無言
おや?
この2人
喧嘩したな?
昨日お疲れ様と帰宅し
今朝おはようと顔を出した娘ですが、
昨日と今日の間の数時間で
なんかあったっぽいです。
父、母、娘で荷詰めをしていますが、
空気が重い気がします。
そりゃあ、
いつも話をするわけではありません。
無言で黙々と荷詰めすることだって
よくあることです。
でも、
何だかギスギスしている気がしますね。
気のせいかもしれませんが、
これでも娘歴は長いです。
なーんかおかしいぞ、という空気は
大体肌が覚えているものです。
なので、
今日も中島みゆきが流れていますが
空気は澱んでいますね。
あいだーけを のーーーーーこせーーーー
こわれーーーない あーーーいをーーーーー
げきりゅうーーーのよぉーーなーー
ときのーーーなーかぁーーーでーーー
あいだーけを のーーーーーこせーーーー
なまえーさえも のこーーーーさずーーーー
いのちぃーの あかーーしにぃーーーー
あいだーけを のーーーーーこせーーーーー!!!!
空気と曲のミスマッチ感が凄いです。
ダメだ
何だか今日は気になります。
仲直りしてほしいとかではありません。
顔を突き合わせて
話し合ってこい、なんて思いません。
ただ
この空気が何だか嫌です。
娘のモチベーションダウンですし
集中できませんです。
なにか…
なにか…話題はないか…
中島みゆきの歌声に引きずられながらも
明るい話題を探す娘。
ない
こんな時に限って何も思いつかない
外で
ムクドリがギャーギャー鳴いている
それくらいしか
脳みそに引っかかってこない
えーい
それでいいや
「ムクドリ、巣立ったね」
いやー
適当にも程がある内容ですね。
2人ともが無言で頷くだけで
終了しそうな内容です。
「そうだな〜巣立ったな〜」
父が釣れた!
「あんなに騒がしかったのに、寂しくなったね」
「ギャーギャー鳴くからな〜、もう少し可愛く鳴けばいいのにな〜」
よしよし
「そう?ギャー以外の鳴き声もあるよ?ギャーの方が多いけど」
「そうか〜?あぁでも、着地する時の飛び方は好きぞ?あのほら、ほらほらアレよ」
「どれ?」
「アレアレ、シュワちゃんの映画の戦闘機」
「シュワちゃんの映画?」
我が家では、父の影響で
アクション映画をよく見ていました。
シュワちゃんは
アーノルド・シュワルツネッガー
略してシュワちゃんです。
それにしても…戦闘機?
「戦闘機…戦闘機…エアフォースワン?」
「それは大統領が乗るやつでしょ?あのホラ、誘拐される映画よ!」
母も釣れた!
「誘拐?山小屋で女の子が誘拐される映画?」
「山小屋はー…違う!あのホラ、最後、戦闘機にシュワちゃんが乗って助けてにいく映画よ!」
「ハリアーや!ハリアー戦闘機!検索してくれ〜」
娘と母がワイワイしている間に
必死で名前を思い出していたらしい父。
ポチポチポチ
検索します。
「車が出てきた!」
娘の検索音痴が発動しました。
「ちっが〜う。車は違う〜。シュワちゃんの映画ぞ?戦闘機、ハリアー」
「シュワちゃん…戦闘機…ハリアー……出た!」
「出たか〜見せてくれて!」
スマホの画面を目を細めて覗き込む父と母。
そうそう、これこれと納得しています。
「うん。確かに降り立つ時のムクドリに似てる」
「そうやろ〜?格好が似てるよな〜」
父も母も作業に戻っていますが、
先ほどのギスギス空気は飛んだようです。
良かった良かった。
で、
今、
娘は、
作業場の空気より、
頭に浮かんでいた
山小屋で女の子が誘拐される映画が
何の映画だったのか気になっています。
山小屋で…
女の子が誘拐されるんですよ…
確か…
シュワちゃんがお父さん役だった気が…
いや…
スタローンだったかな……???
……山小屋…?
頭の中にある
昔の映画を思い出したくて
2人のことなんてどうでも良くなっていた娘でした。
多分、『コマンドー』です!




