に持っていったほうがよいですよ。衛生的な観点からも買わないという選択肢はおススメできません。遠慮をしているなら無用ですよ」
言葉は選んだつもりだが、女性に下着を買うように強要しているみたいになってしまったか。どうだ。
未踏破地域や新天地を探す冒険でもないのに同じ下着を着用し続ける必要はない。着替える暇などいくらでもあるし、馬車での移動なのだから多少荷物がかさばったところで身動きが鈍くなることもない。下着の一枚や二枚増えたところで重荷にはなるまいて。
「デリケートな女性の性的な部分の問題に口出しするのも野暮ですが――」
「だって普段からつけてないもん。下着とか、あれが存在している意味が分からない。上も下も私は装備しないよ」
「おっ…………おぅっ」
下着を装備だと思っているんだな。
確かに男から身を守り、ときに討伐するための装備にはなり得るものではあるが。
だからいつも柔らかくて重いのか。あれはほぼダイレクトアタックだったわけだ。
だとすれば聖棒にはいつも必要以上に厳しく言いすぎていたかもしれない。
それぐらいの接触で興奮するなど恥を知れだとか。吐精しか能のない繁殖専用肉器官とか散々に罵ってしまった。
力無くうなだれる聖棒を憐れに思うこともあったが、これも聖棒のためだと心に魔王をすまわせて厳しくしてきた。だがそれは間違いだったのだな。こいつは精一杯耐えていたのだ。
すまない聖棒、お前は何も悪くなかったよ。
悪いのは胸の感触を生かそうでないかを判断できない童貞の俺だ。お前はよく頑張っていたよ。
「つけたほうがいいの? ならどんなの買えばいいかわからないから君が選んでよ。それをつけるから」
「いや、それはまずいですよ。女性の下着を男が選ぶなど変な誤解をされてしまいます」
誤解の渦にリリは巻き込みたくはない。
「下着なんてただの布だよ? 選んでもらうのに変な誤解もなにもないと思うけど。あっ、もしかして宗教的な意味があるとか?」
そのただの布きれに俺は一喜一憂し、勃起一遊できるのだよ。女性の下着というのは、宗教的な意味などなくても神々しく見えるものだ。
歴史的価値のある古い女性の彫刻などを見てごらんなさい。いかに纏っている布を精緻に、そしてエッチに彫れるか――職人はその一点に集中し、石と一緒に魂と命を削っているのがわかるから。
教団本部にならぶ歴代聖母像など、そのほとんどが性母像だ。ぜったい大昔の人たちがシコるために彫っただろと思ったものだ。
女神と見紛うリリのような美女が下着を装着すれば、それはもう芸術の域に達することだろう。そして俺は芸術で達することができる男だ。語気が弱くなるのも下心があるからである。
「宗教的な意味合いを含む場合も勿論ありますよ。ですが今回はそういうわけではなくてですね」
「いつになく歯切れが悪いね。隠し事?」
「なにも隠しておりません。ただ公衆の面前では憚られる内容といいますか……私のような成人男性が大声で話すと色々と問題がありまして」
もし俺がリリの下着を裁断屋で選んだとしよう。
お父さん子で娘力の高いリリのことだ、まず真っ先に俺に確認してもらうため見せにくるだろう。面白い形で切られたニンジンをみせてきたときのように無邪気に。
そのニンジンは闇の精霊が陰茎を模して切ったものだとあとで知ったので、小一時間説教したが。
きっとリリは、いやらしい思惑などなく純粋に変ではないかどうかを確認するために見せてくる。履くところからゆっくりと見せつけるように、その艶やかなおみ足をあげて――。
「フッフッフーッ――!」
いきすぎた妄想が聖棒に聖火を点火したので高速スクワットを開始。
「ママ地震!」
「ほ、ホントね! ぼうや隠れて!」
たまたま俺の横を通り過ぎようとしていた親子が抱きしめあって屈んでいる。
申し訳ない。震源地は俺の聖棒だ。マラニチュード100の大性害である。
「ふぅ……」
「君っていきなりやるよね、それ。ホント自己鍛錬に余念がないんだ(風よ吹け。彼の汗の香りよ私に集え)」
当たり前だが呆れられてしまっている。これに関しては誤解でも何でもなく俺が悪い。街中で突然筋トレなどすれば呆れられて当然だ。
「話を戻しますが、多くの一般女性は下着を着用しないと聞きますね」
「でしょ。だって邪魔だもん」
司教のように黒のいやらしい下着を薄っすら見せつけるのは極めて珍しい部類の痴女である。
「でも探索者や冒険者となると話は別で。身を守るための衣服には素材一つ一つにまでこだわるものですよね」
「そういう人もいるみたいだね。でも私は魔法使いだから身軽な方がいいから。感覚が鈍かった分、いまは服を着ているのも違和感があって集中力が途切れやすいんだ。だから教会にいるときぐらいは全裸でいたいぐらいだよ」
ダメダメ。俺の視線が集中してしまうよ。
「なるほど……ですが冒険には危険がつきものなはず。密林や濁った川などではいつ魔物が襲ってくるかもわかりませんよね」
