君に容赦はしない
きゅうりがいっぽ〜ん…
きゅうりがにほ〜ん…
きゅうりがさんぼ〜ん…
きゅうりが…
(ぷぅ〜ん)
《パチンッ!》
「…………」
きゅうりがいっぽ〜ん…
きゅうりがにほ〜…
(ぷぅ〜ん)
《パチンッ!》
「…………………」
きゅうりがいっぽ〜ん…
(ぷぅ〜んぅん)
《パチンッ!パチ!パチ!パチンッ!》
(ぷぅ〜ん)
《パチーーンッ!》
(ぷぅん)
《パチッ!パチンッ》
「………………(ぷぅん)…………もぉっ!」
きゅうりの収穫作業中に、蚊に纏わりつかれています。
サイズが、とても小さい蚊です。
叩きたいのに
地面と
きゅうりの葉っぱと
自分のド派手なモンペの柄のせいで
どこにいるのか分かりません。
ぷぅん、と音がした時に、
素早く仕留めようとしますが、
ちっとも上手くいきません。
蚊取り線香を取りに行くのはめんどくさくて
我慢していましたが、
もう
観念して
蚊取り線香を
取りに行こうと思います。
(ぷぅん)
早足で。
蚊との戦いは幼少期から続いています。
山では、黒と白のシマシマカラーの相手をしました。
1対3は基本で、
私はいつも1人で複数の相手をしていましたね。
自分の身を犠牲にしながらも、
叩いて、叩いて、しっかり叩いて、
大体は仕留めました。
しつこい相手でしたね。
痒かったです。
家では、黄土色の相手をしました。
全敗です。
寝ている時に奇襲をかけてくるので
気づいた時には痒かったです。
文明の機器に頼ります。
そして今日の相手は極小です。
本当に小さい。
きゅうりを収穫しながら仕留めるのは無理です。
迷いなくパチパチ叩いても
当たらなければ意味ないですね。
早足をキープしたまま
ハウスの物置に辿り着いた娘は
持ち運びできる蚊取り線香の入れ物を
手に取りました。
つまみを外して
中の網も取って
パキリと割った蚊取り線香に
火をつけます。
いい香り
娘は、この香りは好きです。
ふわ〜っとほのかに香るくらいだと更に好みですね。
よしよし
蚊取り線香をセットして
きゅうりの収穫を再開します。
どこからでもかかってこーい!
こっちには蚊取り線香があるぞー!
無敵状態できゅうりの収穫を再開した娘。
もうあの(ぷぅん)を聞くことはないでしょう。
ご機嫌でカゴを乗せて出発しようとしました、が、
肩に違和感が…
………痒い
やられました。
左肩をかまれています。
背中を丸めて
ウキウキと蚊取り線香をつけている時ですかね。
動きながら…
つけるべきした。
極小の蚊、win!
服の上からも刺してくるのは
反則だと思うんです。
でもそうか…
必死だもんね…