ある男が未踏破地域の深い川を渡っていたら、魚の魔物が肛門から侵入した――そんな恐ろしい話も古来からある。
俺も聖棒を顎力の異様に発達したナマズに咥えられたことがあるのでその恐怖は十分に知るところである。それ以来魚類を侮ったことは一度としてない。あのときは女になるかと思ったもの。
油断をした戒めとして酒場ではいつも焼き魚を頼んでいるのだが、なぜか毎回提供されない。
そういえばあのとき一緒に遊んでくれていた子がいたな。
人形のように均等で均衡のとれた綺麗な顔。そして俺が何をしても笑ってくれる明るい子だった。
それこそナマズに聖棒が咥えられたときなど涙を流し、のけ反るほど笑っていた。しばらく笑いが尾を引いてしまったのか。俺のまだ小さい、一般成人男性程度のサイズしかなかった小型聖棒を見るだけでも過呼吸になるほどに笑っていたっけ。
あとにもさきにも聖棒であんなに笑ってくれたのは司教とあの子だけだ。
なんかいい思い出なのか悪い思い出なのかわからなくなってきたな。
言葉も通じないのに妙な誤解もせず。俺なんかと夕暮れまで付き合ってくれた心優しい子だった。
思えばあれが俺の初恋だったように思う。いまもどこかで元気にしてくれていたらいいな。それなら環境保護を名目とした過酷な毒虫採集の旅も。救済を使ったのがバレて司教に腹パンされたのも報われるというものだ。
「ねえ、それよりもどうする? 私はどっちでもいいんだけど。履いてた方がいい? 履かないほうがいい? どんな下着がいいか君が決めてよ!」
煮え切らない俺にイライラする気持ちはわかるが、みなが注目するほどの声量を出さないでくれ。みなに注目されてしまっているじゃないか。
ここで下着の未着用を命じれば、美女に下着を履かせずスリルを楽しむ変態という噂が流れる。着けろと言えば自分好みの下着しか許さない、全てを管理したがる束縛の強い男という噂が流れる。
どう転んでも俺が加害者に映る流れだな。
「こればかりは自分でお決めなさい。なんでも私が決めてしまえばリリも自立できなくなってしまいますから」
「やだ。決めて。やだ」
今日は本当に頑なだなおい。
生きるべきかどうかを委ねてきたこともあったが、なんでそんな細かいことまで俺に託すのだ。
「では、あの、履いておきましょうか……?」
「うん。君がそう言うなら――あっ、やっぱいらないや(よく考えたらいざという時すぐにできないから邪魔だあれ)」
「結局自分で決めるんですね……」
「うん(スッと脱がしてズッと入れてスッと既成事実)」
なんだよ。なんなんだよもう
じゃあなんで聞いたんだよ。
無用にドキドキさせないでくれよ。
「では買い物を続けますよ……。まだ時間に余裕はありますが、忘れ物はないようにしましょうね」
「ん(なんか疲れててウケる。可愛い)」
これからリリと買い物に行く場合は、出る前に精神統一をしてから出発しよう。
筋トレを足腰が立たなくなるまで行おう。勃起などする余裕がないほどにへとへとになって出かけよう。
たとえリリのノーパンチラをみても「ふーん、無毛なんだー」ぐらいに流せるほどに精も根もつきさせていこう。
極度の興奮状態や恐慌状態が続けば俺は理性を保てなくなる。
そうなるといつもは理性で抑え込んでいる心の中のオークが顔をだしてしまう。
そうなれば取り返しのつかないことを行い。言い逃れのできないことを口走ってしまう可能性だってある。そうならないための自己防衛だ。
☆
教会に帰るとルカが広間で眠っていて、闇の精霊に膝枕をされて。
それだけならばアットホームな家庭を感じさせるほっこりする場面なのだが。闇の精霊は自分の横の髪を手で抑えて涎をルカに飲ませようとしているところであった。
これではエッチホームでもっこりしてしまう。
間一髪のところでリリが風を上向きに吹かせてくれたおかげで、すべての涎が自分の顔にかかってしまいパニックになる闇の精霊。
旅の間こいつにルカを任せるのが不安になってきた。
帰ってきたら俺よりも先に童貞を飛び級で卒業していそうで怖い。
ルカ、父さんそれだけは許さないからな。もしそうなったら敬意をこめて「ルカさん」とか「先輩」とか呼ばせてもらうぞ。
「そこの性霊は子供相手に何をしようとしてたんだい」
「なにって……? ただの唾液交換ですわよ?」
どこからかだしたのか豪奢なハンカチで顔を拭きながら、それが何か? みたいな感じで開き直っているのが邪悪を極めている。
リリは、闇はけっして悪ではないと説明してくれたが、俺には悪の中軸にしか見えない。
「すやすやと眠る可愛いこの子の寝顔を見ていたら、ついゾクゾクッとして涎がでてしまいましたの。そこで閃いたのですわ。啜るのではなく出し切ってしまえ、と。さすればこの子も水分が取れて快眠を約束されますもの。利害は一致しておりますわ」
ルカには害しかない。
「それはっ……なんというか天才的発想だね。私ではとてもじゃないけれど思いつかなかったよ。参考になる」
リリも皮肉を言うんだな。意外である。
精霊とは長い付き合いなので、気の置けない仲というやつなのだろう。友達がいるの羨ましい。
「申し訳ありませんが、そういった行為は情操教育上よろしくないので控えてください」
「そういう行為とは具体的になにを指すのでしょう」
「眠っている相手に性的な嫌がらせをすることです」
「それでしたらそこの性欲旺盛淫乱エルフも夜な夜なあなたにすごいことをしてますわよ?」
「……(おいバラすな消すぞ)」
自分が変態だから他人も同じようなものだと思い込んでいるのだろう。まったく視野が狭い。そも尺度を自分に設定するなと言いたい。
「はぁ……リリがそんなことをするわけがないでしょう。彼女は嫌がらせのイの字もできませんよ。するとしても可愛らしい悪戯ぐらいなものです。そうですよね?」
「可愛いかはわからないけど悪戯はするね(ダーリンは眠っているときは全裸なのだから仕方ない)」
まったく、リリは自分の容姿や振る舞いの可愛さに自覚がないのも困ったものだな。
朝方ベッドに潜り込んでこようとするときもあるのだが、それぐらいの悪戯は可愛いものだ。全裸だから毎回死ぬほど焦ってるけど。
「あれが可愛いの範疇ですむなら未遂で終わったわくしは無罪放免ですわ」
まったく反省しないなこいつ。リリまで盾に使いやがって。
しかし変態に常識を説いても心に響くはずもない。いざというときはリリが本気で叱ってくれるので手綱はまかせよう。
「教会を幾日もあけるのですから、そのときはあなただけが頼りなのです。その頼れるものが最大の敵となるのは考え得る未来の中で最も恐ろしいもの。どうか後顧の憂いなく出発させていただければと思っています」
「でも冗談ですのよ? お二人が帰ってきたのをわかってやったのです」
なーんだ冗談か――とはならない。
じゃあそのもう片方の手に持っているロープや、細長い黒い棒はなんだ。どこから持ってきた。
「もういちど強制的に契約してもいいんだよ。お前が契約の抜け穴を突いたように、こっちだって同じ内容で再契約する方法なんていくらでもあるんだ。私が森の賢聖にして賢性であるオノドリムの弟子だというのを忘れたわけじゃないよね」
再契約と聞いた精霊の顔がサッと青ざめて歪む。
リリとの契約は痛みを共有していたという話だったので、勇猛果敢なリリと契約すればまた痛い思いをすると恐怖しているのだ。
「ヒィッ――! そ、それだけはどうかお許しを! なんでもします、なんでもしますからぁん!」
「なんでもするなら命じるよ。なんにもするな」
それにしてもリリにはSな態度と顔がよく似合う。
どうにかしてそれとなく顔を尻で踏んでもらえないだろうか。
闇の精霊ではないが、できれば起き抜けにベッドに縛り付けられていて、致し方なく受けているという体でお願いしたい。
その際、司教みたいに毒を垂らすような真似は禁止とする。お陰でやたらと乳首が敏感になってしまって今も後遺症に苦しんでいるのだから。
「私は裏庭のベリーの様子を見たら夕食の準備をしてきます。そのころにはルカも起こしてあげてくださいね」
「かしこまりましたわ。どんな手段を使ってでも起こしてみせましょう」
黒い棒を握りなおすな。お前にぶち込むぞ。
「普通に声をかけるなりゆするなりして起こしてください。それでは」
「私もいく」
リリはどこでもべったりなのが娘らしく手可愛い。
この子が嫁に行くときは号泣する自信がる。寝取られに似た感情を抱いて鬱勃起してしまうかもしれないので、今のうちに聖棒を鍛えなおしておこう。
「聞き間違いでしょうか……? ご自分を犯してくださいと仰いましたか?」
聞き間違い意外になにがあるというのだ。起こしてくださいと言ったんだよ。
「いいのですか? あなたはそこの、やさぐれ淫魔エルフのものなのでしょう? 他の女に手を出しては浮気になってしまいますよ」
「……(そういうのだよそういうの。さっきのはこれでチャラにしてやる。これからも外堀を埋めるような発言を心掛けろ)」
激昂するかと思ったがリリは何も言わない。それどころか暗い顔をしている。呆れてものが言えないというやつか。
「はぁ……とにかく私はいきますね」
「イクんですか? でしたらわたくしではなく妊活恋愛脳エルフのなかにお願いします」
「ではまたあとで会いましょう」
「……(素晴らしいパスだ。これからもその調子で頼むよ)」
リリがウインクなどして闇の精霊にアイコンタクトをしている。
あとで仕置きをするという合図だろう。
「はいごきげんよう~。さて邪魔者も消えたし続き続き……じ、冗談ですわ! ちょっと構ってほしかっただけですの! だからやめッ――」
結局いますぐ仕置きをされている。
騒がしいな。ルカがおきたらどうするのだ。
熟女:監視中




